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●韓国サンケン労組を支援する会・1月14日第18回木曜行動報告

「1月20日の会社廃業・解雇は、闘いの始まりだ!職場を守り抜く!」

1月14日第18回木曜行動。新座市は朝から雲一つない青空、空気は冷たい。しかし韓国の寒さは想像を絶する。馬山も零下15度を下回る厳しい寒さ、ソウルではさらに冷え込み昨夜から雪が降り積もった!会社が予告した廃業・解雇の日まで一週間。「20日は闘いの始まりの日。韓国、日本、そして全世界で巨大な闘いの火を燃え上がらせる!」―韓国サンケン労組の仲間は決意を固めている。この日も酷寒の昌原・馬山と雪の降るソウルから熱いオンライン・アピールが海峡を越えて届き、新座市内の本社前・志木駅南口・池袋東京事務所ビル前に響き渡った。三カ所の行動に駆けつけた支援の仲間は、延べ100人に上った。

韓国国内では公共放送テレビKBSだけでなくラジオでもオ・ヘジン支会長のインタビューが放送されるなど、「食い逃げ外国資本」−サンケン電気への社会的関心は高まるばかりだ。 日本でも大阪・名古屋・福岡に続いて広島で営業所への抗議申し入れ行動が取り組まれた。和田社長は今からでも遅くはない。廃業を撤回し、韓国サンケンの工場再稼働に向けて、労組との話し合いに応じるべきだ。


▲上京闘争を展開する仲間制作の雪だるま(1/14ソウル)


▲広島でも営業所への抗議申し入れ行動(1/14)


▲KBS昌原放送局で韓国サンケンの廃業問題が再度取り上げられた(1/12放映)

≪1月7日朝7時過ぎ サンケン電気本社前「全世界の支社・工場で巨大な闘いを燃え上がらせる!」≫


冒頭、郵政ユニオンの仲間が発言。「韓国ではテレビでも特集番組が放映され、サンケン電気は『食い逃げ企業』として悪名が轟いている。韓国で一番有名な日本企業ではないか」。

続いて馬山のオ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「もう数日で会社解散が断行される。しかし本社の一方的な決定を、私たちは許さない。私たちが血と汗をもって、青春をかけて守ってきた韓国サンケンの職場を守り抜く!労働者に責任を負わせるのではなく、赤字を偽装した本社と経営者が責任を負うべきです。私たちは純粋に我慢すれば工場が正常化すると考え、まじめに働いてきた。会社が3年前の約束を守ると純粋に考えていた。それが青天の霹靂、突然の会社清算の通告だった。しかしサンケン電気は知るべきだ。経営陣は20日に全て終わると考えているかも知れないが、それは誤りだ。これまでの時間はあなた方経営者の誤り、不道徳な考え方を正す期間だった。これからが私たちの闘いの始まりだ。思いを踏みにじられた労働者が、どういう闘いをするか、はっきりと見せつける!日韓で、全世界のサンケン電気の支社・工場で巨大な闘いを燃え上がらせる!」

キム・ヒョンガン事務長が続く。「馬山もマイナス15度まで下がる、そんな寒い日が続いている。しかし組合員の心の火は燃えている。路上で闘いながら、同僚と笑いながらコーヒーを飲める日常を望んでいる。しかし現実は毎朝テントに通う異様な毎日だ。そのような非日常を創り出した責任はサンケン電気本社にある。偽装赤字によって会社を廃業することで、すべての日常をぶち壊した。私は26歳で入社し、いまは43歳になった。青春の全てをこの韓国サンケンに埋めてきた。 韓国には『解雇は殺人だ』という言葉がある。家庭の大黒柱が解雇されたら、その家庭はどうなるのか。私の妻と家族は毎日不安に満ちている。『工場を正常に稼働させる。そのための投資もする』という3年前の約束はどうしたのか!和田社長は約束を守ってほしい。約束は守るためにあるのであって、約束を反故にするためにあるのではない。約束を軽く考えているあなた方は、自分の子どもに真実を語れるか?清算の予定日は一週間後に迫っている。組合員の誰もが20日前に工場に戻る、平凡な日常に戻ることを願っている。会社のために一生懸命働いてきた労働者に平凡な日常を返してほしい!20日を目前にして、自分たちの誤りに気付き、反省して欲しい。3年前の私たちの闘いを見たあなた方は理解しているでしょう。私たちは勝つまで闘いを続ける!」

韓国サンケン労組を支援する埼玉市民の会から発言。「コロナ禍の中で、韓国サンケン労組の仲間は家族の生活と命、職場を守るために頑張っている。朝鮮半島と長い交流の歴史を持つ新座市の有力企業であるサンケン電気の経営陣は、地元に誇れる企業として真摯に考えてほしい。和田社長は決断してほしい」。

雪が降り積もったソウルで上京闘争を展開中のペク・ウンジュさんが続く。「韓国サンケンに入社して労組に入り、組合活動をする中で労働者とは何であり、労働とは何かを考えてきた。単に金を稼ぐ、生活のための場ではなく青春の全てだ。1989年に労組が結成され、2009年にも整理解雇と闘ってきた。そして2016年の整理解雇にも勝利し、これまでの闘いに全て勝利してきた。みんなで闘って勝利した。闘いの先頭に犠牲をいとわないリーダーがあり、いまもまた闘っている。また今回も闘い勝利すると確信している。韓国サンケンの廃業について、韓国でも日本でも不当であると批判の声が高まり、支援の輪が広がっている。サンケン電気は韓国の中で大きな恩恵を受けてきたではないか。なぜ労働者にだけ犠牲を押しつけるのか!本社が韓国サンケンに投資しないから、私たちの生活が脅かされている。どこまで労働者を踏みにじるのか!勝利に向けて今日も歩み続ける!」

キム・ウニョンさんが続く。「韓国は非常に寒い。ソウルでは雪が降った。雪だるまも作った。サンケン電気は労働者だけでなく周辺住民のみなさんにも3年前に『2度とこのようなことは起こさない』と約束をした。サンケン電気は労組にも周辺住民にも約束を守らない、不道徳な企業だ。世界で売り上げが業界8位と言うが、順法精神が欠如した企業だ。利潤を上げるだけで、人倫にもとる、反社会的な企業だ。人類の歴史は一朝一夕に出来たものではない。檻のなかで生活する動物と違い、人間は助け合って社会を形成し、モノを作って成長する。だからこそ人間は社会的関係を大事にして、自然と調和して生き、助け合って生きて発展してきた。地球には長いこと戦争の歴史があるが、進歩的人々はそれに抗い克服してきた。弱者を守り社会を発展させてきた人間は、それに反するものに反発してきた。労働者も同じだ。労働者は美しいものを作り出し、社会の中心となり社会を発展させてきた。虐げられる存在ではなく、資本から働く者の権利を保障される存在だ。労働三権は労働者が闘いとったものだ。サンケン電気は、労働権を踏みにじる反社会的な企業だ。労組を目の敵にする反社会的な考え方は、サンケン電気の経営のみなさんをダメにする。サンケン電気は誤った経営方式を正さねばならない。グローバル企業ならば、社会的常識を守らなければならない。韓国サンケン社長のような操り人形の背後に隠れていないで、和田社長は早急に決断すべきだ!大企業としてふるまい、自らの誤りを認めるべきだ。一時凍結している賃金を支払い、韓国サンケンの工場に投資しなければならない。そうすることでサンケン電気のイメージをこれ以上貶めないで済む。私たちはそう簡単にくじける存在ではない。権利を守り、生存権を守る闘いを闘い抜き、工場に戻る。その輝かしい歩みに日本のみなさんも合流し、日韓民衆連帯を創り出そう!」

中部労働者交流会の仲間の発言後、会社に向かって全員でシュプレヒコール。本社前から志木駅に向かう。

≪1月14日9時 志木駅南口「廃業の原因は赤字ではない!労組潰しが唯一の目的だ」≫


埼玉市民の会から発言。「新座市にあるサンケン電気という地元の会社が、悪辣なことをやっている。コロナに乗じて、100%子会社の韓国サンケンを、偽装赤字をつくって解散し、労組の組合員を解雇しようとしている。このことを知ってください!抗議の声を届けてください!」

韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長からオンライン・アピール。「3年前の指名解雇は、労働委員会に不当労働行為だと認定されて、私たちは職場復帰した。ところがこの労働委員会命令に沿って工場を正常化させるのでなく、労組を潰すことを狙って準備してきた。そのために赤字も偽装した。韓国サンケンの社長は『この問題は韓国の問題であって、本社とは関係ない』と言っているが、とんでもない。サンケン電気本社は韓国サンケンの社長にも相談することなく、韓国サンケン以外の他の会社を買収して生産する計画を進めて来た。いま韓国サンケンの工場には設備が一台もない。機械のない工場で生産性を上げる、赤字を無くすことなどあり得ない。今回は、工場そのものを潰すことで労組を無くそうとしている。サンケン電気が社会的責任を果たせるよう、市民のみなさんも声をあげてください!」。

韓国サンケン労組の仲間からのアピールが続く。「赤字で韓国サンケンを廃業するというが、赤字は意図的に作られたものだ。設備もないのにどうして工場の正常化ができるのか。3年間まともな生産活動もなく半分は休業だった。その結果、赤字を積み上げ廃業を決定した。これがなぜ『工場の正常化』か?実際にやったことは新たな工場買収と韓国サンケン以外での生産だった。韓国サンケンの社長は『何も知らなかった』というが、そんなことはありえない。廃業で苦しむ韓国労働者と家族に心を寄せてください!」

ノレの会の仲間が韓国サンケン労組の闘いを励ます日韓連帯の歌『もう一度、前へ』を披露。

女性4人でソウル上京闘争を展開するペク・ウンジユさんが続く。「いまソウルに来ています。もう1月半ばになりました。闘いを始めたときは、いつまで続くのか、勝利までは長いと感じたが、いまは勝利の日が近づいたと感じる。1月12日にKBS昌原放送局テレビで私たちの問題を扱っていた。外国企業の誤った行為で問題が起きている。日本でも国際的な連帯闘争が起こっているという内容だった。廃業の原因は累積赤字だと会社は主張してきたが、この間の闘いで廃業の原因は赤字ではなく組合つぶしが唯一の目的であることが社会的にも暴露され、誰の目にも明らかになってきた。すべての仲間たちが願っている、勝利の日を。日本に行けないのに日本の仲間たちが連帯闘争を展開していることを知っている。闘いの主体は韓国人労働者であるにもかかわらず、自分の問題であるかのように闘ってくれていることに感謝している。闘いに勝利して笑顔で出会える日を願っている」。

キム・ウニョンさんが続く。「韓国サンケンは1973年に設立され、47年間営業してきた。韓国の優遇措置を受け、利益を上げて来た。 労組が民主労総に加入した途端に顔色を変えて、株主総会で相談して組合潰しを計画し始めた。労組活動家に対して組織的に弾圧してきた。会社の妨害と弾圧と闘い続けた。私たちが勝利し続けたが、それでも弾圧を止めなかった。4年前にも一生懸命会社で働いてきた労働者を街頭に放り出すことを狙い、組合員の指名解雇をしてきたが3年前にも復職した。重大な問題は労使協議するという約束も取り付けたが、相変わらず労組潰しの機会をうかがい続け、昨年7月にコロナ禍を利用して会社廃業を仕掛けてきた。30年近い労働弾圧の末が、今回の廃業だった。民主労総の組合員がいることが会社廃業の理由とされている。そんなことはあってはならない。コロナが労働者解雇の口実にされてはならない。それは反道徳的行為だ。来週は会社廃業・解雇の予定日の1月20日になる。会社が廃業になるのは韓国サンケンでも初めてだ。初めてのことは不安でもあり、震えもする。会社廃業も同じだ。私たちは最後まで闘い続けるが、最後まで何が起こるかわからない。まず組合員の家族、子どもの問題がある。闘いの中で様々なことが起きてくる。私たちは、今以上に覚悟と決意を固めている。サンケン電気は悪辣な企業だ。利潤を産み出すのはどこの企業でも目的とする。しかし利潤を上げるために不法行為をするのはサンケン電気くらいだ。サンケン電気は、不法で違法な廃業決定を展開すべきだ。サンケン電気の違法・不法な行為を批判し、労働者の生存権を守るために声をあげ、関心を寄せてください。市民のみなさんの声が決定的に重要です。私たちは勝利の日まで闘い続けます。日本のみなさんの闘いが、私たちを励まし続けています。勝利の祝杯を共にあげましょう!闘争!」

明大生協労組の仲間が発言。「来週、廃業予定の20日が来る。翌日の21日、朝から木曜行動を展開して、正午から、池袋の東京事務所ビル前で、大集会を呼びかけます!」。志木駅前から池袋に移動する。

≪池袋・東京事務所前、昼休み集会「これは日本企業による韓国人労働者への民族差別だ!」≫


昼休み集会の前に、いつものように7階の東京事務所に向かう。総務のI氏が今回も対応。韓国サンケン労組の仲間からもオンラインで「本社として労組と交渉に乗り出さないと解決しない!」と強く迫ったが、「私には何の権限もない」とのらりくらり、まったく話し合いの姿勢を見せない。「20日前に話し合いに応じないと、大変なことになる。和田社長にしっかりと伝えるように!」と申し渡す。

正午から藤久ビル前で昼休み集会。続々と人が集まる。まず埼玉市民の会が発言し、支援する会の渡辺共同代表、所沢労音、三多摩合同労組、破防法・組対法に反対する共同行動と順次リレートーク。所沢労音の仲間は、手作りの「厨子王」の人形を抱えて、韓国サンケン労組の仲間に思いを寄せる歌を披露した。

ソウルの日本大使館前で韓国サンケン労組の仲間と連帯して抗議行動を展開する市民団体「我が同胞一つになる運動本部」(キョレハナ)のチョン・ウンジュさんからアピール。「日本語を勉強しようと3年前に訪日した時も韓国サンケンの解雇問題があった。その問題は終わったと思ったら、また廃業の問題が起こり、胸が痛い。サンケン電気には『約束を守れ』『韓国の労働者を差別するな』と言いたい。キョレハナは日本大使館前で毎週木曜日に元徴用工問題や慰安婦問題、植民地支配の問題で抗議している。日本企業が態度を改めるように求めます」。

同じくキョレハナのシン・ミヒョンさんがオンライン・アピール「日本のみなさんとオンラインでお会いできて、うれしく思う。私たちは強制連行・徴用工問題や慰安婦問題など植民地支配に由来する歴史的問題に取り組んできた。韓国サンケンの問題を知り、日本の仲間が韓国人労働者の問題に関心を持ち連帯闘争を展開していることに驚き、感銘を受けている。サンケン電気はグローバル企業であるなら、韓国人労働者に対する態度を改めるべきだ。民族差別の問題であり、悪辣なやり方だ。日本の大使館は、日本の企業のイメージのみならず、日本自体のイメージを貶める問題として大使館も対応すべきだ。コロナで日本に行けない韓国サンケン労組の仲間と日本のみなさんと一緒に私たちも取り組んでいきたい」。

馬山からオ・ヘジンさんが発言。「去年一年間、コロナの下で、労働者の人権を守るための様々な闘いがあった。中でもサンケン電気は労組潰しのために様々なことを画策してきた。しかし、サンケン電気の思惑と違って、様々な形で日韓連帯の取り組みを生み出してきた。サンケン電気は1月20日で全てが終わると思っているかもしれないが、しかし20日は闘いの終わりではなく新たなスタートだ。韓国でもがんばる!」

ソウルのキム・ウニョンさんが続く。「20代で入社し、50代を過ぎて30年間働き続けてきた。私の人生と青春を過ごしてきた。25年間は、会社の組合弾圧とそれに対する闘いの歴史でもあった。民主労総の金属労組の組合員だという理由で、弾圧してきた。3年前は労働委員会で不当労働行為と認定された。今度は会社廃業だ。サンケン電気が攻撃してくるのは、闘う労働組合であるということ、労組自体を嫌悪していること、韓国人労働者だからということ。サンケン電気がこれ以上韓国で生産することが無くなったから廃業するというのか?何の説明もなく廃業に追い込むやり方は絶対に許せない!サンケン電気は約束を守らない悪い会社だ。コロナに便乗して労働者を切り捨てる悪辣で反人道的な会社だ。サンケン電気は47年間韓国で恩恵を受けながら、私たちの職場を丸ごと閉鎖しようとしている。そして自分たちの意に適う工場を別に作ることをしている、悪辣な会社だ。労組嫌悪で私たちを踏みつけにする。しかし私たちはやられてばかりいない!サンケン電気は直ちに廃業を撤回すべきだ。さもないとサンケン電気がこれまで築いてきた企業イメージを壊すことになる。韓国には『ミミズも踏みつけられたらヨロヨロと動く』という言葉がある。踏まれて黙るというのか。私たちは黙らない!私たちも人間だ。労働者だ。私たちは私たちの手で尊厳を守り抜き、工場に戻る。和田社長は聞け!あなたのことを審判する日が近づいている。企業イメージ貶めた張本人であり、責任を取らねばならない。私たちは最後まで闘う。そして日本の仲間と共に勝利を喜び合う。日韓連帯の輝かしい歴史を刻みましょう!みなさんコロナに、風邪にも気をつけてください。勝利の暁には、韓国でも日本でも勝利集会を盛大に開きましょう!」

最後に東京事務所に向かって「組合つぶしの会社解散を止めろ!」「全員解雇を許さないぞ!」「韓国サンケン労組と連帯するぞ!」「日韓連帯で勝利するぞ!」「闘争!」のシュプレヒコールを浴びせ、第18回木曜行動を締め括った。


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