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ガザ:空爆の死者拡大 地上戦に高まる懸念
イスラエルの不法な攻撃は病院を標的 子どもなど民間人を殺害

英語オリジナル: http://www.hrw.org/news/2014/07/22/gaza-airstrike-deaths-raise-c
oncerns-ground-offensive
日本語リリース: http://www.hrw.org/node/127540

(ガザ、2014年7月22日)イスラエル<http://hrw.pr-optout.com/Tracking.aspx?Data=HH
L%3d8%2b%3a3%3e2-%3eLCE593719%26SDG%3c90%3a.&RE=MC&RI=3771700&Preview=False&Dist
ributionActionID=60294&Action=Follow+Link>は、民間人の生命を奪い、財産を破壊
する戦時国際法違反の攻撃を停止すべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日述べ
た。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、イスラエル軍が7月17日にガザ侵攻を始める前に
行った、戦時国際法に明白に違反する8件の空爆を検証した。調査結果、ならびに民間人
に新たに多数の死者が出たとの報告は、地上戦での民間人の安全に対する懸念を高めるも
のだ。

イスラエルによる地上戦開始以降、パレスチナ側に200人以上の死者が出ている。国連人
道機関の報告によれば、7月7日の戦闘開始以降の死者は500人を超えた。大半はパレスチ
ナの民間人だ。

「イスラエルのミサイル攻撃が海岸にいた少年たちを殺害し、病院とはっきりわかる施設
を繰り返し攻撃して以来、地上戦に巻き込まれた民間人の安全への懸念は高まるばかりだ
」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチ中東・北アフリカ局長代理エリック・ゴールドスタ
イン<http://hrw.pr-optout.com/Tracking.aspx?Data=HHL%3d8%2b%3a3%3e2-%3eLCE593719
%26SDG%3c90%3a.&RE=MC&RI=3771700&Preview=False&DistributionActionID=60293&Action
=Follow+Link>は述べた。「イスラエルは不法な攻撃の言い逃れに終始するのではな
く、攻撃を停止すべきだ。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチが調査<http://hrw.pr-optout.com/Tracking.aspx?Data=H
HL%3d8%2b%3a3%3e2-%3eLCE593719%26SDG%3c90%3a.&RE=MC&RI=3771700&Preview=False&Dis
tributionActionID=60292&Action=Follow+Link>した攻撃は、男の子4人が死亡、3人
が負傷したガザ市内の桟橋へのミサイル攻撃、麻痺を抱えた高齢の患者が入院する病院に
数日にわたって繰り返し行われた攻撃、民間家屋やマスコミ関係者の車両であることがは
っきりわかるにもかかわらず行われた攻撃、その他これまでに調査報告してきた4つの攻
撃である。これらの多く(ただし全部ではない)について、ヒューマン・ライツ・ウォッ
チは軍事目標を確認できなかった。イスラエル軍が軍事目標に向けて攻撃しないことは戦
時国際法に違反する。イスラエル軍は、明らかに民間人とわかる人びと(少年など)や民
間施設(病院1件含む)などを意図的もしくは無謀に攻撃している。これらは戦争犯罪を
示唆する戦時国際法違反行為だ。

パレスチナ武装組織は、イスラエルの人口密集地域への無差別なロケット攻撃を続けてお
り、戦時国際法に違反している。7月19日、イスラエル南部の町ディモナにある「未公認
の」ベドウィン地区にロケット弾1発が落ち、ウーダ・ラフィ・アル=ワジさん(32)が死
亡。家族4人が負傷した。7月17日には、別の「未公認」の村にロケット弾1発が着弾。ベ
ドウィンの少女2人が重傷を負った。

7月16日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)職員は、無人となった学校施設にロ
ケット弾20発が置かれているのを見つけた。UNRWAはただちに砲弾を撤去し、全当事者に
通知を行い、未確認のパレスチナ武装組織によるUNRWA関連施設の軍事使用を非難<http:/
/hrw.pr-optout.com/Tracking.aspx?Data=HHL%3d8%2b%3a3%3e2-%3eLCE593719%26SDG%3c90
%3a.&RE=MC&RI=3771700&Preview=False&DistributionActionID=60291&Action=Follow+Lin
k>した。パレスチナ武装組織はイスラエルの人口密集地域への不法な攻撃を停止し、
民間人に不必要なリスクを強いる場所に部隊や弾薬を配備しないようにすべきだ。

イスラエルは7月11日から17日のうち3日間、航空機と戦車でワファ・リハビリ病院を攻撃
。患者と職員4人が負傷した。イスラエルはさまざまなかたちで事前に警告を与えたが、
慢性疾患を抱えた麻痺のある高齢患者の(自分で動ける人は1人もいなかった)迅速な移
動は不可能であり、もしそうすれば健康状態に深刻な影響が生じた。

戦時国際法は全当事者に対し、傷病者の治療を保証する義務を課している。病院は特別な
法的庇護の対象であり、敵に危害を及ぼす行為をなすために使われるときに限って攻撃す
ることが可能だ。イスラエルは、武装組織が病院から100mの地点でロケット弾を発射して
いたと主張するが、病院を繰り返し攻撃する理由としては不十分だ。警告を行ったからと
いって、合法な軍事的根拠なしに病院を繰り返し攻撃することの違法性が除去されること
はない。イスラエルは誘導ミサイルとともに、戦車砲で病院を攻撃している。これは病院
への意図的あるいは無謀な攻撃を示唆するものであり、戦争犯罪である。

7月16日、イスラエルのミサイルがガザ市の桟橋にある小屋に着弾。近くで遊んでいたバ
クルさん一家の男の子たち4人を殺害した。その直後に着弾したミサイルで、現場から逃
れようとしていた漁師1人と子ども3人が負傷した。小屋は「確認されたハマスの施設」な
ので攻撃を行ったものであり、子ども(10歳から13歳)を「逃走する兵士」と誤認して標
的にしたというのがイスラエル軍の言い分だ。イスラエル側は、この施設が合法的な軍事
目標である理由を明らかにしなかった。なお「ハマスの施設」は、軍事目的に使われてい
ない限りは軍事目標ではない。特定の軍事目標を狙わない攻撃は不法である。また攻撃側
は、攻撃を逃れる人物が戦闘員だと合法的に推定することは許されない。民間人である疑
いが残る場合には、その人物を攻撃すべきではない民間人と推定しなければならない。

現場の証拠によれば、攻撃はスパイク・ミサイルで行われた。スパイク・ミサイルには、
発射後もオペレーターが標的を確認できるセンサーがついており、標的が明らかに軍関連
ではない場合には途中で軌道修正が可能だ。

7月11日のラファでのイスラエルの空爆では、ガンナンさん一家の5人が死亡した。ヒュー
マン・ライツ・ウォッチは攻撃の3日後にこの家を訪問したが、兵士の展開や武器の貯蔵
など軍事目的に利用された痕跡は一切見つけられなかった。地元住民の話によれば、ガン
ナンさんの拡大家族にはイスラーム戦線(武装部門を持つパレスチナ人組織の一つ)にか
かわる者がいたが、この家に住む家族や今回犠牲になった人の中にメンバーはいなかった
。ヒューマン・ライツ・ウォッチが確認できる限りで、イスラエルは攻撃理由を説明して
いない。

7月9日、イスラエルによるモスク近くの繁華街への空爆で、パレスチナのニュース局メデ
ィア24の運転手ハメド・シェハブさんが死亡。20人が負傷した。シェハブさんの車には、
ボンネットに「TV」と大書してあった。攻撃を受けた時、シェハブさんは同僚のメディ
ア関係者を迎えに行くため、ガザ市南部を走行中だった。同僚の話によれば、シェハブさ
んは武装組織と無関係だった。ヒューマン・ライツ・ウォッチが確認できる限りで、イス
ラエル軍はこの攻撃の弁明を行っていない。十分な説明がない以上、攻撃は民間人への不
法な攻撃と見られる。攻撃は人の多い街区で行われており、民間人に大きな被害が出るこ
とは予想できた。

イスラエル軍はガザ侵攻の目的を、パレスチナ武装組織が使用するトンネル、ロケット弾
、空爆では破壊できない設備を破壊することだと説明している。前回の2008年12月から20
09年1月のガザ侵攻では、パレスチナ側の民間人数百人が死亡(多くは不法な空爆および
砲撃による犠牲者)し、民間施設が不法に破壊された。この戦闘に関連してイスラエルで
訴追されたのは軍人4人のみだ。最高刑はクレジットカード窃盗で7ヶ月半の刑だった。こ
のことは今回の戦闘でも不処罰が続くことを懸念させる。

これ以上の違反行為を防ぎ、責任追及をするため、パレスチナとイスラエルは国際刑事裁
判所(ICC)の裁判権を要請すべきだ。同盟国は、戦争法に違反する使用が確認されてい
るか、その十分な疑いがある物資については一切の移送を停止すべきであり、そうした物
資への資金提供や支援も停止すべきだと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。第三
に、各国は国連人権高等弁務官事務所が公平な調査を目的とする現地調査団を結成し、双
方による人権侵害行為をただちに公の場で報告し、全当事者と国連に勧告を行うことを支
援すべきだ。

「国際社会が民間人被害の防止を望むなら、ガザへの攻撃が強まる中で起きている戦争犯
罪は看過されないことを全当事者にただちに通告すべきだ」と、前出のゴールドスタイン
局長代理は述べた。「米国など各国は、パレスチナに対しICCに訴えないよう圧力をかけ
ることを止めるべきだ。これは誤った行動であるだけではない。深刻な人権侵害の事実が
多数示されている以上、法による正義の要請に敵対するものだ。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチによるイスラエル・パレスチナに関する情報の詳細はこち
ら:
http://www.hrw.org/middle-eastn-africa/israel-palestine<http://HRW.pr-optout
.com/Tracking.aspx?Data=HHL%3d8%2b%3a3%3e2-%3eLCE593719%26SDG%3c90%3a.&RE=MC&RI=
3771700&Preview=False&DistributionActionID=60290&Action=Follow+Link>

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