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声明 新型コロナ対策に便乗したマイナンバー制度の利用に反対する 

         共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会 
       (共通番号いらないネット http://www.bango-iranai.net/)

1.政府は2020年4月7日に閣議決定した「新型コロナウイルス感染症
   緊急経済対策」 において、「マイナンバーカードの活用等、迅速な給
   付システムについて検討」「マイ ナンバーカードを通じた行政サービス
   の提供を推進する観点から、マイナンバー・マ イナンバーカードの更なる
   活用も見据えた検討も含め、行政サービスや中小企業のデ ジタル化を
   推進」する方針を決めた。
2.あたかもマイナンバー制度を使えば、給付が迅速に行えたり所得制限
   が可能で あったりするかのような意見が飛び交っている。しかしマイナン
   バー制度の利用にこ だわれば、かえって円滑な給付はできなくなる。 
   交付開始4年が経過するマイナンバーカードは、政府のなりふり構わぬ
   強引な普及 策によっても普及率は15.5%(3月1日現在)にとどまる。
   マイナンバーカードにより マイナポータルを開設してオンライン申請可能な
   人は、さらにその一部でしかない。 サイトにマイナンバーを入力して申請
   するようなやり方には「成り済まし」の危険が あるとして、マイナンバー提
   供の際は必ず本人確認措置をとることが番号法で義務づ けられている。
  預貯金口座へのマイナンバーの付番は進まず、付番しても給付金の振込
  に使えるわ けでもない。2015年の番号法改正で預貯金口座への付番を
  追加した際に、給付金の振 込などの利用は想定されていない。 マイナン
  バー制度で提供される「所得情報」は市町村が把握する地方税情報であり、
  わざわざマイナンバー制度を使うまでもない。使うのであれば法改正が必要だ。
  そも そもマイナンバー制度での所得把握には限界があることを、政府は認めて
  きた。 マイナンバー制度の情報提供ネットワークシステムでは、氏名・住所情
  報は管理し ておらず通知送付には使えない。住所情報を管理する住基ネット
  を使うのであれば、 住基法の改正が必要だ。 なによりも住民登録者を管理
  する住基ネットを基盤としたマイナンバー制度では、 住居を喪失したり住民
  登録地以外で生活したりする人を把握できず、「真に手を差し伸 べるべき者」
  である居所喪失者等が対象から漏れてしまうという致命的欠陥がある。 2015
  年10月の全世帯へのマイナンバー通知にあたっては、送付直前の1か月間、
  震災 罹災者やDV・児童虐待の加害者から避難している被害者、長期入院
  入所者等を対象 に、住民登録地以外への送付先登録の申請が行われた。 
  2020年度予算の国会審議においては、効果不明のマイナンバーカードを使った
  マイ ナポイントの導入予算等約2500億円を、新型コロナ対策費に組み換える
  野党共同提案 がされたが、政府は受け入れなかった。新型コロナ対策の遅れ
  は、マイナンバーカー ドの利用にこだわる政府の責任だ。 
3.マイナンバーカードが普及しないのは、内閣府の世論調査の回答でも明らかなよ
  うに、多くの人がマイナンバーの提供・利用やマイナンバーカードの所持に不安を
  抱 いているためだ。 マイナンバー制度について政府は、番号による名寄せで集積
  した個人情報の漏えい や特定の個人が選別差別される危険、不正利用による
  財産等の被害、国家による個人 情報の一元管理の危険などを認めつつ、個人
  情報保護措置により現実の危険ではない としてきた。しかし全国8か所で争わ
  れている憲法違反のマイナンバーの利用差止を 求める裁判では、個人情報保護
  措置が機能していないことが指摘されている。 マイナンバーをいろいろ人が知る状
態
  になるとプロファイリングの危険があるとし て事業者に厳格な安全管理措置を求め
て
  いた政府は、今、全住民にマイナンバーカー ドを所持させようと「マイナンバーを
見ら
  れても個人情報は盗まれない」など無責任 な安全キャンペーンを行っている。 この
  ようなマイナンバー制度だからこそ、不信感を生んでいることを知るべきだ。
4.新型コロナ対策として各国で感染者の監視や接触者の把握のために、携帯
  電話の 位置情報やGPSの利用などデジタル技術を使った市民の行動監視が
  広がっている。 中国ではウイグル族への弾圧に活用された監視カメラ網や位置情
  報、顔認証、キャッ シュレス決済から生まれる個人情報を使った「信用度スコア」
、
  身分登録証・身分登録 番号などを結びつけた監視システムの構築が進み、新型
  コロナ対策の市民の行動監視 に活用していることが広く知られている。 日本でも
  3月31日、内閣官房・総務省・厚生労働省・経済産業省連名でプラットフォー ム
  事業者や移動通信事業者に対し、統計データ等の提供要請がされた。要請では、
  今 後さらに追加的に個人情報の提供を要請する可能性も示唆されている。この
  要請につ いてマイナンバー制度の個人情報保護措置として設置された個人情報
  保護委員会は、 4 月2日、法令による国の機関等からの情報提供の要請や、公
  衆衛生の向上のために特に 必要があり本人の同意を得ることが困難であるときは、
  本人同意なく個人情報を目的 外利用したり第三者提供したりすることができると
  いう、個人情報の保護機関とは思 えない見解を公表している。 マイナンバー制度
  を構築するために政府がまとめた「社会保障・税番号大綱」では、 「仮に、様々な
  個人情報が、本人の意思による取捨選択と無関係に名寄せされ、結合 されると、
  本人の意図しないところで個人の全体像が勝手に形成されることになるた め、個人
  の自由な自己決定に基づいて行動することが困難となり、ひいては表現の自 由と
  いった権利の行使についても抑制的にならざるを得ず(萎縮効果)、民主主義
  の危 機をも招くおそれがあるとの意見があることも看過してはならない。」と、そ
の危
  険性 を指摘していた。 さまざまなデジタル情報と、個人の正確な追跡とデータマッ
  チングを可能とするマ イナンバー制度とが結合すると、まさに民主主義の危機が現
  実化する。私たちは、こ のような危機を招きかねない新型コロナ対策に便乗したマ
  イナンバー制度の利用やマ イナンバーカードの普及に反対する。 
    
                 2020年4月20日

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