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加害の歴史を直視することから〜「3.1朝鮮独立運動100周年東京集会」に280人

 2月24日、東京・文京区民センターにおいて、「3.1朝鮮独立運動100周年キャンペーン」が主催する集会が行われ、約280人が参加した。集会では、日本国内で朝鮮の歴史認識に関わる取組みに参加している有識者のほか、韓国からも代表団が参加した。

 冒頭に主催者挨拶として登壇した渡辺健樹さん(日韓民衆連帯全国ネットワーク共同代表/写真)は、以下のように述べた。

 「昨年、安倍政権が進めた『明治150年』美化キャンペーンも含めた過去の加害の歴史の隠蔽・改ざん・正当化と改憲・軍事大国化の道は、まさに表裏の関係にある。しかし、日本社会の中で歴史認識についてしっかりと捉えていなければ、容易に歴史修正主義的言説に刷り込まれてしまう危険性がある。朝鮮半島は3.1朝鮮独立運動から100年を経た今日、朝鮮半島の平和と統一に向けて歴史的な大転換期を迎えている。一方で、安倍政権はこうした朝鮮半島の平和への動きの『蚊帳の外』で妨害者として振る舞っている。『北朝鮮への制裁・圧力の維持』を繰り返し、韓国大法院の元徴用工への賠償支払い判決に対しても声高に非難を繰り返している。日本が平和国家として進むためにも、歴史を直視し『過去』の清算と植民地主義からの脱却、日朝国交正常化の実現、朝鮮半島の平和と統一に寄与する道を歩んでいこう」。

 プログラムの最初は、出来たばかりのDVD『植民地支配に抗って−3.1朝鮮独立運動』(24分)の上映だった。3.1独立運動のことがわかりやすく伝わる作品で大好評だった。

 続いて、3人が「3.1独立運動(100年)に想うこと」と題して報告があった。外村大さん(東京大教授/写真)は、「いまの日本社会では、残念ながら『3.1運動』やそれを記念する朝鮮の人々の活動を反日という奇妙な記号でのみ語るような雰囲気が一部にある。これに対して、まず私達は『3.1運動』が東アジアの平和と人権を目指した運動であることを確認し、『3.1運動』を自身や自身に連なる身近な歴史の中で捉え直し、その意義を改めて認識していくことが求められる」と述べた。

 渡辺美奈さん(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」wam館長)は「wamは、3月1日から朝鮮人『慰安婦』特別展を開催する。特別展に合わせて、公開で証言された元『慰安婦』のパネルを183枚も作った。パネル作成にあたっては、さまざまな人々、南北朝鮮政府からも協力を得た。wamでは、日本の植民地主義に関する150年の年表も作成したが、まさに無法・残虐行為が行われた歴史であった。3月2日にはオープニング・トークを予定しており、是非参加して頂ければと思う。日本の加害の歴史を学び、その上で日本政府の態度を変えさせていきたい」と述べた。

 森本孝子さん(「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会共同代表)は、全国各地の朝鮮学校無償化裁判の現状を説明した上で、「日本政府が行っている朝鮮学校無償化適用除外及び朝鮮に対する経済制裁措置はまさに在日朝鮮人に対する官製ヘイトである」と述べた。

 韓国からは、ソン・ジョンモクさん(4.27時代研究員国際文科長)、ハン・チュンモクさん(6.15共同宣言実践南側委員会常任共同代表、韓国進歩連帯共同代表)、リュ・ギョンワンさん(コリア国際平和フォーラム共同代表)、ソン・ミヒさん(コリア国際平和フォーラム共同代表、ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会共同代表)が参加した。ソン・ジョンモクさんは以下のように述べた。

 「朝鮮半島の現代史は、日本と米国という外国勢力による支配と分断の歴史だった。同時に日本の植民地支配から脱するための闘い、米国による分断と支配の歴史を終わらせるための抗争の歴史だった。民族解放と国民主権の実現のための闘いから100年目にして、朝鮮半島はついに外国勢力による支配と干渉の歴史を終わらせ、継続する戦争の危険と緊張の歴史に幕を引く新たな時代を迎えている。ハノイで開催される朝米首脳会談について、米国を含む国内外のマスコミは自らの想像力を動員し、今回の会談をスモール・ディールだのビック・ディールだのと書き立て、朝鮮半島の非核化ではなく北の非核化だとしながら、朝鮮の核施設廃棄以外にも敗戦国に適用されるようなICBMの廃棄や搬出、核の申告リストの提供や核開発の技術者名簿の提出などを、まるで米国が朝鮮に求めたかのように報道した。そして朝鮮がこれを受け入れれば、米国が相応措置として、部分的制裁緩和と終戦宣言、連絡事務所の設置などを行うという制限的で恩恵を授けてやるような報道を行っている。しかし、これはあくまで両国が関係正常化の合意を実現するための共同の必要措置だ。このような報道の仕方は、会談の性格を知らない無知で意図的な歪曲報道だ。彼らは米国優位の観点から朝鮮の一方的核廃棄が首脳会談の中心的課題であるかのように、その本質をゆがめている。日本政府はこれまで日本軍『慰安婦』問題や強制徴用問題について知らん顔をし続け、既に朝日間の合意で解決済みの問題だとして、その責任を認めていない。慰安婦問題や強制徴用問題は全て、過去清算の主要な事案だ。日本の安倍政権は3.1-100周年を迎え、朝鮮半島の植民地支配の原罪をきっぱり清算し、朝鮮半島の平和統一を積極的に支持し、東北アジアの平和体制構築に寄与すべきだ」

 集会の終わりに「日本からの応答‐3.1朝鮮独立運動100周年にあたっての民衆宣言」が読み上げられた。

 日本による朝鮮植民地支配の清算は最も重要なテーマであるにもかかわらず、日本政府・マスコミはこの問題を直視しようとせず、見て見ぬふりをしてきた。歴史認識問題は隣国との関係を作っていくにあたって、必要不可欠な問題である。3月1日には、新宿東口アルタ前でリレートークとキャンドルアクションが行われるほか、1日以降も関係するイベントが予定されている。〔金子通〕


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