報告:「ブラック企業大賞2012」授賞式 | |||||||
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記念すべき第一回「ブラック企業大賞」には、東京電力が選ばれた。最近暴露された放射線量隠しや、危険な労働の管理を下請け会社や派遣会社に託し、責任逃れをしているところなどが指摘された。東京都内で開催された「ブラック企業大賞2012」の授賞式で発表された。 「ブラック企業大賞2012」にノミネートされた企業は東電のほか9社。過労死や過労自殺を出した居酒屋チェーンのワタミや気象予報会社のウェザーニューズ、ITの富士通ソーシアルサイエンスラボラトリなどが候補にあがっていた。 ノミネート企業のリストがウェブで公開された当日は10万件を超すアクセスがあり、その後もウェブ投票とともに、いろいろな声が寄せられていた。 ウェブ投票と来場者投票で「市民賞」を受賞したのは、ワタミ。「特別賞」はウェザーニューズに授与された。「ありえないで賞」は、すき家チェーンを運営するゼンショー。「業界賞」にはシステムエンジニアの過酷な労働環境を代表して、富士通SSLとフォーカスシステムズが選ばれた。 授賞式では、過労で亡くなった労働者の遺族からのビデオメッセージや、「ブラック名言集」などの映像上映もあり、各企業のブラック度が解説された。 授賞式最後のシンポジウムでは、ブラック企業が拡大する背景として構造的な問題が指摘された。就職難であるにもかかわらず、3年以内で辞めていく労働者(大学卒業者30%以上、高卒者40%以上)が多いなど離職率が高かったり、逆に辞めたくても辞めさせてくれないといったことがブラック企業の特徴だとされた。辞めたら社会保障もないし、他に仕事がないから、辛くてもしがみついていくしかない――社会が労働者をこんな状況に追い詰めている。 就職活動をしている大学生から多くの相談を受けるNPO法人POSSEの佐藤学さんは、相談の事例を紹介。就活生やその親からは、「ブラック企業に入りたくないが、内定が決まってしまった。どうしたらいいか」といったような相談を受けるという。「ブラック企業はできれば避けたいが、就活はしなければ・・・」というスパイラルにはまり、学生は精神を病んでいく。佐藤さんによると、POSSEでは相談者の7人に1人がうつ病を発症するとみている。 「大事なことは、ブラック企業に入社したと気付いたら、『ブラック企業に入った自分が悪い』と自分を責めるのではなく、何かおかしいと思ったらまずは相談窓口につながる受話器を取って」と佐藤さんは訴えた。 ブラック企業大賞実行委員会は、規制強化や法の整備を求めていくとともに、個別具体的な企業名をあげるような企画で、市民が企業を監視していくことも必要だとしている。大賞は今後も開催される予定。(松元ちえ) Created by staff01. Last modified on 2012-07-29 08:49:38 Copyright: Default |