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険悪な関係打ち破ろう!〜「日韓つながり直しキャンペーン2015」スタート

2月16日、東京しごとセンターにおいて「日韓つながり直しキャンペーン2015スタート集会」が行われ、参加しました。雪が残る寒い日でしたが、約180名が参加していました。

このキャンペーンは日韓両国での取り組みであり、韓国からも実行委6名が参加しました。代表してあいさつしたイ・ソクテさん(写真上)は「2015年は日韓請求権協定締結から50周年となる。第2次世界大戦の終戦後、植民地支配の加害国である日本と、被害国である韓国の間で初めて結ばれた日韓請求権協定は、その締結から半世紀もの月日が経過し、様々な面から新たな検討が必要な時期になった」「韓国の憲法裁判所は2011年8月、韓国政府が日本軍「慰安婦」問題解決のための外交的な措置を履行していないことは憲法違反であるという判決を出した。また昨年5月、大法院(韓国の最高裁)は韓国人植民地被害者が日本企業を相手取った賠償請求権は消滅していないと判断した。これらのことは、より進展した日韓関係へと進むべく課題を私たちに与えている」と話しました。

基調報告は、日本側実行委の矢野秀喜さん(写真上)が行いました。日韓国交正常化49年目の現実について、「日韓間の人的交流は広がり、経済的にも相互依存関係は深まり、文化面での相互交流も拡大しているが、日韓首脳会談は2年以上途絶え、政治的には険悪な関係にある。日本の中では「反日」等の非難・反発が広がり、安倍首相は靖国神社参拝を強行し、在特会等は、ヘイトスピーチを繰り返している」と話しました。そして、「日韓のつながり直しは、権力主導では進まない。植民地支配の被害当事者が関与し、納得できるかたちでのつながり直しが今問われている」と訴えました。

「韓国大法院判決が照射した「正常化」の現在と未来」と題して韓国慶北大学教授のキム・チャンロクさんの報告がありました。「現在、韓国と日本の関係はこれ以上にない「非正常」の状態に陥っている。1965年韓日諸条約の解釈をめぐり、日本は「すべて解決済み」としているが、韓国は「日本の国家権力が関与した反人道的な不法行為と植民地支配に直結した不法行為による損害賠償請求権は解決されていない」というのが「市民の常識」であり、大法院判決だ」と話しました。そして、「植民地支配責任問題の解決をも含めた、総体的な規範構造としての「2015年体制」を築き上げるときだ」と訴えました。

立命館大学准教授の庵逧由香さん(写真上)は「日韓国交正常化50年 日本・日本人に問われていること」と題して報告しました。「日韓・日朝関係の「歴史問題」がほとんど解決を見てこなかった。これまでの50年を踏まえ、日本と日本人が「歴史問題」について何をしてきたのか、何ができなかったのかを継承する必要がある」と話しました。そして解決のために、「被害の争点を明らかにする。それ相応の責任を取らせる。可能な限りの補償。教育・記録の公共化」などをあげました。また韓国大衆文化の日本社会への浸透により、韓流2世=K-pop世代の若者たちの中に歴史問題に関心を持つ人たちが出てきていることなども話していました。

休憩をはさんで、2015年に向けての課題として、日本軍「慰安婦」、強制連行、朝鮮学校無償化排除・ヘイトスピーチ、被爆者、日韓会談文書公開、日朝国交正常化、靖国問題の各分野からの発言がありました。問題は深く、理解するにはとても時間が足りず、各分野ごとでの討論の必要を感じました。

最後にまとめと行動提起がありました。当面の企画として6月21日(土)、22日(日)に「歴史NGO大会」を東京で行うとのことです。(尾澤邦子)


Created by staff01. Last modified on 2014-02-18 11:10:09 Copyright: Default

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