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LNJ Logo レイバーネットTV161号報告 : 次に来るのは「ゴリ押し戦争のできる国」
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●レイバーネットTV第161号(2021年7月21日放送)報告

「ゴリ押し五輪」の次に来るのは「ゴリ押し戦争のできる国」

 スタジオには、石井信久さん手作りの南西諸島に貴重な動物などをモチーフにしたフリップが並び、否が応でも政府のゴリ押し軍事化の不合理が浮き上がる。
 政府は五輪の陰で着々と進めている南西諸島の軍事化を次の票稼ぎ、政権維持の基礎にしようとしていると鋭い指摘があった。「やっぱり」と納得したのは、米朝首脳会議が微妙な時の安倍前首相の横やりがあったこと。そしてなんといっても怖いのは、米中が小競り合いでも始めたら、日本の憲法の「不戦」、「9条」はどこかに飛んで行ってしまうだろうという話。言われれば、その通りだけど、しっかり自覚していなかった。
 もっと驚いたのは、この事実に対し立憲野党は、ほぼ口を挟まないということ。沖縄近辺の海域をしっかり守ることで、本土(沖縄以外)を守ることに、暗黙の了解をしていると。このことは、言われてものすごく納得ができた。
 さあ、自民党は(と言うより、外務省はと言う方が正しいかも)オリンピックで盛り上げて(保証はないけど)、平和憲法を捨て去り、一気に敵国を作り出して軍事化を進める気だ。浮かれてはいられない。(笠原眞弓)

アーカイブ録画(94分)

進行:北健一・北穂さゆり

◆今月の1枚(レイバーネット写真部):「#東京五輪レッドカード」。連日続く五輪中止デモでのプラカードの文字が浮かぶ。レッドカードを渡す先は、無責任人選をしたオリンピック委員会ではと分析。

◆サブ企画:五輪はいらない!最新情報
 報告者:ながいき(五輪災害おことわり連絡会)

 実は本日から“復興五輪”ということで、福島あづま球場でソフトボールの競技が始まった。バッハも始球式に参加とか。そこでいわき市のグループの呼びかけで、会場前での中止デモに参加した「五輪災害おことわり連絡会」のメンバーのホヤホヤの報告。広大な敷地の外れでの行動だった。
 小池知事は「自分たちの仕事はコロナを蔓延させないこと」と言っていたが「蔓延」という失敗の中で迎えることになった。ながいきさんは、ここまで来てもオリンピックを中止できないのは、オリンピックの本質を物語っているのではという。
 安倍の「アンダーコントロール」発言から始まり「安心、安全」だというが…。しかも「復興」とは、東京を復興させるためのものだったとも判明した。そこにコロナなのだ。福島の人たちは、そのことを怒りと共に訴えた。
 最近の選手村近辺での中止運動と警備の様子が映し出され、世界中のオリパラ警備はこのようだというのにも驚く。
 利権の塊の「五輪貴族」が偉そうにしていることが、日本人にも分った。バッハのゴリ押し広島訪問など、今後もオリンピックの本質も問うていきたいといい、近日中に「オリンピックおことわりTV」放送をやっていくつもりという(「2020年オリンピックおことわり!」ページから視聴可)。

◆ほっとスポット: ジョニーHの歌と乱鬼龍の川柳

 ジョニーHさんの歌は「東京五輪うっせえわ」と高いキーから始まる。続いてシックなかりゆし姿の乱鬼龍氏の川柳コーナー。今月も五輪がらみです。「危機煽る者こそ敵と見定めよ」

◆特集:米中対立〜親米でも親中でもない第3の道を選ぼう
 沖縄を含む南西諸島の自衛隊基地化問題

コーナー司会:植松青児(司会/琉球弧自衛隊配備反対アクション)
石井信久(島じまスタンディング)
加藤直樹(ライター、著書『九月、東京の路上で』ほか)

・五輪後に来る危機、「米中対立」のシナリオ  植松青児さん

 おそらく五輪後に自民党が「中国の脅威」を煽るキャンペーンを仕掛けるだろうと植松さん。その理由を次にあげる。
「オリンピック・コロナ対策で失敗→選挙で負ける」とならないため新手を打つ。その手とは、「敵を作り、毅然とした態度を見せる→野党は軟弱だと刷り込む」というキャンペーンを張る。
 「台湾海峡情勢が悪化した場合、次は沖縄…となるので、集団的自衛権を行使できる」と7月上旬に麻生が話した。すると、右も左も直ちにそれに乗って来た。ということは「台湾で有事」イコール「日本の存続危機」ということである。それをさけるには、次の2点がある。

1、ゆがんだ眼鏡をはずす

 ゆがんだ眼鏡とは「中国が軍事緊張を仕掛け、米・日.が渋々対応している」と図式。これは真逆。米国が太平洋の西の端に大軍事力を持つのは、中国の海洋封鎖(と同時に経済封鎖)が目的で第一列島線(A2)と第二列島線(AD)(図で示す)を守ること。しかもこのアメリカの軍隊は中国が中華人民共和国になる前から配備されていた。反対に中国は、アメリカの海洋封鎖はできない。この不自然さから見えるのは、米国(+日本)が軍事緊張を作り出し、中国は対応するために軍事大国化していった。つまり、中国の軍備の巨大化は、米・日が仕向けた ものである。

2、「米中対立」は、中間地帯=帝国の辺境(台湾、琉球、香港、朝鮮半島)を苦しめるという視点を外してはいけない。

・南西諸島での戦争する場所つくりがはじまる 石井信久さん

 宮古島保良・七又集落は、半径1キロのところに358人が住んでいるようなところ。そこに共存する「保良ヒキガエル」。「島民は(石井さんが描いた)このカエルのようにゆっくりと、休まずに抵抗運動を続けると石井さん。
 2015年に戦争法が成立し、戦争ができる国になった。その前年から与那国島で自衛隊の基地建設が始まり、以来南西諸島に「戦争をするため場所つくり」が進められている。このことは、国民の間にほとんど知られていない。
 東西冷戦で朝鮮半島の分断が起き、その後、沖縄の植民地化が起きた。東西冷戦が終わっても冷戦が必要だと「中国の脅威」を手放さない中で、日本の役割も変わり、新たな日米安保体制が行われるようになる。

・軍産複合体の利益追求のための軍拡競争

 沖縄本島と宮古島を隔てる宮古海峡は、公海なので、中国封じのためのミサイル戦争態勢が必要になり、宮古海峡の通峡阻止が重視される。国は今後重装備化するのだが、その前にそれを阻止しなければならない。
 米国は、中国のA2とADの対米戦略がけしからんとして、そのラインにイニシアチブをとろうとしている筋書きが見える。
 一般に言われている台湾問題、尖閣有事、南西問題ということより、脅威をあおるのが目的である。つまり米日中の3国が、アジア全体を使って覇権争いをしているに過ぎない。全面戦争はさけつつ、軍産複合体の利益を追求していると。つまり、このA2、ADライン上の限定戦争なら、彼らの許容範囲ということだ。

・日本が主導している右傾化?アジアの平和のキーを握る日本?

 日本は、いかにも米国のいいなりになっている感じがするのだが、その実、日本が米国のこの戦略を導いているのではないか。いずれにせよ、この戦略は日本の積極的協力がないと成り立たないので、アジアの平和は今後日本の出方ひとつで決まるという。

・私たちの島をあきらめない

 今宮古島では、毎日基地化阻止の行動が毎日行われ1分1秒でも工事を遅らせ、実行使用を遅らせようとしている。現在、完成した弾薬庫2棟(予定は3棟)と射撃訓練所から250mのところに民家があり、近くには、川のない宮古島唯一の生活用水の湧水があるが、基地が稼働したら汚染が心配だ。国は、先の土地使用規制法などで島民の自由をさらに束縛している。
 彼らの言葉「私たちの島をあきらめない」を重く受け止めなければならないと石井さんは静かに語る。

・中国脅威論には確実に台湾が出てくる  加藤直樹さん

 オリンピック後に出てくる中国脅威論には、日米の「民主主義国台湾を守れ」がつきものと話しはじめる。2つのことを言いたいと。1つは、日本の立ち位置をよく見ること。もう1つは、中国という帝国と米国という帝国主義のはざまを見ろと。
 最近日本では、中国の台湾進攻は6年以内と煽っているが、煽られ続けると緊張が高まり、いいことはない。「80年代以降、台湾は開かれた社会になり、自立性が強まっているのに、中国に苦しめられていいのか?集団的自衛権の発動も仕方ない」となる。つまり、民主主義台湾を守る日米とそれを否定する中国の対決という図式になり、それが進むと、日本の集団的自衛権の発動、戦争へ進む。

・東アジアにとって日本はなんなのか

 南北朝鮮半島が和解しようとしたとき、「日本は蚊帳の外」と言われていたが、実は和解を妨害したのは日本である。結果的に別な理由で対話まで行きつなかったが、日本は蚊帳の外から揺さぶり続けていた。大統領に対し、核兵器だ、拉致事件だと次々難題を出していたのである。21世紀に入って日本は琉球弧の軍事要塞化を進めている。それを維持し、緊張を高めていくためである。

 台中日の歴史を見る必要があると加藤さんは日清戦争当時からの台湾を解説し、今台湾に住んでいる人の気持ちを慮る。その時参考になるのは呉叡人の著書「台湾、あるいは孤立無援の島の思想」と紹介する。  続いて、日本は(図を示しながら)中日米の対立について、東アジア、つまり朝鮮半島、沖縄、台湾、その先のアセアン諸国のことを視野に入れて考える必要があるという。

 米中対立抗争の中でと言うより、彼らにとって日本は何なのかから答えを出したいという。

・この琉球弧の軍事化に立憲野党の姿勢は?

[視聴者の質問]「これらについて立憲野党の姿が薄いが、彼らはどう考えているのか」に答えて、加藤さんは、2002、3年頃の論文に外務省路線としてこの日米路線はあり、安倍がやったというより自民党、民主党に関係なく進めていたと、衝撃の、なおかつ思い当たる節のある答えに暗澹とした。

 最後にオリンピックが終わったらすぐに発表されると掲げられたフリップには、「陸自14万人全員参加演習 琉球弧戦争デモンストレーションを許すな!!」と書かれていた。

*写真撮影=小林未来


Created by staff01. Last modified on 2021-07-28 12:36:23 Copyright: Default

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