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パククネの悪政にめざめた若者たちが活躍〜韓国訪問レポート

   尾澤邦子

 8月14〜16日、韓国のソウルへ行ってきました。8月15日は朝鮮半島が日本の植民地支配から解放された解放記念日ですが、南北分断が始まった日として分断克服、統一実現のための取り組みが進められています。毎年大規模な大会やデモが行われ、日本にも参加が呼びかけられています。今年は、東京、大阪、京都、沖縄から、中学生も含め総勢23名が参加しました。

 14日、ソウルに到着し最初に案内されたのは、光化門広場で行われていた「南北対話追及、韓半島の平和のための全国代表1000人円卓会議」です。各政党代表、労働、宗教、農民、女性、青年、学生などや各地域からの代表者が、テーブルを囲んで提起された課題について討論し、発表するということでした。宗教団体の代表者は「今日になっても同じ民族が集うことができない。出会えば簡単なことなのに、なぜ出会えないのか。断絶は朝鮮半島に危機をもたらしている」と話していました。

 私たちは少しだけ参加し、日本大使館前で午後5時から行われていた日本軍「慰安婦」メモリアルデーの「ナビ(蝶)文化祭」に移動しました。大使館は工事中でしたが、平和の碑(少女像)を囲んで道路にぎっしりと座り込んで集会が行われていました。若い人たちが圧倒的で、活気に満ちていました。司会は日本でもおなじみの「冬ソナ」のキム次長、クォン・ヘヒョさん。俳優として活躍しながら、日本の朝鮮学校支援など積極的に活動されています。

 ステージでは在日の歌手、李政美さんがゲストとして歌っていました。日本政府が不当に「撤去せよ」と迫っている少女像を守り、泊まり込みを続けている学生・市民たち。プロジェクトピョンファナビ(平和の蝶)の代表があいさつしました。「12.28韓日合意には、これまで被害者ハルモニや私たちが叫んできた公式謝罪や法的賠償が全く入っていない。賠償金でもない10億円で財団をつくろうとするもの。12.28合意は解決ではない。ハルモニたちの痛みはお金では解決できない」と訴えていました。

 ソウル市庁舎前広場では午後7時から、サード(高高度ミサイル防衛システム)韓国配備反対国民大会が行われ、約1万人が参加していました。サードは、米国のミサイル防衛システムの核心戦力のうちのひとつで、韓国の防衛ではなく、すべて太平洋に配備された米軍基地と米国本土の防衛用のものだとのこと。サード配備が予定されている星州(ソンジュ)地域から35人がこの大会に参加して、歌でサード反対を訴えました。

 ソンジュはパク大統領の先祖代々の墓所もあり、住民の約90%が与党支持というところでしたが、「ソンジュ配備はダメ。他へ持っていけ」から、いまやサードの目的、危険性を知り、「韓半島のどこにもいらない」「地球村のどこにもいらない」という意識に変わっていったとのことです。大会では民主労総の委員長代行も発言していました。

 午後9時を過ぎ、会場はそのままで看板が変わり、「自主平和統一文化祭」(8.15前夜祭)になりました。私たち海外(日本・米国)からの訪問団も全員登壇してアピールしました。歌や踊りのあふれるパワーに圧倒されました。

 翌15日は、午前11時からソウルの大学路(テハンノ)で「光復71周年―朝鮮半島の平和と自主統一のための8.15民族大会」が行われました。同じ場所で10時からは労働者大会が行われていました。道路を封鎖して舞台を設置し、クレーンで7〜8個のスピーカーを吊り上げ、大画面を背景にして行われた大会は、迫力ある太鼓のパフォーマンスで始まりました。

 主催者を代表して、6.15共同宣言実践南側委員会のイ・チャンボク常任代表があいさつしました。「朝鮮戦争を終わらせる平和協定締結のために積極的に努力しよう」と話しました。大会では、韓国民主化運動の長老ペク・キワンさんや、日本から参加したフォーラム平和・人権・環境の藤本泰成共同代表、韓国挺身隊問題対策協議会のユン・ミヒャン常任代表らが発言しました。また、日本の合唱団とも交流のある「平和の木合唱団」が歌を披露しました。アピール文が朗読され、デモ行進に移りました。「南北対話再開!サード配置撤回!平和協定締結!韓半島の平和と統一を開いていこう」という横断幕を先頭に道路いっぱいに広がるデモで、規制はほとんどありませんでした。私たちも「コリア国際平和フォーラム参加団」という横断幕を掲げて行進しました。若い人たちの元気のいいコールと歌が印象的でした。

 午後3時から、韓国の国会議事堂があるヨイドの国会議員会館で、コリア国際平和フォーラムが行われました。「サード韓国配備と日米韓同盟の強化政策が朝鮮半島・東北アジアに及ぼす影響」と題しての討論会でした。韓国・日本・米国からの発題、現場で活動している方からの報告、沖縄の米軍基地撤退運動の現況、サード配備反対闘争の現況の報告がありました。詳しくは日韓民衆連帯全国ネットワークのブログを見ていただきたいと思います。 http://nikkan-net.cocolog-nifty.com/

 あわただしく、中身の濃い旅でした。サードについてはあまり知らなかったのですが、ソンジュの住民の闘いはすごいと思いました。若い人たちが多く、パワフルに活動していることも、うらやましく思いました。フォーラムに参加した韓国人に「どうやって若い人たちを組織しているのですか」と聞いたところ、「パク・クネ政権の悪政に覚醒し、自分たちで立ち上がって動いている」とのこと。日本の安倍政権の悪政はひどいものだと思いますが、その嘘やごまかしや暴走が、若い人たちに伝わってないのではないかと思いました。教育やメディアの問題だと思いますが、あきらめることなく、わかりやすく伝えていくことが大切だと痛感しました。


Created by staff01. Last modified on 2016-08-23 18:21:53 Copyright: Default

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