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ATTAC関西グループの喜多幡です。

3月12〜15日にスリランカのシリセナ大統領が来日し、安倍首相との首脳会談で、
「自由で開かれたインド太平洋戦略」についての連携強化を確認したことが伝えられ
ています。

スリランカ政府は内戦におけるタミルの集団殺戮について国連や国際社会からの真相
究明の勧告を拒否つづけてきました。

米国のヒューマンライツ・ウォッチもスリランカ政府の対応を批判しています
(https://www.hrw.org/news/2018/03/20/sri-lanka-little-action-promised-justi
ce-reforms)

日本は観光や仏教・紅茶など、スリランカとは身近な関係であるにもかかわらず、同
国でのタミル人への迫害についてあまり知られていません。重要なレポートを翻訳し
ましたので、関心のある方はぜひお読みください。

+++

<転送歓迎>

スリランカのタミル人へのジェノサイドの真実の究明を

スリランカ内戦(1983年~2009年)では政府軍と「タミル・イーラム解放のトラ」
(LTTE)の間の抗争の中で、兵士・戦闘員だけでなく多くの民間人が犠牲になりまし
た。

日本も関わった和平プロセスが失敗した後、06年以降の政府軍の攻勢の中で、戦闘が
行われた東部と北部においてタミル人への集団殺戮が繰り返されたことが明らかに
なっています。

内戦はLTTEの壊滅によって終結しましたが、その後もタミルの民族自決権・分離独立
を求める人々は国外や国内で避難民としての生活を余儀なくされています。問題の背
景には英国によるスリランカ(セイロン)の植民地支配と独立の過程での民族対立の
利用、多数派のシンハラによる少数派のタミルへの抑圧、セイロン島の軍事的・戦略
的重要性とそれに関連する大国の思惑などの歴史的要因があり、タミルの人々の民族
的諸権利が奪われてきたという経緯があります。最近ではシンハラの一部仏教徒集団
による少数派・イスラム系住民への暴力の増加も伝えられており、ミャンマーにおけ
るロヒンギャへの抑圧と共通の問題が指摘されています。

一方、国際社会においては、スリランカ政府軍によるジェノサイドは「テロとの戦
争」の大義によって隠蔽、黙認されてきました。そこにはイスラエルによるパレスチ
ナの人々への暴力、サウジアラビアのイエメンへの軍事介入を黙認することと共通す
る二重基準が貫かれています。

私たちは2016年1月に京都でスリランカの人権活動家のジュード・ラル・フェル
ナンドさんから、南アジアから見たアジアの軍事化の新しい段階と、スリランカ、グ
アム、台湾、韓国、沖縄が直面している問題の共通性についてのお話を伺った際に、
最近におけるスリランカの軍事化に先立って、内戦の中でタミル人への集団殺戮が計
画的に行われたこと、それが国際社会には「テロとの戦争」の名目で黙認されてきた
ことに大きな衝撃を受けました。

その後、ジュードさんからの要請を受けて、2013年12月にドイツ・ブレーメン
で行われた「タミルの集団殺戮に関する民衆法廷」の記録の日本語版刊行を計画し、
このほど翻訳を完了し、暫定版を刊行することとなりました。ジュードさんからは、
内戦の最終局面の09年5月にスリランカ北東部のムリバイカル村で発生したジェノ
サイド(70000人以上が死亡したと推定されています)を記憶にとどめておくため、
この事件が発生した5月18日を「ムリバイカルの記憶の日」とする試みについても
報告されています。

内戦終結後、日本からスリランカへの観光客の数は急増し、毎年数万人、延べ100万
人以上が「東洋と西洋が交差するインド洋に浮かぶ楽園の島」(スリランカ観光情報
局)を訪れています。仏教を通じた交流も盛んです。その一方で「LTTEの拠点でも
あった北部州には地雷や武器などが残されている可能性があり、外国人が北部州のオ
マンタイ検問所より北に行く場合は、事前の許可を得る必要があります」(同)とい
う状況は続いています。

ぜひ、2013年12月7-10日に開催されたスリランカに関する民衆法廷(Peoples’
Tribunal on Sri Lanka)の記録の日本語版(暫定版)をご覧になって、この問題への
関心を広げていくためにご協力ください。


翻訳は下記の4人で分担し、喜多幡が最終的な訳語・文体の調整を行いました:

バルニエ・ポール、冨田成美、尾川寿江、喜多幡佳秀


2016年1月の京都でのジュードさんの報告会をきっかけにスタートした「グロー
バル・ジャスティス研究会」が暫定版の発行元となり、背景解説や訳文の推敲を加え
た正式版の刊行への協力を広く呼びかけます。

ダウンロード(無料)

http://attackansai.seesaa.net/article/458545145.html

原文(英語)は↓からダウンロードできます:

https://www.tamilnet.com/img/publish/2014/01/pt_bremen_2013december.pdf

☆4月21(土)に京都で、この問題についてスリランカの人権活動家のジュード・
ラル・フェルナンドさんのお話を聞く集いを計画していますので、お近くの方はぜひ
ご参加ください。詳細は↓

http://attackansai.seesaa.net/article/457954314.html


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