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16歳でだまされ「日本軍慰安婦」に〜宋神道さんを偲ぶ写真展が開かれる

 1月14日〜19日、東京・葛飾区の堀切教会で「宋神道(ソンシンド)さんを偲ぶ」写真展が開かれた。毎日午後1 時からは映画「オレの心は負けてない」を上映し、お茶を飲みながら感想を話し合った。 地域の方や、宋さんのことを知らなかった若い方が見に来てくれたのはうれしいことだっ た。14日は川田文子さん、18日には梁澄子さんの講演があり、また写真を提供した李文子 さん、柴崎温子さんも時々会場に来て写真の背景にある宋さんの素顔を話してくれた。

 一昨年12月16日に95歳で亡くなった宋神道さんは、16歳の時にだまされて朝鮮から中国に 連れていかれ、戦地で7年にわたって日本軍に「慰安婦」を強要された。戦後軍曹に声を かけられ引揚船で博多に到着、捨てられて宮城県で暮らすことになった。1992年の「慰安 婦110番」に宋さんの情報が寄せられ、川田文子さんが会いに行った。「宋さんは自分か ら『慰安婦』だったことは言ってない。でも中国に行った兵隊たちは朝鮮の女性たちが戦 地でどうだったかを知っていた。聞くに堪えない罵声を浴びて生きてきた。宋さんは10年 間の裁判を闘う中で変わってきた。集会の最後にはいつも『戦争はやらないこと』と言っ ていた」と川田さんは話した。初日は64名もの方々が参加された。

 李文子さんは「宋さんの最初の写真と最後の写真の表情の違いを見てほしい」と話した。 「最初は人を全く信用しない寄せ付けないケダモノ顔だった。16歳から7年間の慰安所生 活で、生き残るため、殴られないための方策を身につけた」と。聞いていて背筋が震える 思いだった。

 18日は映画「ナヌムの家」上映のあと梁澄子さん(写真上)の講演があった。91年に金学順さんが名 乗り出て、その後多くの被害者が声を上げるようになった。ソウルの日本大使館前で毎週 行われている「水曜デモ」は当初、被害者たちが怒り、それまで言えずに生きてきた悔し い思いを訴える場であった。今は多くの被害者が亡くなり、中・高・大学生が中心になっ て「水曜デモ」が行われている。梁さんは「日本の大学生が『慰安婦問題って被害者がい たんですね』と言っていたのを聞いて驚いた。だからこそ『オレの心は負けてない』のよ うな映画を見てほしい。宋さんの思いを伝えていくのが私たちの役目」と話していた。

 日本政府に謝罪と賠償を求める「水曜デモ」は、1000回を超えている。1000回も要求され てまともに問題に向き合わないのは本当に失礼なことだと思う。被害者を無視したまやか しの「日韓合意」ではなく、しっかりと被害者の声を受け止めるべきだ。多くの方に宋さ んの写真、映画を見てほしい。今回の写真展主催者「かつしか人権ネット」からも、この ような写真展を各地で行ってほしいと訴えがあった。〔尾澤邦子〕


Created by staff01. Last modified on 2019-01-20 10:39:43 Copyright: Default

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