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<6.26統一マダン東京プレ企画 情勢講演会報告>

「本気の日韓連帯が必要」〜韓国新政権についてイ・ヨンチェ氏講演


 6月26日(日)暑い日差しの中、午後2時から、JR常磐線「三河島駅」近くの荒川区生涯 学習センターで、「韓国の新政権はどこへ行く?―尹ソンニョル政権の性格と展望―」と 題して、恵泉女学園大学教授のイ・ヨンチェさん(写真)が講演を行いました。

 5月に韓国で行われた大統領選挙は、0.73%、約26万票差でユン・ソンニョルさんがユ ン・ジェミョンさんに勝ちました。与党だった「共に民主党」のムン・ジェイン政権に対 する審判でもあったわけですが、この選挙をどう理解するかは、与党・野党ともにいろい ろあるとのこと。キャンドル革命で誕生したムン・ジェイン政権は、なぜ負けたのか。コ ロナ禍のなかで有効な経済政策が取れなかったことが大きいが、財閥改革、南北分断の問 題も解決できなかったことが敗北の原因になったとヨンチェさんは話しました。また、韓 国では主に1960年代生まれの人々が民主化闘争を担ってきました。1990年以降、その人た ちが政権に入っています。今韓国では正規職が30数%で、20代では50%が非正規職で仕事 がない状態になっているとのこと。兵役を負わされる若者たちに、社会のひずみが襲って いる。その不満がムン・ジェイン政権に向かったとのこと。

 「大統領に当選した元検察庁長官のユンさんは、検察出身者を政権中枢の人事に抜擢し 、韓国は1か月で検察国家になってしまった。ユン政権は、日本との関係改善は韓国の国 益だと考えている。日米韓の安全保障を強化していきたいということで、積極的に出てく るだろう」とヨンチェさんは続けました。

 そして、日韓市民連帯と東アジアの新しい平和運動について、「日本と韓国がアメリカ の言いなりになって従属していたらこの地域は戦争の道しかなくなる。しかし日本と韓国 がアメリカと中国との間で中堅国家としての発言力を持って対していけば、別の秩序を作 る可能性がある。そしてそれができるのは日韓市民社会の力だ。市民社会が日韓両政権に 歯止めをかけて、人間を守るための安全保障、新しい秩序を作ることだ。それには多くの 市民が立ち上がることが必要だし、本気で日韓連帯で闘わないと第2の朝鮮戦争になり、 戦争する国になってしまう」と話しました。

 休憩をはさんで質疑応答。キャンドル市民革命は挫折したのか、ジェンダー問題、新政 権の労働政策、日韓市民連帯とは具体的にどういうことかなどが出されました。

 短い時間で沢山のことを話され、とても頭に入り切れなかったのですが、朝鮮戦争の問 題について、もっと勉強すべきだということはわかりました。「朝鮮戦争は日本の植民地 支配の延長にあるものであり、日本は分断の責任もある。朝鮮戦争の解決なしに安全保障 の問題も解決しない」と話していました。

 会場参加者は31人。オンラインでも発信されていました。もっとたくさんの人に聞いて もらい、一緒に考えたい内容でした。(尾澤邦子)


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