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自律した訴えに心動かされる〜映画『わたしの自由について SEALDs 2015』

     笠原眞弓

 ドキュメンタリー映画『わたしの自由について』が終わって22時20分、まだ宵の口のような渋谷の街を駅に急ぎながら、この1年を振り返っていた。暑い夏だった、6月も、7、8月も。去年の今ごろ、SEALDs(シールズ)に会いに渋谷へ来た。SASPL(サスプル)時代の映像を見て、私が拘わっている映画祭への映像の提供を頼みに行ったのだ。牛田悦正さんのラップが印象的だった。新しいものがはじまっていると感じた。

 映画は2015年5月14日から、ほとんど説明なく、どんどん進んでいく。個人的な意見交換あり、新しく参加する人たちへのスタンスの説明あり、打ち合わせの様子やプラカードの準備、スピーチの場所の設定、そして集会後の片付けの場面がある。もちろん、彼らのスピーチの全文の映像も。奥田愛基さんと牛田さんが本を挟んで話している。それは確かに学生の会話だった。先輩が後輩に教えている、そんな何気ないシーンにも、彼らの正常な思考を感じる。

 彼らのスピーチを改めて聞きながら、思わず目頭が滲んだ。言葉が力になって、私をゆすってくるからだった。いつか変わる、絶対に変わるという確信がわいてくる。スピーチでは、だれもが名前を名乗り、きっぱりと自分の考えを述べて日付を言う。それはまさしく、自分の意見を自分の責任において発表している姿だ。

 SASPLの渋谷ファイナルデモで、本間信和さんのスピーチにびっくりしたのは、「民主主義が終わったというなら、始めればいい」という言葉だったが、同様かそれ以上に自律した意見を責任もって発信している姿だった。衝撃だった。かつての学生運動には見られない光景だった。そして、それは今、現在にも続いている。

 西原孝至監督もまた、SASPL時代のデモ映像を見て感じるものがあり、撮ろうと思ったと言っている。そう、彼らは「感動」をもたらしてくれるのだ。彼らの真剣さにおいて。165分という長尺が、長いと感じなかったのは、私が彼らの場を共有していたばかりではないと思う。

*SASPL:特別秘密保護法に反対する学生有志の会 2014年12月、法施行され、解散
*SEALDs:自由と民主主義のための学生緊急行動

監督:西原孝至/ アップリンク上映中(10代割500円)他、全国展開中

HP:http://www.about-my-liberty.com/


Created by staff01. Last modified on 2016-05-17 15:06:10 Copyright: Default

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