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LNJ Logo 渡部通信〜歴史的な南北首脳会談と孤立化する安倍政権
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・「都教委包囲首都圏ネットワーク」、・「新芽ML」、
 ・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」
の渡部です。
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昨日(4月27日)、
朝鮮半島を分断している軍事境界線上にある板門店で、
南北の首脳会談が開かれた。
この会談は、平昌五輪を契機に急遽持たれたものであったが、
2000年、2007年に行われた会談に較べ、
遥かに周到に準備されたものであったことがわかる。
それは、この間の一連の報道を見ればわかることだが、
それだけ南北朝鮮の本気度が伝わってくるものだった。

その象徴的なものに、植樹があった。
植えられた松は、
朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた1953年産のもので、
土は、韓国で最も高い漢拏山と北朝鮮の最高峰の白頭山のもの、
水は、ソウルを流れる漢江と平壌を流れる大同江の水だった。
そして、韓国の文在寅氏は北朝鮮の土と水をかけ、
北朝鮮の金正恩氏は韓国の土と水をかけた。
また、側に作られた石碑には
「平和と繁栄が植えられた」と言う文字と、
両首脳の名前と会談の日付が刻まれた。

夕方に出された
『朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた板門店宣言』では
次のようなことが確認された。(朝日新聞の「骨子」より)
(『宣言』全文は後ろに貼り付けておきます)
 〇完全な非核化を通じて、
  核のない朝鮮半島を実現する共同の目標を確認
 〇今年、終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、
  平和体制を構築するため、南北米の3者または
  南北米中の4者会談の開催を推進
 〇文在寅大統領が今年秋に平壌を訪問
 〇当局者が常駐する南北共同連絡事務所を開城に設置
 〇8月15日を契機に離散家族、親戚の対面を進める
 〇軍事的緊張と衝突の根源となる一切の敵対行為を全面中止

これを読む限り、
<朝鮮半島の完全な非核化>
<朝鮮戦争の終結と南北の融和と統一>
そしてそれに向けての
<南北米の3者または南北米中の4者会談の開催>
というものが進みつつあることがわかる。

今回の首脳会談と『板門店宣言』に対し国際社会は高く評価している。

国連のグレーテス事務総長は、
「真に歴史的な南北首脳会談を称賛する」と述べている。

3月末に中朝会談をした中国は、
「両国が対話を通じて信頼関係を確立することを支持する。
 中国は引き続き積極的な役割を果たしたい」と述べている。

ロシアの大統領府報道官は
「一定の展望ができた。会談とその成果を高く評価する」と述べている。

また、シンガポールで会合を開いていたASEAN(東南アジア諸国連合)
の外相らは、「前向きな進展に励まされる」という声明を発表した。

アメリカのトランプ大統領でさえ、
「朝鮮戦争は終わろうとしている。米国とその偉大な国民は
 中国は いま韓国で起きていることをとても誇りに思うべきだ」
 などと述べている。

これに対し、日本はどうか。
安倍首相は昨日、
こうした国際的な反応を念頭においてか、苦しそうに
「北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的な解決に向けた前向きな動きと歓迎する」
と述べざるを得なかった。
その上で「今回の会談を受け、米朝首脳会談を通じて
北朝鮮が具体的な行動を取ることを強く期待している。
今後の動向を注視していく」と強調した。
要するに、あくまでも北朝鮮に軍事的・経済的圧力をかけ、
核放棄をさせたいのである。自分はアメリカの核の傘の下にいながら。

また、戦前レジームへの回帰を夢見る彼にとっては、
南北朝鮮の融和は困るのである。なぜなら、
戦前の日本による「朝鮮併合」や「従軍慰安婦問題」が
改めて問われるようになるからである。

また、記者に、「日本が蚊帳の外に置かれるのではないか」
と質問され、「それは全くない」と否定し、
トランプ米大統領や文氏と「基本的な方向について一致している」
と強弁したが、
「基本的な方向について」ずれが生じてきていることは明らかである。
それは、『宣言』で「南北米の3者または南北米中の4者会談の開催を推進」
として、日本が外されていることを見ても明らかである。

「戦後レジームからの脱却」を掲げ、
「靖国参拝」や「教育勅語」などを評価・容認する安倍政権に対しては、
南・北・中・米などは批判的なのである。

今回の南北首脳会談では、
朝鮮半島に春の兆しが確実に見えるようになった反面、
南北融和を歓迎しない安倍政権が
いかに国際的に孤立化しつつあるかも明らかになった、
と言えよう。
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「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言 」

大韓民国の文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長は、
平和と繁栄、統一を念願する全ての同胞の一途な志向を込め、
朝鮮半島で歴史的な転換が起きている意味深い時期に、
2018年4月27日、板門店の平和の家で南北首脳会談を行った。

両首脳は、朝鮮半島にこれ以上の戦争が無く、
新しい平和の時代が開かれたことを8000万のわが同胞と全世界に厳粛に闡明した。

両首脳は、冷戦の産物である長い分断と対決を一日も早く終わらせ、
民族的な和解と平和繁栄の新時代を果敢に開いていき、
南北関係をより積極的に改善し発展させていかなければならないという
確固たる意志を込め、歴史の地、板門店で次のように宣言した。

1.南と北は南北関係の全面的で画期的な改善と発展を成し遂げることにより、
  途絶えた民族の血脈をつなぎ、共同繁栄と自主統一の未来を引き寄せていく。

  南北関係を改善し、発展させることは、すべての同胞の一途な願いであり、
  これ以上、先延ばしにすることができない、時代の切迫した要求だ。

 (2)南と北は、わが民族の運命は、われわれ自ら決定するという民族自主の原則を確認し、
 これまでに採択された南北宣言と、あらゆる合意を徹底的に履行することにより、
 関係改善と発展の転換的な局面を開いていくことにした。

 (2)南と北は高位級(閣僚級)会談をはじめとする、各分野の対話と協議を、
  早い日時に開催し、首脳会談で合意された問題を実践するための
  積極的な対策を立てていくことにした。

 (3)南と北は、当局間協議を緊密にし、民間交流と協力を円満に保障するために、
  双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所を開城(ケソン)地域に設置することにした。

 (4)南と北は民族的な和解と団結の雰囲気を高めていくために、
  各界各層の多方面的な協力と交流、往来と接触を活性化していくことにした。

  内には、6.15をはじめ、南と北に同じように意義がある記念日を契機に、
  当局と国会、政党、地方自治体、民間団体など、
  各界各層が参加する民族共同行事を積極的に推進し、和解と協力の雰囲気を高め、
  外には2018年アジア競技大会をはじめとする国際競技に共同で進出し、
  民族の誇りと才能、団結した姿を全世界に誇示することにした。

 (5)南と北は民族分断により発生した人道的な問題を至急に解決するために努力し、
  南北赤十字会談を開催し、離散家族・親戚再会をはじめとする諸般の問題を協議、
  解決していくことにした。

  差し当たって、来たる8月15日を契機に、離散家族・親戚再会を進めることにした。

 (6)南と北は民族経済の均衡的な発展と共同繁栄を実現するために、
  「10.4宣言」で合意した事業を積極的に推進していき、
  一次的に東海線および京義線鉄道と道路を連結し現代化させ、
  活用するために実践的な対策を行っていくことにした。

2.南と北は朝鮮半島で尖鋭な軍事的な緊張状態を緩和し、
  戦争の危険を実質的に解消するために共同で努力していく。

 (1)南と北は地上と海上、空中をはじめとするあらゆる空間で、
  軍事的な緊張と衝突の根源となる、
  相手方に対する一切の敵対行為を全面的に中止することにした。

  差し当たって、5月1日から、軍事境界線一帯で拡声器による放送と、
  ビラ散布をはじめとする、あらゆる敵対行為を中止し、その手段を撤廃し、
  今後、非武装地帯を実質的な平和地帯として作っていくことにした。

 (2)南と北は西海の北方限界線(NLL)一帯を平和水域にし、
  偶発的な軍事的衝突を防止し、安全な漁労活動を保障するため、
  実際的な対策を立てていくことにした。

 (3)南と北は相互協力と交流、往来と接触が活性化することによる、
  様々な軍事的な保障対策を立てることにした。

 南と北は双方の間に提起される軍事的な問題を遅滞なく協議解決するために、
 国防部長官会談をはじめとする軍事当局者会談を頻繁に開催し、
 5月中にまず将星級軍事会談を行うことにした。

3.南と北は朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制構築のために積極的に協力していく。

 朝鮮半島での非正常的な現在の停戦状態を終息させ、
 確固とした平和体制を樹立することは、
 これ以上、先延ばしすることができない歴史的な課題だ。

 (1)南と北はいかなる形態の武力も互いに使わないという
  不可侵合意を再確認し、これを厳格に遵守する。

 (2)南と北は軍事的な緊張が解消し、
  互いの軍事的な信頼が実質的に構築されることにより、
  段階的に軍縮を実現していくことにした。

 (3)南と北は停戦協定締結から65年になる今年に、終戦を宣言し、
  停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制の構築のための
  南北米3者、南北米中4者会談の開催を積極的に推進していくことにした。

 (4)南と北は、完全な非核化を通じ、
  核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した。

  南と北は、北側が行っている主導的な措置が朝鮮半島の
  非核化のために大きな意義を持ち、重大な措置だという認識を共にし、
  今後、各々が自己の責任と役割を果たすことにした。

  南と北は朝鮮半島の非核化のため、国際社会の支持と協力のために
  積極的に努力することにした。

  両首脳は、定期的な会談と直通電話を通じ、民族の重大事項を随時、
  真剣に議論し、信頼を強固にし、南北関係の持続的な発展と
  朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大していくため、
  共に努力していくことにした。

  差し当たって、文在寅大統領は、今年の秋に平壌を訪問することにした。

 2018年4月27日 板門店
 大韓民国 大統領文在寅
 朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会委員長 金正恩
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