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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(5/26): 教育委員には、都民の批判を受け止め論議してもらいたい
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●根津公子の都教委傍聴記 2022年5月26日

教育委員には、都民の批判を受け止め論議してもらいたい

 今日の公開議題は報告 崚堽高校入学者選抜における東京都中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)結果の活用について」と◆崚豕都オリンピック・パラリンピック教育のレガシーについて」他。

 崚堽高校入学者選抜における東京都中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)結果の活用について」

 今年度から全中学3年生に英語スピーキングテスト(ESAT-J)を受けさせ、その結果を都立高入学者選抜(入試)に使うというもの(イーサット・ジェイ English Speaking Achievement Test for Junior High School Students)。11月27日(予備日は12月18日。11月と同じ出題で)にスピーキングテストを行い、結果が出るのが1月中旬。その結果を入学者選抜の際の「学力検査の得点+調査書(内申)の得点=1000点」に20点満点で加算し1020点満点とすることは、昨年決定していた。今回は、インフルエンザ等の「出席停止」やESAT-J実施時点で都の公立学校に在籍していなかったために受験できなかった「不受験者」の扱いについての報告(=選抜の際の英語の得点から算出する)であった。

 スピーキングテストの結果を入学者選抜に使うことについては、採点の公正・公平性が担保できないなどのことから、「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止」を求め、電子署名9,392筆が都教委に提出されるなど、都民の反対が都教委に多く寄せられている。また、2021年度大学入学共通テストにおいて英語民間試験の導入について、受験料負担の問題や採点の不公正・不公平性について、当事者である高校生たちからの強い抗議に、文科省が撤回に追い込まれた。しかも、高校・都教委は採点ミスなどで合否の間違えを長い間繰り返してきた。今年度の合否でも、誤って3名が「不合格」とされた。こうした現実を直視すれば、生徒8万人分の英語口述での解答(録音)を公正・公平に採点するのが不可能のは明々白々だ。それが、事務方及び各教育委員にわからないはずがない。

 事務方の報告に対し、教育委員は「グローバル人材の育成は都教委の方針。(英語スピーキングを)積極的に進めてほしい」「日本の英語教育でスピーキングがなされてこなかった。(英語スピーキングテストでは)いろいろな課題が出てくるだろうが、進めてほしい」「不受験者の扱いが明確になり、不受験者の不安が少なくなると思う」「(進めるために)教員のサポートも必要」と。英語スピーキングテスト(ESAT-J)の結果を入学者選抜に使うことを問題視する発言や、そもそも英語スピーキングテストをベネッセコーポレーションに丸投げする税金・教育予算の使い方を問題視する発言は皆無だった。反対署名を寄せた都民の声に対する発言もまったくなかった。それは意図的?と思ってしまう。寄せられた声を無視するのは、教育委員としての職務の放棄と私は思う。「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する」人物ゆえに教育委員に任命されたのだから、意見を出し合い論議し、都民に返すべきだ。

 傍聴者はいつも常連の面々なのだが、今日は30代と思しき男性3人が傍聴していた。互いにおしゃべりをしていたので、知り合いであることは間違いない。その3人は、この議題が終わると退席した。塾の関係者だったのか。

 5月27日発売の『週刊金曜日』が「東京都立高校入試に活用 採点まで民間に丸投げのスピーキングテストに疑問が続々噴出」と題して記事を掲載している。

◆崚豕都オリンピック・パラリンピック教育のレガシーについて」

 現場の教員のうち、何人がこの取組を歓迎しているか。歓迎するのは、自身の出世に使おうとする教員だけではないか。ここでも都教委には、過労死ラインの時間外労働を減らす姿勢が見られない。教員採用倍率がますます落ち込むのも間違いない、だろう。都教委が2016年度から年間35時間(=週1時間)を各学校に課したオリンピック・パラリンピック教育がやっと終了したかと思えば、今年度からは「東京2020大会の灯火を照らし続ける取組」だとして「『学校2020レガシー』を教育課程に位置付け、共生社会に向けた取組を継承・発展」させる取組を全公立学校に指示する(した)。都教委は、各学校の取り組みを「支援する」のだという。実質は「指示」であるのに。

 2月3日の定例会の議題「2022年度教育庁所管事業予算」に「オリンピック・パラリンピック教育のレガシー継承」予算がかなりの金額計上されていて、今日は、その具体的取組事例を示した。

「9割を超える校長・園長が『オリンピック・パラリンピック教育の成果あり』とアンケートに回答した」と指導部長は言ったが、校長たちが「成果なし」と回答できる余地があっただろうか。「成果なし」と回答した犯人捜しを都教委がするのではないかと、校長たちは思いはいなかったか。

「共生社会に向けた取組」に本気で取り組むならば、「障害」を理由にした分離教育や外国籍の子どもへの「日の丸・君が代」の強制をやめるなど、国際社会に通用する取組に都教委は着手すべきだ。


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