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LNJ Logo 歴史に向き合い、和解から友好強化へ 内田雅敏講演会
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News Item uchida930
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「日中友好の展望 平和資源としての三菱マテリアル和解」

 「過ちて改めざる、是を過ちという」、三菱マテリアル社(旧三菱鉱業)が中国人強制連行事件の和解にあたって受難生存労工に述べた謝罪の言葉である。同事件の和解を経て「日中友好の展望」と題する内田雅敏弁護士(戦争をさせない1000人委員会事務局長)の講演会が、9月30日、連合会館で開かれた。

 はじめに日中労働情報フォーラム伊藤代表(写真・上)が「日本の平和運動の弱さは加害者意識が薄いことである。二度と戦争を起こさないために中国人強制連行・強制労働問題を加害者としての反省を背負いながら考えてみたい」とあいさつした。

 内田弁護士(写真・下)は、鹿島建設の花岡和解、西松建設の広島安野和解の経験を踏まえながら、今回の和解が「平和資源」と言える内容を持つものだと評価し、次のように講演した。

いままでの和解より前進した点は、〇杏鉱業だけでなく下請先を含む3765人を対象とした、会社の代表者が中国に赴き受難者に直接謝罪した、O族魘盂曚大幅に増額された、い修了氾咾睫棲里膨蠅瓩蕕譴拭裁判では、元労工の請求を棄却する決定がなされ、確定しているが、和解ができた根拠は、西松建設事件での最高裁判決の「西松建設を含む関係者(註=国を指す)において、被害者らの被害の救済に向けた努力が期待される」という「付言」である。

三菱マテリアル事件でも「当事者間の自発的解決が望まれる」という付言にもとづいて和解が実現した。和解には加害者の慎みと節度、被害者の寛容が不可欠である。三菱マテリアルは歴史に向き合う姿勢を示し、民間企業として日中友好の一端を担った。 

それに引き換え、尖閣諸島の国有化、安倍首相の靖国参拝が、日中関係を悪化させ、安倍首相は自らつくりだした「安全保障を巡る環境の変化」を理由に、安保法制を成立させた。国が、「和解」の姿勢を示さないなら、民間の友好運動をすすめるしかない。それは、死者たちとの共闘、未来との共闘、アジアの民衆との共闘である。安全保障の要諦は抑止力ではなく安心供与、すなわち信頼である。安保法制廃止、ストップザ安倍のたたかいは、共闘を支える「平和資源」である。

内田弁護士は、日米安保体制を支えてきた外交官も和解への思いを述べていることを紹介し、日中共同声明をはじめ4つの歴史文書を暗唱で紹介するなど豊富な歴史知識にもとづいて話をすすめた。1998年の「平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言」には「1995年8月15日の内閣総理大臣談話を遵守し」と書かれているので、安倍首相は村山談話を否定できなかった、など。

最後に平和フォーラムの藤本共同代表(写真・上)が「中国は日本の最大の貿易相手国。アジアとの平和友好関係を築くことが、日本の平和運動にとって重要である」と決意を述べました。 日中関係の歴史を踏まえ、「平和資源」を活用したたたかいの決意を固める講演会だった。


* 内田雅敏氏の講演レジュメ(pdf) 「日中友好の展望  平和資源としての三菱マテリアル和解― 三菱マテリアル中国人強制連行・強制労働事件の和解を経て」 * 伊藤彰信(日中労働情報フォーラム代表)のあいさつ 「加害者としての反省を背負いながら日中友好の絆を強めよう」 * 4つの歴史文書は日中労働情報フォーラムのホームページに掲載されています。

 <文・伊藤彰信 写真・高幣真公>


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