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反オリンピック団体が主催した訪米報告会〜オリンピックによって何がもたらされるのか

 1月25日、東京・文京シビックセンターにおいて、「ⅬA報告会‐コロシアム都市1932,1984,/2028」(主催:オリンピック災害おことわり連絡会)と題された集会が開催され、約20人が参加した。
 集会では、昨年11月に米国・ロサンゼルス市を訪問した井谷聡子さん(関西大学准教授)といちむらみさこさん(反五輪の会)が、2028年のオリンピック開催準備を進めている現地の状況や過去のオリンピックによって何がもたらされたのかについて、それぞれ報告した。

 井谷聡子さんは「世界で最もオリンピック開催数が多いのが米国であり、ロサンゼルスは2028年の開催で3回目となる。一方でオリンピックを契機とした再開発によって、多くの人が居住地を失っている。ロサンゼルス地区は、貧富の格差に基づく居住地の傾向があるのだが、移民や所得の少ない人たちが住む居住地やホームレスが集中している地域に対して、再開発による居住地からの追い出しが露骨に行われている。民泊やホテルへの転換によって住めない人が多数発生し、地域のコミュニティが破壊されている。現地では地域のコミュニティを守るために、反オリンピックの活動が行われている」と報告した。

 そして「1984年のロサンゼルスの大会は、オリンピックが商業化されるきっかけの大会だった。同年のオリンピック・スタジアムで使われたロサンゼルス・メモリアル・コロシアムの地域では、今でも屋台禁止など『洗浄』エリアとなっている。この地域周辺は、ホームレスが多かったのだが、どんどんと追い出しがかかってきている」と話した。

 いちむらみさこさんは、現地の反オリンピック団体との交流を通じて「ロサンゼルス現地では、オリンピックを契機としてコミュニティが変わっていくことに強い危機感を持っていた。2028年のロサンゼルス・オリンピックに向けて、米国では大学自体も変えてしまおうと考えているようだ。実際、老朽化している大学寮がオリンピック村及び関係者のホテルとして活用するために改修されて寮費が値上がりしている。これは学生のための値上げではなく、オリンピック関係者のための値上げである」と指摘した。

 そして「これから2020年東京オリンピックに向けて、海外との連帯はもちろん東京でもオリンピックに反対するため、もっとクリアに、いろいろな団体、いろいろな立場で連帯を深めていきたい」と訴えた。

 米国ロサンゼルスでの厄災は他人事ではない。そしてオリンピックは、東京で開催される一時的な「祭典」ではなく、オリンピックが持ち込む影響は長期間続く。
 新自由主義と企業の論理を全面的に取り込んだオリンピックに、どうやって道徳性を担保するのか。オリンピックの大花火の足下で多くの矛盾、問題が見過ごされていないか。東京オリンピックまで半年を切ったが、メディアには客観的な事実報道を大前提に市民に寄り添う報道が必要だ。(金子 通)


*バンクーバーの反対運動から、各五輪開催都市へ引き継がれているオリンピック反対トーチ


Created by staff01. Last modified on 2020-01-27 19:42:27 Copyright: Default

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