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LNJ Logo 【総選挙・北海道9区】JR路線危機 鉄道政策持たず放置の自民、真剣に対策考える野党
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黒鉄好・北海道です。

昨年11月、JR北海道が「全路線の営業キロの半分を単独では維持困難」と発表してから約1年。地元では、JRへの不信から沿線地域との協議はほとんど進んでおらず、地元から廃線を提案した石勝線夕張支線(新夕張〜夕張間)以外、将来が決定した路線はありません。

そのような中、2015年1月の高波災害以来、鵡川〜様似間が不通のまま放置されている日高本線の地元、9区の立候補者3人に対し、地元で路線存続に向けた活動をしている市民団体「JR日高線を守る会」がアンケート調査を行いました。会関係者から転載許可を得ましたので、ここに3候補者の回答を一挙公開します。各党の鉄道政策が反映されており、他の選挙区でも投票行動の参考になると思います。ここでも自民党のひどさが浮き彫りになりました。完全に「無策」と言っていいと思います。

質問内容は、「2015年1月より災害のため運休中のJR日高本線の今後について、どのようにお考えでしょうか。ご意見をお聞かせ下さい(自由記述)」の1問だけ。きわめてシンプルなものです。回答が寄せられた順に掲載しています。

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1.日本共産党公認 松橋ちはる

 JR北海道は、日高本線など10路線13区間を「自社単独での維持が困難」と発表し、全路線の半分以上を廃止しようとしています。こうした事態を招いたJR北海道経営陣の責任も重大ですが、もともと赤字になることが分かり切っていた国鉄の「分割・民営化」を行った国にこそ、問題を解決する最大の責任があります。

 鉄道線路の廃止に歯止めをかけ、住民の足と地方再生の基盤を守るためには、自治体に「後始末」を押しつけるのではなく、国がJR北海道の路線廃止を食い止める緊急対策を行うことなど、全国の鉄道網を維持するために、国の責任を果たすことが大事だと思います。公共交通基金を創設し、全国鉄道網を維持するための安定的な財源を確保すべきです。

 道内の鉄路は枕木1人1本といわれ、人の命がかけられ敷かれています。簡単になくしてしまうべきものではありません。外国では、国などが支えています。国の責任で復旧、支援し、住民の命と暮らしを守るべきだと考えます。

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2.前衆議院議員 自民党公認 堀井学

 全面復旧とバス転換、BRT、DMV、あらゆる交通体系のあり方を比較、検証を行い、総合的に判断しなければならない。

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3.希望の党公認 山岡達丸

 JR日高線に関する見解について

 JR日高線の問題は単に日高の問題ではありません。北海道の将来に影響を及ぼす深刻な問題だととらえる必要があります。その視点から公共交通機関としての位置づけを今一度明確にした上で国や道が責任をもって経営立て直しを図る仕組みを構築することが重要だと思っています。

 この問題は2つの視点から見なければならないと思っています。1つは公共交通機関としての役割、そしてもう1つは北海道全体のまちづくりのあり方への影響です。JR日高線の問題は、JR北海道全体の経営問題です。日高だけの問題として扱うべきものではないと思っています。北海道の多くの小〜中規模都市は、中心的な駅を中心として街づくりを進めていく必要があります。また観光地においても駅に到着した外国人観光客が駅舎を含めて観光地を楽しむという考え方がこれからの北海道に必要です。そうした中で、JR北海道の経営そのものが深刻な赤字である限り、この北海道において駅舎を中心にした街づくりや観光地振興などの手段は今後もはや不可能ということになります。その上で、公共交通機関であるという視点を見たとき、やはり国あるいは道がきちんとその対応を図るべきものです。

 具体策については国土交通省がそのスキームを考えるべきことですが、一つの例として東日本大震災のあとの東京電力の賠償問題について、国では「原子力損害賠償機構」をつくり全国の電力会社が出資する中で、東京電力のための損害賠償を行う仕組みをつくりました。この例を応用すれば、全国のJRの出資の中で、赤字路線の支援を目的とした機構をつくり、JR北海道はもちろんのこと、JR四国や貨物など経営的に厳しい会社を支えることも可能だと考えます。JR北海道が400億円の赤字だとするならば、JR東海や東は4000〜5000億規模の黒字経営をしています。この数値を一つ見ても北海道や四国などで切り離され、その中で独立採算を求められる考え方は、公共交通機関という特性からはなじまないものと思っております。

 いずれにせよ、深刻な地域課題です。地域から選出される議員はこうした問題に正面から向き合い、議会においてきちんと声を上げる立場にあります。特に衆議院議員は一般に「代議士」とも呼ばれますが、代議士とは代わりに議論する人という言葉で構成されています。地域の代弁者としてきちんと国でその声を上げる、その取り組みなくしてこの問題の前進はないものと思っています。
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(文責・黒鉄好)

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