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大阪市営地下鉄民営化は必至!―再び新自由主義の台頭か

     投稿者=Takeshi(47歳) 来たる2月市議会で、大阪市営地下鉄・バスの民営化条例が可決・成立する可能性が極め て濃厚になってきました。 橋下前市長の元で二度にわたり否決されたものの、現市長の自民党市議団寄りの譲歩案提 示による事態急転が原因とのことです。 いわば容体の急変した病人が、集中治療室で生死の境をさまよっているかの如き状態。 大阪維新や自公民といった市議の大半が賛成にまわって可決・成立すれば、予定どおり平 成30年4月の実施に向けて急ピッチで民営移行作業が行われるでしょう。 当初は市が全株式を保有するとはいえ、数年後には株式売却により完全民営化と上場企業 を目指すのは規定の路線です。 ここで私をはじめ、市民や利用者が恐れ・懸念しているのは、公営(市営)だからこそ8 0年以上にわたって守られてきた輸送の安全・安心・信頼といった最も大切な財産が、関 西政財界のエサになってしまうのではということです。 これについて市長は、民営化しても安全への投資は市が責任を持っておこなうと語ってい ますが、いずれ完全民営化されて市と無縁になってしまえば、そんなことなどできなくな るのは誰の目にも明らかです。 また民営化によって税収が入る様になるため、これをさらなる市民サービスにまわすのが 可能になるとも語っています。 また月3000円の負担を強いている敬老パスも、新会社の企業努力で軽減できるとか。 鉄道事業に必要な機材等の購入にしても随意契約が可能となり、意志決定も早くなると語 っています。 さらに今後の少子高齢化による地下鉄事業収入の減少をカバーする目的から、副業への道 を開く意味でも民営化は必要だと叫んでいます。 これとは別に、新会社移行にあたり、賛成する者と反対する者を思想信条により採否を決 める差別的な選別がおこなわれ、同時に大量リストラも発生するのではないかということ が気がかりです。 とりわけベテランで年配の職員ほど集中的、かつ狙い撃ち的に排除される恐れがあります 。 たとえ運良く新会社に残れても、公と安全のために尽くす公務員から利益のためおとなし く言うことをきくイエスマンへの洗脳も心配されます。 つまり、安全第一の国鉄職員から営業利益第一のJR社員へという思想転換教育と酷似し たものがおこなわれるかもしれないのです。 その結果、駅業務や運転に関わる熟練した要員を極限まで減らされ、ただでさえ朝ラッシ ュ時間帯は危険スレスレ・キリキリ舞いの状態で運行しているのが、一気に重大事故へと つながる危険性が高まります。 何せ株式会社は合理化によって利益を追求するため、安全といった直接の利益を生まない 部分や人員への投資を極力抑制するからです。 これはJR各社や大手私鉄、とりわけJRの有様をみれば一目瞭然です。 それにもまして大阪市営地下鉄の場合、主に地上を走る鉄道とは違って保有するインフラ のほとんどが地下を通っています。 このため運行にかかる経費に加え、地下トンネルの維持管理に莫大なコストがかかり、他 社と同様に中長期的に健全経営を望めというのには無理があります。 ここで私が考えることとして、民営化したにせよ、全株式を市が永久に保有することを確 約し、安全確保のために投資と監視、補助を続けるというものです。 いわば形は民営であれ、使命は公営といった経営方式があっても良いのではないでしょう か。 国鉄改革から30年が過ぎ、規制緩和と民営化で豊かになったものより失ったものの方が 多いのは、誰もが嫌というほど知っているはずです。 格差と貧困ばかり強力に押し進めてきた新自由主義からの脱却が求められて久しいですが 、あえてこんな世界的潮流に逆行せんとする大阪維新や自公民の理論と台頭には、空しさ さえ感じられてなりません。 一刻も早く、こんな人々を不幸にするだけの時代なんか終わってほしいものです・・・。

Created by staff01. Last modified on 2017-01-13 08:15:55 Copyright: Default

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