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セシウムが染みついた飯舘村で懸命に生きる〜映画『サマショール』

    堀切さとみ

動画(トークショー・20分)

 ポレポレ東中野でドキュメンタリー映画『サマショール〜遺言 第六章』(豊田直巳・野田雅也監督)を観た。年月をかけて、ひとつの村、ひとりの人を追う。飯舘村の長谷川健一さんの姿。それをみるだけでも貴重な記録だ。

 2016年に長谷川さんはチェルノブイリを訪ねた。サマショールと呼ばれる立ち入り禁止区域に住み着いた人々は、1500人いたのが126人に。そこに25年後の飯舘村が重なったと長谷川さんは言う。飯舘村は2017年3月に避難解除になり、1000人以上が村に戻った。でも、チェルノブイリのように人はどんどん減っていくだろう。見た目には昔のままでも、草木のすべてにセシウムが染みついている。田畑を耕すが自分で食べるだけ。孫には食べさせないし、売ることもできない。それでも、何百年も先のこの村に子どもたちが帰るのを願って、長谷川さん夫婦は蕎麦を植える。映画は、果てしない時間の中のほんの一コマにすぎない自分がどう生きるのか、その葛藤を描いていた。


*左から豊田直巳監督、伊藤延由さん、野田雅也監督

 映画に出てくるもう一人の主人公・伊藤延由さんは、自給自足、物々交換の飯舘村に惚れ込んで、原発事故の一年前に飯舘に移り住んだ。村全域の土壌やキノコなどを測定し、飯舘村には100ベクレル/坩焚爾里發里筍隠㏜/年以下の場所はほとんどないと言う。避難解除の前に村民を集めて、今中哲二さんと共に放射能測定の結果を伝えるシーンが印象的だった。冷静にそれを聞く村民に対して、飯舘村長は「数字が独り歩きしている」と伊藤さんたちを批判する。

 コロナウイルスの影響で映画の観客は少なかった。いつまで続くのかという焦燥感は九年前と似ているが、少なくとも私たちはコロナ騒動の収束を見届けることはできるだろう。放射能の影響はこの先もずっと続く。長いスパンで考えられないから、住民を帰還させ解決したことにする。浅はかな政治の中で懸命に生きる人々が、飯舘村にはいるのだと改めて思う。

*映画はポレポレ東中野で3/20まで公開中。映画公式サイト


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