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●根津公子の都教委傍聴記(7月28日)

「魅力向上」に向けて都教委がすべきは学校に決定権を戻すこと

 今日の公開議題は、議案が【都立小学校、都立中学校及び中等学校(前期課程)、都立特別支援学校来年度使用の教科書採択について】、報告が【都立高校の魅力向上に向けた今後の対応について】。非公開議題は、議案が【いじめ問題対策委員会(第5期)委員の任命または委嘱について】、【教員の懲戒処分について】、報告にも教員の懲戒処分があがっていた。 前回6月23日の定例会は、「文科省から『オンライン会議も可』との通知が来たこと及び非公開議題がなかったことから」(都教委担当者発言)教育委員はオンライン出席での教育委員会であったが、今日は非公開議題があったから対面となったのか。

【都立小学校、都立中学校及び中等学校(前期課程)、都立特別支援学校来年度使用の教科書採択について】

 義務教育諸学校で使用する教科書は無償配布であり、同一の教科書を採択から4年間(政令が定める期間)使用すると決められている(教科書無償措置法)。したがって、来年度は今年度と同一の教科書を使用することになっており、そう採択された。

【都立高校の魅力向上に向けた今後の対応について】
——「魅力向上に向け」て都教委がすべきは学校(校長、教員)に決定権を戻すこと

 2012年度から10年間にわたる「都立高校改革推進計画」に基づくとりくみと都立高校の現状についての報告がなされた。

 1 進学指導重点校の1校である日比谷高校の難関国立大学等の現役合格の向上。海外留学(都教委・次世代リーダー育成道場に合格した上での11か月の留学)を経験した生徒の9割が語学力や積極性・主体性、異文化理解の向上を実感。国際高校の国際バカロレアコースの応募倍率は4倍を超える高倍率。他方、工業科、ビジネス科、夜間定時制課程の応募倍率は低下。これらに見られるように二極化が進んだ。←学区制をなくしたのだから、日比谷高校や国際高校に集中するのは必然。海外留学の自己負担額は渡航費、滞在費、学費等で80万円。格安と思う。

 2 定時制課程における不登校生徒の出現率・中途退学率が改善。スクールカウンセラー配置と比例する。

 3 発達障害や日本語指導が必要など、支援が必要な生徒が一層顕在化した。 4副校長支援員を配置したことによって副校長の時間外労働が改善。教諭の時間外労働も改善(タイムカード打刻時間による比較)。←実際にはタイムカードを打刻した後再度時間外労働をする教員がいると現場の教員から聞く。

 こうした現状を踏まえて今年度から2024年度まで、「教育内容の充実」「多様な生徒への支援」「「都立高校の特色化等」を柱として集中的に「都立高校の魅力向上に向けた施策を展開するという。今年の11月にプログラム素案を公表し、パブリックコメント実施を経て2月にプログラム公表となるとのこと。

 報告を聞きながら思ったのは、「学力」の高い学校や生徒には「学力」の低い学校の金を削りに削ってつぎ込んできた事実、税金の不平等な使い方(と私は思う)を教育委員は誰一人感じないのかということ。これまでもそう思ってきたことだが、再度思った。税金を平等に使い、「学力」が低い工業科や定時制に教員の配置を手厚くしたら、生徒は先生に悩み事を聴いてもらったり励まされたり、勉強を見てもらえる機会が得られる。そうした環境整備がなされていたら、生徒の学校に行きたい気持ちが高まったであろうし、教員も生徒の少しの変化を見落とさないでいただろう。こうなれば中途退学は減り、応募倍率もあがる。これが「魅力向上に向けた施策」ではないのか。

 それから、 銑い砲狼鵑欧覆ったが、報告は学校体制・運営の成果だとして、「すべての教科・科目について教える内容、進度、定期考査を校内で統一した」「教科主任の導入により、指示系統が明確になり、教科指導もやりやすくなった」を挙げる。こんなことを成果とするとは、恐ろしいこと。これでは教員は、教科書に記述はないが教えたいと思うことを、教えることができなくなる。教育内容への統制なのだが、その認識が各学校の報告者(副校長か)にまったくない。

 教員が指示で動くのではなく自立し、生徒たちの思いを受け止めて教育活動をしていくことこそが求められている。それがしたいから私は教員になったのだ。それができなくなったから、教員志望が減り続けるのだ。上意下達の中で出世してきた都教委上層部には、「魅力向上に向けた施策」づくりは不可能と思う。「魅力向上に向け」て、都教委がすべきは学校(校長、教員)に決定権を戻すことだ。

 余談だが、12時に放送が流れた。「都は省エネに取り組んでいます。昼休みは消灯しましょう。買い物は『袋は要らない』と言いましょう。毎日12時に流されるこのことばに、バカにされたと思う職員はいないのだろうか。


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