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キヤノン偽装請負・雇い止め解雇争議の勝利和解にあたっての声明


 12月20日、東京都労働委員会において、キヤノン非正規労働者組合とキヤノン株式会社との間で和解が成立した。
この和解においてキヤノン非正規労働者組合、組合員5名、キヤノン株式会社は以下の内容を開示することについて合意した。
・キヤノン株式会社はキヤノンの関連会社においてキヤノン非正規労働者組合の組合員2名を正社員として雇用する。

・また、キヤノン宇都宮光学機器事業所宇都宮光機第一工場光学製造部製造第二課第2ブロック(当時)における構内請負について、平成19年9月12日付で栃木労働局長より、労働者派遣法違反が存する旨の是正指導を受けたことを真撃に受けとめ、今後は同様の指導等を受けることのないよう、再発防止に向けた不断の取組を継続する。

・本件紛争が長期化したことについて、労使双方は、遺憾の意を表する。

2000年からキヤノン宇都宮光学機器事業所で働いていた非正規労働者が、新聞報道で自らの働き方が偽装請負と知って、組合に加盟して2006年10月に栃木労働局に偽装請負を告発してから6年が経った。この間、キヤノンは、組合の告発、衆議院予算委員会での組合員によるキヤノンの偽装請負についての実態の公述をへて雇用政策を大きく転換し、派遣・請負から期間社員への切り替えを数千人規模で進め、更に期間社員から正社員を数多く登用してきた。しかしながら、組合の求めた従来の勤続を踏まえた正社員としての採用はなく、組合差別がなされるもとで、キヤノンとキヤノン非正規労働者組合の間では都労委(2008年12月22日不当労働行為救済命令申し立て)、組合員5名との間では東京地裁(2009年6月3日地位確認、損害賠償請求提訴)にて係争が続いていた。

 しかし、今回、大企業で偽装請負という形で働かされていた労働者が、請負先に責任を認めさせ2名の正社員雇用を勝ち取り、会社の意見表明を得るという内容で勝利和解したことは、違法行為を告発し闘った者が救済されるという多くの非正規争議を励ますものであり、違法な職場でも泣き寝入りせざるを得ない非正規労働者の労働者としての権利を取り戻す意義あるものである。

今回の和解により、キヤノン関連会社に雇用される2名を含め、キヤノン非正規労働者組合の組合員数名が、キヤノングループ内で勤務することになる。よって、今後も会社の組合排除・不当労働行為を許さない組合の闘いは続く。また、今後予想されるキヤノングループ内でのリストラや、すでに寄せられている社員の方々からの相談の受け皿として、キヤノン非正規労働者組合は労働者の権利を守る活動を強化していく。

 この勝利和解の要因は次の3点である。

 勝利の要因の第1は、多くの皆さんの支援、争議団・労働組合の共闘の力である。労働組合の上部団体の枠を越えて、キヤノンに対し総行動が取り組まれ、全国での抗議行動も行われた。また、韓国の非正規労働者の闘いとの国際連帯も築かれた。和解交渉の大詰めでは、1ヶ月の間に800団体の団体署名、51名の学者・法律家・文化人の共同アピールが出された。この勝利は、非正規雇用のない社会を求める多くの良心のたまものである。

 第2の要因は、裁判所や労働委員会といった法的手段の場での闘いである。東京地裁において偽装請負の栃木労働局の調査の文書提出命令を勝ち取り、都労委では審問によって不当労働行為を余すところなく立証した。地裁、労働委員会の審理の前進があったからこそ、キヤノンを和解のテーブルに着かせ、それが和解勝利に結びついた。

第3の要因は、なにより組合の団結、被解雇者5名の不屈の奮闘にある。2009年8月末の解雇以来、3年4ヶ月は解雇者5名と家族にとって筆舌に尽くしがたい苦労の連続であり、1名は重い病のため和解の場には出席することができなかった。上部団体を持たない小さな組合であっても、組合差別・不当労働行為に負けず活動し、解雇後も団結し励ましあい裁判、労働委員会、社前行動、株主総会と不屈に闘いつづけた。この組合活動があったからこそ勝利に結びついた。

 非正規労働者でも組合を作り不屈に闘えば大企業の横暴をはね返すことができる。今回の勝利解決が、多くの労働者を勇気づけ、さらに高い水準の勝利、すべての争議の勝利につながってゆくことを切に願う。

2012年12月21日
キヤノン非正規労働者組合
キヤノン偽装請負争議事件弁護団
キヤノン正社員地位確認訴訟原告団
キヤノン非正規労働者組合を支える会

Created by staff01. Last modified on 2012-12-22 11:40:47 Copyright: Default

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