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侵略者あるいは鬼の末裔として(7) 日本人は中国・朝鮮で何をしたのか<その6>
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侵略者あるいは鬼の末裔として(7) ――日本人は中国・朝鮮で何をしたのか<その6>――

小泉雅英

■日本軍の性犯罪について

陸軍士官学校を卒業後、中国戦線で従軍した歴史家・藤原彰は、「降伏と決まった時には、天皇は当然、自殺すると思いました。ところが平然として、「国体を護持し得て」などと言っている。これはおかしいと思ったのが、私の思想が変わった決定的な原因でした」(*1)と述べている。その藤原は、かつての戦争について、「アジア太平洋戦争、とりわけ中国戦線における日本軍の戦争犯罪の特徴は、性暴力の異常な多さである。(略)近代日本の社会と、その中での軍隊が、著しく人権感覚を欠如していたこと、その中でアジア諸民族にたいする差別意識が意図的に養われたことなどが、性犯罪の背景にあったといえる。さらに予期しない戦争の拡大によって、軍隊が膨大な数に拡大し、素質、訓練が低下して、軍紀が乱れていったことも、性犯罪多出の温床になったのである」と指摘している(*2)。
この主題で何事かを書こうとすることは、とてつもなく気が重く、決意が必要だ。日本軍がかつて中国・朝鮮をはじめアジア各地で、多くの無辜の民を殺戮し、その地の女性を凌辱し続けたことは、今や多くの日本人の知る「常識」とも言える。ただし、その「常識」は、字義通りの「共通感覚(認識)」となっているかどうかは分からない。そんな中で、「戦後77年」ともなる現在、そうした鬼畜の非道を改めて確認し、問題提起することにも意味があると考え、以下、何とか書き始めることにした。本項目では、主に笠原十九司『南京事件と三光作戦』に依拠し、同書からの引用は頁数のみ示す。

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