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7000枚のレッドカードが国会を縛り上げた〜「女の平和」ヒューマンチェーン

                         報告=笠原眞弓 (写真=西中誠一郎ほか)

1月17日、午後1時を少し過ぎていた。地下鉄の駅には、すでに赤を身につけて人々であふれている。正門前のアピールコーナーに急ぐあいだも、たくさんの知人に会う。挨拶を交わしながら、そのほとんどの人が、原発事故の後に国会周辺で知り合った人なのに、我ながら驚く。しかも、知らない方たちも、仲間の一人が、この日のために編んでくれたと赤い帽子やマフラーを身につけたり、赤いコートを羽織ったりの人たちに、互いに「あっ、その赤いいね」と旧知のように声を掛け合ってしまった。手のこんだアップリケの横断幕を持つ女性は、30年前の中曽根の時代に作ったと誇らしげだ。

●私たち色に現政権を染め上げよう

上原公子さんは、久しぶりに編み棒を取り出し、この日のためにセーターと帽子を編んだと言いながら、「安倍首相も私たちの色で染めてあげましょう」と締めくくった。

続くハイロアクションの武藤るい子さんは、福島はいまだに戦場と同じ。被災者を見れば、この国が見える。いつまでも赤く燃える炎となって、国会を取り囲みましょうと。

女たちの戦争と平和資料館の渡辺美奈さんは、性被害を受けた女性たちは、慰安婦問題をなかったことにする政府の態度に、改めて当時のことを思い出し、精神的な不安の中にいる。アジアの人々からの信頼を復活しなければならない。武力で平和は作れない、安倍に 、レッドカードを突きつけると結んだ。

●すでに国会は3重に縛らた

13:42。ここで主催者より、国会ヒューマンチェーンがつながったと発表された。

続いて沖縄では、今、この時間も女性たちが24時間の座り込みをしていると。原子力空母街、横須賀九条の会からは、高校生や若い自衛官からも、戦争のできる国に対する不安が聞かれるようになったと怒りのレッドカードが次々突きつけられた。宮子あずささんからは、女性も地位を得ようとすれば、男より男っぽくなければ評価さない。でも、向こう側に行きそうな人も、早い時期なら引き戻せると。

13:50。ここで2重に取り囲んだと報告。そしてすぐに、3重のところもあると。

続いて雨宮処凛さんも、たくさんの国と仲良くすれば、戦争はなくなる。安倍政権にレッドカードをと。兵役のある国では、それを拒否するには亡命しかない現実を話し、韓国の若い活動家を紹介した。

澤地久枝さんは、戦時の女たちの歴史を繰り返さないためにここに集まったと、議事堂に向かってアピールした。

落合恵子さんは、赤い手袋の右を落としてしまった。左だけですと、ユーモアで和ませ、安倍政権を否定しましょう。だれも犠牲にならない、だれも犠牲にしない社会をと結んだ。以前はアメリカが基地反対運動のターゲットだったが、今や日本の政府になったと話すのは沖縄からの宮城晴美さん。

神田香織さんは、福島出身の赤い講談師と自己紹介。「講釈師、見てきたような嘘をいい」と人々を幸せにする嘘は講談師の特権だったのに、安倍は不幸にする大嘘ばかりと鋭い。そして、私たちに「辛抱しても絶望せず。微力でも無力ではない。あきれ果てても諦めず」という言葉を贈ってくれた。

その後も福祉の切り捨てを指摘したシングルマザーの会や、歌人の大田美和さんの歌の披露があった。

●怒りの炎

2時を過ぎると、各人のアピールのあいだに、何回かのヒューマンチェーンのコールが永田町に響いた。それは、女性たちの怒りの炎、消すことのできない炎のようでもあった。

女たちは、集団的自衛権の行使を認めません。日米ガイドライン反対、憲法破壊絶対反対、戦争反対、改憲やめて、命を守ろう、平和が一番、女性の人権平和で実現。女たちは人を殺し会うのは嫌です。よその国の戦いには加わりません。だれ一人戦争には行かせません。安倍政権にレッドカードを突きつけましょう。

どの言葉にも、女性たちの現政権に対する怒りが込められ、また、したたかでしなやかな女性たちの願いが込められていた。

国会の周りは、3重にも女性たちのレッドカードで埋められ、時ならない華やかさに包また。最後に、主催者から「慎ましく数えて、7000人が参加した」と発表された。

終わって帰ろうとする私を呼ぶ声に振り向くと、八ヶ岳から駆けつけた友人が、その仲間たちと立っていた。再会を喜んで、お茶をしたのはもちろんのことだ。


Created by staff01. Last modified on 2015-01-18 11:15:06 Copyright: Default

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