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コロナを口実に非正規きりすて!〜メトロコマース後呂さん 静かなアピール

      松原 明

 非正規差別是正の先頭でたたかってきた東京メトロ駅売店の後呂良子(うしろりょうこ)さんが、3月末で「65歳定年雇い止め」になるという話を聞いた。事実上の首切りである。さっそく本日(3月26日)後呂さんが働くメトロ日比谷線「八丁堀」駅の売店に駆けつけた。

 メトロコマース売店で働く後呂さんの姿を見て驚いた。彼女は身体のオモテとウラに大きな手書きのプラカードをぶら下げていた。オモテには「会社はコロナで人件費削減 私は3月末で失職!」、裏には「13年間ありがとうございました 後呂良子」とあった。

 同じ65歳でも正社員と契約社員(非正規)では雲泥の差がある。正社員であれば65歳定年でも手厚い退職金があり、年金もしっかりしている。希望すれば雇用継続も可能だった。しかし契約社員はまったく違う。同じ仕事でも賃金に2倍近い格差があり、契約は一年更新で、退職金はゼロだった。だから「65歳定年制だけ一緒でクビはたまらない」と、これまで後呂さんたちは雇用継続を求めてたたかってきたのだ。

 そんななかで組合交渉の結果、契約社員でも65歳からの雇用継続を「登録社員」の形で実現してきた。今回65歳になった後呂さんは同じように「雇用継続」を要求して交渉してきたが、会社の態度は冷たかった。交渉のなかで後呂さんは「メトロコマースの内部留保は膨大だ。こんな時期こそ吐き出して労働者の生活を守るべきではないか」と主張したが、会社は「コロナ危機でこれから経営がどうなるかわからない。まず人件費を削減したい」と堂々と語ったという。コロナ危機で内部留保を吐き出すのではなく、しわ寄せをすべて弱い労働者に押しつける構図が見えてくる。

 この3月末には、後呂さんだけでなく4人の契約社員が雇い止め解雇される。うち3人は東部労組メトロコマース支部の組合員であり、これにより事実上、組合が職場になくなってしまう。また雇用継続(登録社員)を実現し5年間、短時間勤務をしてきた疋田節子さんも3月末で切られる。会社にとっては人減らしだけでなく、目の上のタンコブだったモノいう労働者を一掃する「好機」でもあったのだ。

 しかし後呂さんは元気にこう語った。「13年間働いてきた。ここまでやってこれたのはお客さんのおかげ。お客さんとのちょっとした触れあい、コミニュケーションで支えられてきた。3月30日の最後の日までこのプラカードをつけるつもりだ。それはお客さんへの感謝の気持ち、そして非正規の切り捨てられる悔しい思いを伝えたいからだ」と。後呂さんは、3月27日(金)8.30〜17.30(早番)、3月30日(月)12.40〜21.40(遅番)のあと2日間、「八丁堀」売店で最後の仕事に就く。


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