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恥ずべき民族侵略の歴史を見ることから〜韓国「植民地歴史博物館」を見学

 12月1・2日、韓国の「植民地歴史博物館」見学ツアーに参加した。日本が朝鮮をどのよ うにして掌握し、植民地として支配したか、同時通訳でガイドのていねいな説明があった。

 ソウル駅の近く、龍山区にある「植民地歴史博物館」は、今年8月29日に開館。日本で も「植民地歴史博物館と日本をつなぐ会」ができて、賛同・募金などの協力がされている 。すでに約4000名(内約250名が日本人)が来館しているとのこと。1階はオープンスペ ースで企画展示、インフォメーションなど、2階が常設展示館になっている。展示は4つ のゾーンになっていて、第1ゾーン「日本帝国はなぜ朝鮮を侵略したのか」、第2ゾーン 「日本帝国の侵略戦争、朝鮮人に何が起こったか」、第3ゾーン「同じ時代、違う人生― 親日と抗日」、第4ゾーン「過去を乗り越える力、いま、私たちは何をするべきか」とな っている。解説の日本語はこれから充実させていくとのことだった。じっくり見たらいく ら時間があ っても足りないくらい深く考えさせる内容だった。軍隊と警察力で抑え込み差別し、収奪 と同化を強要。かるたやすごろくなどの遊びにも同化政策があることに驚いた。徴兵のた めに神社参拝を強要したことなどもよくわかった。第4ゾーンには日本での集会のチラシ や「アベ政治を許さない!」のタグなども展示されており、日韓連帯運動を大切にしてい ることもわかった。

 私が興味を持ったのは、1919年の3.1独立運動で逮捕され尋問される体験の場だった(写真)。 警務官の前に座り、「なぜ独立運動に賛成したのか」と聞かれ、答える場。椅子に座って テーブルのボタンを押すと声が聞こえる。韓国語の音声だが、もとの資料は日本語だそう で、資料が置いてあった。パクインソクという20歳の学生は「朝鮮は日本により強制的に 併合させられた。日鮮人の待遇が相違し、又官吏の待遇も違っているのみならず、朝鮮人 は自由を束縛されている。それで、独立を希望している」と答えている。またノイェダル という19歳の女子学生は、女性でありながらなぜ参加したのかと聞かれ「男女を問わず、 独立ということは、朝鮮人として喜ぶべきことでありますから」と答えている。 博物館4階は資料室になっている。各界、各所、各人から寄贈、収集された本がぎっしり と収蔵されていた。日本からもヤスクニや天皇制に関する本などなどが寄贈されていた。

 博物館から徒歩で行ける孝昌(ヒョチャン)園(写真下)は、時代と共に変遷してきた場であると 案内していただいた。もともとは朝鮮第22代国王の息子と妻のお墓があった場所だ。植民 地期に日本軍の宿営地とされ、その後ゴルフ場の建設などがあった。聖地を土足で踏み荒 らされた朝鮮の人々はさぞかし腹を立てたことだろう。現在は、金九や尹奉吉など民族独 立運動に貢献し、亡くなった方々の遺骸が安置されている。

 胸が痛くなる思いだった。日本の恥ずべき民族侵略の歴史は、フタをして隠すのではな く、しっかり見て反省し、未来の平和を築く礎にすべきだと感じた。隠しごまかそうとし ても、侵略され被害を受けた国の人々は忘れないだろう。植民地歴史博物館のパンフレッ トには「日帝の残滓と分断体制を克服し、東アジアの平和を一日も早く実現するための活 動を積極的に推進します」と書いてある。私たち市民の積極的な交流が平和を築いていく ことになると感じた。〔尾澤邦子〕


Created by staff01. Last modified on 2018-12-06 00:33:58 Copyright: Default

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