☆いろいろと注目ニュースが多い週でございました。スノーデン以来最大のリークと
いわれるアルジャジーラが入手した世界の主要諜報機関の機密ファイル。南アフリカ
の諜報機関SSAからリークされたもので、英国のMI6、イスラエルのモサド、ロシア
のFSB、オーストラリアのASIOなどの文書が含まれているそうです。いろいろ物議を
かもしている訪米中のイスラエルのネタニヤフ首相も、イランの核開発能力をめぐっ
て自国の諜報機関の報告と異なる発言を国連で行っていたことがばれちゃいました
(24日)。一方、米国内ではシカゴに注目が集まりました。市長選挙で現職のラー
ム・エマニュエルが、対立候補の4倍の選挙資金を使い、オバマ大統領も応援にかけ
つけたというのに過半数を獲得できず、決選投票にもちこまれました。「1%の市
長」というレッテルを貼られて、よほど嫌われたようですが、米国でも地方政治から
変化が起こり始めていることがここでも示されています(23日と25日)。そのシカゴ
で、市警察がCIAのブラックサイトの国内版のような尋問施設を運営し、拷問といえ
る虐待を行っていたことがガーディアン紙によって報道されました。ここでの尋問手
法が後にグアンタナモ収容所に伝えられた可能性もあります(26日)。そして最後
に、FCC(連邦通信委員会)がインターネットは公共サービスであるとして、モバイ
ルを含むすべてのサービスに「ネットの中立性」規制を適用するという歴史的な決定
を下しました。27日のティム・ウーのインタビューをご覧ください。
新着ストリーミング ********************************************
2014/11/13 学生集団失踪事件で揺れるメキシコ 政府と犯罪組織が融合して市民を弾
圧
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学生43人の失踪事件と捜査当局の対応をめぐりメキシコ各地で抗議行動が起き、現
体制への批判が高まっています。メキシコ南部のゲレロ州で2014年9月21日夜、教員
養成学校の生徒が乗るバスがイグアラ市警察に襲撃され、6人が死亡、25人が負傷
し、43人が行方不明となりました。アヨツィナパ師範学校は貧しい農村地帯の子弟か
ら教員を育て地方の生活水準の向上を図るために設立された地方師範学校の一つです
が、こうした地方の自助努力は連邦政府によって反体制運動の温床とみなされ、しば
しば弾圧を受けてきました。この事件の捜査で70人以上が逮捕され、警察に襲撃を命
じたとされるイグアラ市長も逮捕されましたが、捜査当局の説明には矛盾が目立ちま
す。7週間以上も経つのに学生たちの行方はわからず、挙句にヘスス・ムリリョ・カ
ラム検事総長が、学生たちはコクラのごみ集積所で殺害され、死体は焼却されたとい
う、またしてもいい加減な発表をしたことが、大規模な抗議行動につながりました。
ゲレロ州では政府の建物に火がかけられ、主要道路がデモ隊により封鎖され、抗議行
動はメキシコ各地に広がっています。現地で取材している独立ジャーナリストのジョ
ン・ギブラーは、今回の学生失踪事件で露呈したのは、警察と麻薬ギャングの完全な
融合だと指摘します。(9分)
続きはこちらから→ http://democracynow.jp/video/20141113-1
*ジョン・ギブラー(John Gibler) メキシコ在住の独立ジャーナリスト。メキシコ
関係の2冊の著作がある。Mexico Unconquered: Chronicles of Power and Revolt
(『不屈のメキシコ 権力と反抗の年代記』)、 To Die in Mexico: Dispatches
from Inside the Drug War(『メキシコで死ぬこと 麻薬戦争の内幕』)
字幕翻訳:中野真紀子
新着ストリーミング ********************************************
2014/11/13 メキシコの失踪学生たちは 米国が支援する「麻薬戦争」の犠牲者?
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2012年メキシコ大統領に就任したエンリケ・ペニャニエト大統領は、ハンサムで華麗
なイメージで欧米マスコミの寵児です。「メキシコを救う」政治家としてタイム誌の
表紙を飾り、教育改革やエネルギー政策が絶賛されています。要するに新自由主義の
性格であり、オバマ大統領とがっちり組んで多国籍企業の対外投資を保護する政策を
メキシコで推進していることがマスコミ人気の秘訣のようです。しかし、ここへきて
豪邸をめぐるスキャンダルが浮上し、学生失踪事件をめうる全国的な抗議行動が吹き
荒れ、改革者のメッキも剥がれてきました。ローラ・カールセンによれば、メキシコ
社会における暴力の拡大とまん延は、ペニャニエトが推進する新自由主義政策と表裏
一体なのです。米国も「麻薬戦争」の支援を通じて、そこに直接加担しています。米
国内の麻薬を取り締まるため、米国はメキシコの麻薬密売を根絶しようと、メキシコ
の警察や軍隊を訓練するために多額の支援を与えています。こうした米国の支援がメ
キシコ国民への襲撃に使われていると指摘します。なにしろ、地方では治安当局と麻
薬犯罪組織が癒着していて区別がつかない状態です。犯罪を取り締まる側と取り締ま
られる側が融合して、矛先は一般市民に向けられるのです。(21分)
続きはこちらから→ http://democracynow.jp/video/20141113-2
*ローラ・カールセン(Laura Carlsen):メキシコ市メキシコシティに本部を置く「国
際政策センター」の「米州政策プログラム」(Americas Policy Program)理事長
字幕翻訳:川上奈緒子/校正:中野真紀子
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今週の お勧めトピックス(英語のみ)
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○シカゴ市長選は熱戦に 再選目指す「1%市長」シカゴのラーム・エマニュエルに
革新派が挑戦
http://www.democracynow.org/2015/2/23/mayor_1_rahm_emanuel_of_chicago
「1%市長」として知られる民主党のラーム・エマニュエル市長と多くの立候補者に
よる市長選挙がシカゴで最高潮に達しています。エマニュエルは、24日の投票で市長
の席を維持するのに苦心しています。反対派は、エマニュエルが市の教育の改革や銃
暴力の対策に失敗したと主張しています。再選を目指すエマニュエル陣営は、元上司
であるオバマ大統領の支持と、他の4候補が集めた選挙資金の約4倍にあたる1500万ド
ル以上の選挙資金を有しています。彼の選挙資金の大半は約100人の献金者によるも
のです。エマニュエルの対抗馬で最も有力なのは、郡政委員でシカゴ教員組合や他の
労働団体、革新団体の支持を得ているヘスス・”チューイ”・ガルシアです。本日は
シカゴを拠点としているレポーターで、The Invisible Bridge: The Fall of Nixon
and the Rise of Reagan(『見えない橋:ニクソンの凋落とレーガンの隆盛』』)や
ベストセラーのNixonland: The Rise of a President and the Fracturing of
America(『ニクソンランド:大統領の興隆とアメリカの分断』)などの数々の著書
を発表しているリック・パールスタインに話を聞きます。
○ マルコムX死去50年 遺族らが暗殺現場で追悼 革命的な人生とその遺したもの
http://www.democracynow.org/2015/2/23/50_years_later_malcolm_xs_family
20世紀の最も影響力のある政治家の1人で、マルコムXとして知られるエル=ハジ・マ
リク・エル=シャバーズの 暗殺から50年となったこの週末、全米各地で追悼が行わ
れました。ニューヨークでは遺族やかつての仲間たちが、1965年2月21日にマルコムX
が射殺されたオーデュボン・ボールルームで追悼式典を率いました。オーデュボン・
ボールルームは現在、「マルコムXとベティ・シャバズ記念教育センター」となって
います。本日は、マルコムXの娘イルヤサ・シャバーズら、式典でスピーチを行った
人たちに話を聞きます。また、デモクラシー・ナウ!が2006年に行った、公民権活動
家であり、マルコムXの暗殺を目撃し、死んでゆく彼を抱きかかえた故ユリ・コウチ
ヤマのインタビューの一部と、パシフィカ・アーカイブスが1965年に撮影した俳優で
活動家のオジー・デイヴィスによる追悼をお送りします。
○ ネタニヤフ、米国とイランの核協定の阻止を画策 一方その核発言を否定するイ
スラエル諜報機関についての情報漏えい
http://www.democracynow.org/2015/2/24/as_netanyahu_tries_to_stop_us
エドワード・スノーデン以来最大の機密情報の漏えいといわれています。アルジャ
ジーラが世界の主要諜報機関からの一連の諜報通信を公表し始めました。それら通信
のひとつでは、イスラエルの諜報機関モサドが、イランが1年以内に核爆弾を製造す
る能力があるというイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相による緊急警告と矛盾
する発言をおこなっています。モサドは、2012年10月の南アフリカの諜報機関への報
告の中で、イランは「兵器を製造するのに必要とされる作業はおこなっていない」と
結論付けました。米国とイランによる核交渉合意の進展が報じられ、それを妨害する
ためにネタニヤフが3月第1週の米国議会で演説する予定ですが、そんななかこの衝撃
的な事実が露見しました。アルジャジーラの調査部門責任者で、「ザ・スパイ・ケー
ブルズ」(The Spy Cables)という一連の記事の中で今回のイランについての件やそ
の他の情報を暴露したクレイトン・スイッシャーにドーハから話を聞きます。
○ 「リタモ」の反乱:営利目的のテキサス移民刑務所の悲惨な状況が囚人たちの蜂
起を誘発
http://www.democracynow.org/2015/2/24/revolt_at_ritmo_dire_conditions_in
テキサス州レイモンドビルで、最大2000人の移民刑務所収容者が、民間刑務所での不
十分な医療に抗議して2日間の蜂起を行いました。収容者たちは2月20日、朝食を食べ
ることを拒否した後で施設の一部を制圧、火を付けました。批評家らは同刑務所を、
「レイモンドビルのグアンタナモ収容所」を省略した「リタモ」(Ritmo)、あるい
は、ほとんどの囚人が巨大なケブラー布のテントで寝ていることから単に「テント・
シティ」と呼んでいます。アメリカ自由人権協会(ACLU)は2014年の報告で、ここで
の生活状況を「不潔で狭くて気が滅入る(だけでなく)、すし詰め状態」と表現しま
した。レイモンドビルの「ウィラシー郡矯正センター」(The Willacy County
Correctional Center)は、ユタ州を拠点とする民間企業「マネージメント・アン
ド・トレーニング・コーポレーション」(Management & Training Corporation)に
よって所有・運営されています。これは、全米に13箇所ある民間経営のいわゆる「外
国人犯罪者向け」(Criminal Alien Requirement)刑務所の1つです。最新の報告に
よると、同施設が「居住に適しない」と判定されたのを受け収容者たちは他の施設に
移送されています。ACLUの「全米刑務所対策部」(National Prison Project)の常
任弁護士であるカール・タケイから話を聞きます。彼は2014年にWarehoused and
Forgotten: Immigrants Trapped in Our Shadow Private Prison System(『倉庫に
入れられ忘れ去られた:米国の影の民間刑務所制度に閉じ込められた移民たち』)と
いう報告書を執筆しました。
○ 暗殺から50年後、娘イリアサ・シャバーズと友人A・.ピーター・ベイリーが語る
マルコムX
http://www.democracynow.org/2015/2/24/50_years_after_murder_malcolm_x
デモクラシー・ナウ!ではマルコムX暗殺50周年記念特集の続きとして、彼の娘イリ
アサ・シャバーズと友人A・ピーター・ベイリーに話を聞きます。2人はマルコムXが
射殺された1965年2月21日、オーデュボン・ボールルームの中にいました。シャバー
ズは当時わずか2歳で、ベイリーはその日にマルコムXと最後に話しをした中のひとり
です。シャバーズは現在、コミュニティ・オーガナイザー、自己啓発演説家で、若者
向けのX: A Novel(『X:ある小説』)や回顧録Growing Up X(『グローイング・
アップX』)など数冊の著者でもあります。ベイリーはジャーナリスト、著者、講演
家で、マルコムXが「アフリカ系アメリカ人統一機構」(the Organization of
Afro-American Unity)を設立するのを助け、彼の葬儀では付き添い人のひとりとし
て棺を担ぎました。ベイリーは、Witnessing Brother Malcolm X, The Master
Teacher(『同胞マルコムXについて:ザ・マスター・ティーチャー』)など数冊の著
者です。シャバーズとベイリーにマルコムXの暗殺をめぐる状況と、彼の人生と遺産
についての個人的な思いを聞きます。
○ アルジャジーラの記者ら411日間の投獄からの釈放を祝う 一方で迫る再審
http://www.democracynow.org/2015/2/17/al_jazeera_journalists_celebrate_freed
om_in
アルジャジーラの記者モハンマド・ファハミとバヘール・モハンマドが1年以上の投
獄からエジプトで保釈されました。この2人と、3人目の同僚ピーター・グレステは、
2013年のムハンマド・ムルシー大統領の追放後のアルジジャーラに対する弾圧の一環
として逮捕されました。彼らは2014年6月に7年から10年の禁錮刑を宣告されました
が、この判決は世界中で非難されました。グレステは2015年2月初めに釈放され、母
国オーストラリアに送還されました。そして2月第2週、411日間投獄されていたファ
ハミとモハンマドが保釈されました。彼らは釈放されたものの、裁判自体は棄却され
てはいません。新たな審理が2月最終週に予定されています。この事件を密着取材し
ている、デモクラシー・ナウ!の特派員シャリフ・アブドゥル・クドゥースにカイロ
から話を聞きます。
○ シカゴ市長選:「1%のための市長」エマニュエル 巨額を投じるも決選投票に追
い込まれる 対戦相手の元活動家は市長の座を奪えるか
http://www.democracynow.org/2015/2/25/could_a_former_activist_unseat_mayor
シカゴの市長選は現職のラーム・エマニュエルが過半数を獲得できず、決選投票にず
れ込むことになりました。エマニュエルはこの選挙に約1600万ドルの資金を投じまし
た。これは対立候補全員の選挙資金の4倍となる額です。2位に浮上した対戦候補ヘ
スース "チュ―イ" ガルシアは、メキシコ生まれの元移民活動家で、現在、郡政委員
を勤めています。彼は「1%のための市長」というあだ名のついた現職市長に勝つこ
とができるのでしょうか?In These Times誌の上級編集者であり、シカゴのWVON局の
『サリム・ムワッキール・ショー』のホストであるサリム・ムワキッールに話を聞き
ます。
○ オバマはキーストーンXL法案を拒否するも、環境を脅かす石油パイプラインへの
戦いは終わらず
http://www.democracynow.org/2015/2/25/obama_vetoes_keystone_xl_bill_but
オバマ大統領は、共和党が提出したタールサンド・オイルを通すキーストーンXLパイ
プラインを承認する法案に対し拒否権を行使しました。しかしホワイトハウス報道官
は、拒否したのはパイプライン自体のメリットを判断したからではなく、この計画が
米国の国益にかなうかどうかを国務省が検討するためだと述べました。キーストーン
XLパイプラインへの反対者は、このパイプラインが承認されれば、カナダでオイルサ
ンド油田の開発が進むことを警告してきました。2011年に、NASAの気象学者ジェーム
ス・ハンセンはキーストーンXLパイプラインを許可することは、地球の気候を「破壊
する」ことだと発言しました。350.orgの代表メイ・ボーブは「4年にわたる集会、デ
モ行進、座り込みと市民の不服従活動の後で、オバマ大統領がついに、この大手石油
会社へのラブレターに対し拒否権を発動し、重要な一歩を踏み出したことを嬉しく思
います。今は、オバマ大統領が気候の遺産について真剣であることを示す時です。こ
こで次のステップに踏み出し、パイプラインをきっぱり拒否するべきです」と言いま
す。本日はこのパイプラインに関連する政治活動について、環境調査センター
(Climate Investigations Center)の局長カート・ディビーズに話を聞きます。
○ 温暖化否定論者の正体: 主導的科学者は 大手石油会社、コーク兄弟、巨大石炭
会社から資金援助を受けていた
http://www.democracynow.org/2015/2/25/climate_deniers_exposed_top_scientist_
got
地球温暖化の否定論者であるトップ科学者の一人が、化石燃料会社から受け取った莫
大な資金援助を開示していなかったことが新しい調査で発覚しました。ハーバード・
スミソニアン天体物理学センターのウェイ=ホック・スーン博士は、地球温暖化を軽
視し、地球温暖化は人的活動が原因ではなく、人的な汚染による温室ガスよりも、太
陽による影響の方が大きいと証言していました。上院環境公共事業委員会委員長の共
和党議員ジェームス・インフォフを含む気候変動否定論者は、具体的な活動を拒否す
る際、スーンの見解を頻繁に引用しています。しかし、気候調査センターの調査で、
スーンは過去10年間で、化石燃料企業や保守グループから120 万ドルの資金援助を受
けていにも関わらず、科学論文でそのことを開示していなかったことが判明しまし
た。資金提供者はエクソンモービル、米国石油協会、石炭火力発電のサザンカンパ
ニーとチャールズ・G・コーク基金です。スーンは自分の学術論文や議会証言を「納
品物」と呼んでいます。 環境調査センターの局長、カート・ディビーズに話を聞き
ます。
○ 「スパイ・ケーブルズ」:グリーンピースのクミ・ナイドウ 「安全保障上の」
脅威として諜報機関のターゲットに
http://www.democracynow.org/2015/2/25/spy_cables_greenpeaces_kumi_naidoo_tar
geted
アルジャジーラは、南アフリカ共和国の諜報機関から漏洩された外交公電を入手しま
した。それらは活動家、NGO、政治家たちの、アフリカでの行動の偵察を要請する内
容でした。ある書類では韓国が、2010年ソウルで開かれたG20首脳会議開催までのグ
リーンピース・インターナショナルの代表クミ・ナイドウの「特定の安全評価」を要
請していました。これらの開示情報は南アフリカの諜報筋からアルジャジーラに対し
て漏えいされたものです。「我々は[気候変動]論争には勝利しつつありますが、それ
を押さえ込もうとする者たちは、必死になってきています」とナイドウはいいます。
○ 学生たち歴史的ストライキを開始 略奪的な学生ローンの支払いを拒否
http://www.democracynow.org/2015/2/25/students_launch_historic_debt_strike_r
efusing
学生たちは、米国の次の金融危機と言われる1兆2000億ドルを超える学生ローン負債
に対し直接行動を起こしています。大学授業料の大幅値上げで、多くの学生たちは巨
額の負債を強いられ、学校に通えなくなった者も大勢います。現在、営利企業である
コリンシアン大学システムの元生徒たち15人が、彼らの言う全国初の学生負債ストラ
イキを開始しました。学生達はコリンシアン大学に通うために彼らが借りた学生ロー
ンの返済を拒否しています。コリンシアン大学は、「略奪的」貸付を行ったとして連
邦政府から訴えられている大学です。一方、別の活動家グループは、コリンシアン大
学の系列校であるエベレスト大学の生徒の負債1300万ドルを帳消しにしたと発表しま
した。負債者ネットワークのNPO、「ローリング・ジュビリー」は、寄付された資金
を使って、ローンを割引価格で購入し、それを破棄するという活動をしています。本
日は「ローリング・ジュビリー」の発足を支援した映画制作者で活動家のローラ・ハ
ンナと、学生ローンに対するストライキを行っている「コリンシアン15」の一人、ロ
トニャ・サッグスに話を聞きます。サッグスはエベレスト大学の刑事司法学科で、2
年間プログラムを終え、6万3千ドルの負債を抱えこみました。
○ 非常勤講師ストライキの日 教授たちの貧困レベルの賃金と厳しい労働条件
http://www.democracynow.org/2015/2/25/on_national_adjunct_walkout_day_profes
sors
今日は全米非常勤講師ストライキの日です。全国の大学キャンパスでの非常勤講師た
ちは、貧困レベルの賃金で、終身在職権への道(テニュア・トラック)も開かれてい
ない、勤務の現状に注目を集めようとしています。本日、シアトル大学で他の講師や
生徒たち、そしてテニュア(終身在職権)を持つ教授たちとともにストライキに参加
する、非常勤講師ルイサ・エジェリーに話を聞きます。
○ シカゴに「ブラックサイト」? 警察、勾留と尋問用秘密施設の運営で告発され
る
http://www.democracynow.org/2015/2/26/a_black_site_in_chicago_police
ガーディアン紙の衝撃的な新記事は、シカゴ警察が勾留および尋問用秘密施設を運営
し、そこではしばしば虐待的な手法が使われていると主張しています。同紙によれ
ば、中には15歳という若さの者もいる勾留者たちは、「ホーマン広場」(Homan
Square)と呼ばれる変哲もない倉庫に連れていかれました。この施設をCIAの海外秘
密施設「ブラックサイト」(black site)の米国版と呼ぶ向きもあります。勾留者は
弁護士との接見も認められず、殴られ、正式な記録もされないままに最長24時間勾留
されました。元米司法省公民権課の高官2人が司法省の同僚に、過剰暴力行為、弁護
士依頼の権利の否定および、強制的尋問の疑いについて調査するよう呼びかけていま
す。ガーディアン紙の国家安全保障担当記者スペンサー・アッカーマンに話を聞きま
す。2012年に北大西洋条約機構(NATO)への抗議中に逮捕され、「ホーマン広場」で
勾留されたビクトリア・スーターにも話を聞きます。
○ 拷問の輸出:グアンタナモでの暴力行為の背後に 元シカゴ市警察刑事
http://www.democracynow.org/2015/2/26/exporting_torture_former_chicago_polic
e_detective
グアンタナモ基地での拷問に関わった元尋問官のひとりは、長く勤めたシカゴの警官
時代、有色人種への虐待でよく知られてもいました。ガーディアン紙によれば、リ
チャード・ズーリーは、残忍なことで有名な警官として、シカゴ市警察で30年間勤め
ました。1977年から2007年の間、ズーリーは、容疑者から自白を引き出すために拷
問、脅し、虐待を含む方法を用いましたが、その相手のほとんどは非白人種でした。
そうして引き出した自白のひとつはのちに真実ではないと判断され、罪状が無効に
なったこともあります。ズーリーの手法のなかには、容疑者を壁に取り付けらた輪に
数時間に渡り鎖でつないだり、証拠の捏造もあったといわれています。また、自白し
なければ家族が傷つけられるとか、死刑を求刑されるなどの脅しもかけていました。
ズーリーは、グアンタナモ基地でも暴力的な手法を使ったと言われており、予備役将
校の彼が尋問の責任者だった同基地の囚人のひとりは、拷問されたため嘘の自白をし
たと語っています。ガーディアン紙の記事は、悪名高いシカゴ市警察所長ジョン・
バージが、70年代と80年代のシカゴでの拘留者への拷問について、宣誓下にも関わら
ず嘘の証言をした罪で4年6か月服役し、その後収容されていた更生訓練施設を出た直
後に発表されました。ガーディアン紙の国家安全保障担当記者、スペンサー・アッ
カーマンに話を聞きます。
○ 誰が「イスラム国」に資金提供しているのか? ISISの成功の鍵といわれる湾岸
石油産出国の個人寄付者たち
http://www.democracynow.org/2015/2/26/who_is_bankrolling_the_islamic_state
「イスラム国」(Islamic State)を自称する武装集団による3日に渡る攻撃で、少な
くとも220名のアッシリア人キリスト教徒がシリア北部の村から拉致されました。一
方、数本の斬首ビデオに登場した「ジハーディ・ジョン」(Jihadi John)と呼ばれ
る、「イスラム国」の戦闘員は、クエート生まれでロンドンに住んでいたことのある
モハメド・エムワジと特定されました。他方、米国主導の連合勢力による2回の空爆
で、少なくとも市民20人を含む、40人近くがイラクで死亡したと報道されています。
さらに、2月第4週、ユネスコ(UNESCO)は、8000点以上の希少本と写本を所蔵するモ
スル公共図書館を破壊した「イスラム国」を非難。ユネスコは同事件を「人類史上、
最悪の図書館の収蔵資料破壊行為のひとつ」と表現しました。2月26日、モスル博物
館内部で「イスラム国」のメンバーが古代美術を破壊しているらしき場面が映された
動画が、ネット上にアップされました。その動画には、男たちが彫像を倒し、大型ハ
ンマーやドリルを使い美術品を破壊する様子が収められていました。ガーディアン紙
の報道によれば、破壊された作品のひとつは、紀元前9世紀まで遡る、翼をもった牛
型のアッシリア守護神像でした。イラクからの中継で、インディペンデント紙中東担
当記者パトリック・コバーンに話を聞きます。コバーンの新著はThe Rise of
Islamic State: ISIS and the New Sunni Revolution(『「イスラム国」の台頭――
ISISと新たなスンニ派革命』)です。
○ オープン・インターネット維持のFCC票決を「歴史的」と称える「ネットの中立
性」の父ティム・ウー
http://www.democracynow.org/2015/2/27/a_historic_decision_tim_wu_father
連邦通信委員会(FCC)が26日、ネットの中立性を保障する強力な規制を承認する表
決をしたことで、自由で開かれたインターネットの唱道者たちは喜びに沸き立ってい
ます。この動きは、インターネット接続業者(プロバイダー)が「有料の優先サービ
ス」を提供して、コンテンツ事業者に追加料金を課したり、合法的コンテンツをブ
ロックしたり減速したりすることを禁止します。この新規則は、携帯機器によるアク
セスにも適用されます。この票決は、市民団体による啓発運動の大きな勝利と捉えら
れています。「未来への闘い」(Fight for the Future)、「デマンド・プログレ
ス」、「フリー・プレス」、「カラー・オブ・チェンジ」、「センター・フォー・メ
ディア・ジャスティス」などの市民団体が、「開かれたインターネット」を維持する
ための運動を何年も続けてきました。オープン・インターネットの重要性を長年にわ
たり主張しているティム・ウーに話を聞きます。コロンビア大学の法学部教授で、
2002年に「ネットの中立性」という言葉を生み出した人物として知られています。
○ イスラム国による博物館&図書館の破壊は文化と民族の浄化と古美術研究家
http://www.democracynow.org/2015/2/27/antiquities_scholar_islamic_states_des
truction_of
イスラム国の戦闘員たちがイラクのモスル市のミュージアムで古代の美術品を破壊し
ているビデオが出現しました。ビデオの中で男たちは彫像をなぎ倒し、ハンマーとド
リルで古美術品を破壊しています。ガーディアン紙の報道によると、破壊された彫像
は、紀元前9世紀にさかのぼる翼をもつ牡牛像で、アッシリアの守護神です。また、
イスラム国は、8000冊の稀覯本や写本を所蔵するモスルの公立図書館も破壊したと報
じられています。国連の文化部門ユネスコは26日、イラクの文化遺産の保護に関する
緊急会合を開くよう、国連安全保障理事会に求めました。「これはイラクの数千年の
歴史への意図的な襲撃であり、暴力と憎悪を扇情的に鼓舞する行為であると非難しま
す」とユネスコ事務局長のイリナ・ボコバは述べました。コロンビア大学の近東・東
地中海美術・考古学教授のザイナブ・バフラニの話を聞きます。バフラニはこれまで
イラクでさまざまな活動を行っており、イラク文化省の上級顧問やユネスコのコンサ
ルタントを務めたこともあります。
○ ワシントン州で武器をもたないメキシコ人農業労働者の警官による射殺に激しい
抗議
http://www.democracynow.org/2015/2/27/17_shots_police_killing_of_unarmed
ワシントン州パスコ市当局は、警察が2月10日に武器をもたないメキシコ人農業労働
者のアントニオ・サンブラノ=モンテスに17発の銃撃を浴びせ、死に至らしめた事実
を公表しました。携帯電話で撮った映像には、センブラノが撃たれる前に、警官の方
を向き、両手をあげている姿が映っています。この射殺事件に対し、数週間にわたっ
て抗議行動が起きています。パスコからの生中継で、サンブラノの家族と一緒に活動
しているフェリックス・バルガスと話します。バルガスはパスコの地元実業家団体コ
ンセホ・ラティーノ(Consejo Latino)議長です。またアメリカ自由人権協会
(ACLU)のワシントン州の幹部で、シアトル市の地域警察委員会(Community Police
Commission)に籍を置くジェニファー・ショーの話も聞きます。
○ 共和党の大統領候補を狙うスコット・ウォーカー知事 ウィスコンシン州の抗議者
をISIS戦闘員と同一視
http://www.democracynow.org/2015/2/27/republican_presidential_contender_scot
t_walker_compares
ウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事は26日、同州で労働者の権利を訴える
抗議者たちをイスラム国に比較する発言でメディアをにぎわせました。共和党の大統
領候補として有力なウォーカー知事は、保守政治行動会議(CPAC) の壇上で、イスラ
ム国について質問を受けた際、「10万人の抗議者を相手に戦った私ですから、世界中
どこでも同じことがやれます」と述べました。一方、ウォーカーは労働者に課された
組合費の支払い義務を廃止する「労組にはいらない権利(anti-union
right-to-work)」法案に署名する予定だと発表しました。ウィスコンシン州上院は25
日、17対15というほぼ党勢を反映した投票結果で、この法案を可決しました。共和党
が主導権を握る州議会は来週、この法案を可決するとみられています。ウィスコンシ
ン州マジソン在住のネイション誌ジャーナリスト、ジョン・ニコルズに話を聞きま
す。ニコルズは、Uprising: How Wisconsin Renewed the Politics of Protest,
from Madison to Wall Street(『叛乱 マディソンからウォール街まで ウィスコ
ンシンは抗議の政治学をいかに書き換えたか』の著者です。
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