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9条めぐって活発なディスカッション〜シンポジウム「映画監督と時代」

    牧子嘉丸

 5月22日、早稲田大学大隈小講堂で、第2回「映画とシンポジウム」の集いがあった。テーマは「映画監督と時代」だった。第1部はジャン・ユンカーマン監督の『映画 日本国憲法』の上映。今から11年前の映画だが、現在のほうがむしろ緊迫をもって迫ってくる映画であった。日本国憲法とは誰のためであり、何のためのものか。戦争放棄と9条の歴史的経緯をその作成に携わった人もふくめて日本人以上に熟知した人々が語るインタビュー集である。

 2005年、まさに日本国憲法が改悪寸前、9条も風前の灯火という時期に作られたと監督のユンカーマンさん(写真下)は当時を振り返った。この危機感のなかで9条の会が全国的にひろがり、この映画もその反転攻勢の契機になったと話された。今また改憲論議が再燃しているとき、くりかえし見るべき映画であると確信した。

 第2部は映画監督が参加して、自身の映画と現状の問題をめぐるシンポジウムがなされた。パネラーの6人の映画の予告編が流されたあと、3時間近くにわたって議論が行われた。

 唯一、アマチュア作家として『原発の町を追われて』を制作した堀切さとみさん(写真下)が出席し、ドキュメント映画で社会の現実を知ったこと。例えば、小川伸介監督のドキュメントで成田空港の実態がわかったことなどを話された。一市民も発信者になれることを3分間ビデオの制作で知り、忘れ去られていく原発避難民の姿を忘れないために撮ったこと等を報告。簡潔で要領のいい発言だった。

 会場から9条についての発言もあり、2項を削除して、個別的自衛権を認め、その代わり集団的自衛権には反対を明記すべきだという意見もでた。パネリストのなかには賛成する人もいて驚いたが、小栗康平監督が「今はそのことを論議すべき時じゃない」とピシャリと反論された。まさに今そんなことを言うのは、敵に塩をおくる以上に利敵行為ではないか。苦しい時だからこそ、9条まるごと擁護すべきだと私などは一参加者として思うのである。

 同じ人の意見に右からも左からも賛成を得るために尊皇護憲主義なる考えも出されたが、これにも首をひねってしまった。憲法というものは左右の思想で決定されたり、時の権勢で決められていいのか。そんな疑問も起こった。逆境・逆流にあるときに、その人の真価が問われるときでもある。体制順応に抗して、社会の不合理と歪みをどう描くか。映画人・ジャーナリストの課題でもあり、私たち一般視聴者も一緒になって考える良い集会だった。

 主催は、「自由と生命を守る映画監督の会」と「早稲田大学ジャーナリズム研究所」で、パネラーは荒井春彦(映画監督)、小栗康平(映画監督)、ジャン・ユンカーマン(映画監督)、野中章弘(ジャーナリスト)、堀切さとみ(映像作家)、松井良彦(映画監督)の各氏。司会は小中和哉(映画監督)氏だった。ぜひこのシンポジウムを3回4回とつづけていただきたい。

*なお当日シンポジウムのユースト録画は以下でご覧いただけます。レイバーネット01


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