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LNJ Logo 7.16写真報告(Y)初めて体験した巨万の大衆行動
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News Item 0716y
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自宅の最寄り駅で電車に乗った時から、乗客の中に参加者らしき人を見つけた。 昨年9月、明治公園での集会では総武線に乗り換えてから発見したから、まず出足の 違いを実感する。 明治神宮前までの約40分間。車内でプラカードを掲げる人まで見かけた。

11時に下車すると人の流れはスムーズで、意外にもそのまま第一会場まで進めた。 敷かれた巨大なブルーシートは、前方三分の一ほどが埋まっていた。 ステージの中央に向かうように座り、昼食のおにぎりを食べる。舞台では小室等さん がリハーサルをしているが、オープニングまでは1時間もある。 暑い。自分の後方にも人が集まり始める頃、耐えきれずに第二会場へ移動した。

野外音楽堂では、スイシンジャーのパフォーマンスが始まろうとしていた。悪魔に扮 するのは脱原発派。 3色の隊員の中でも、傑作なのは「マスコミホワイト」だ。ジャーナリズムとしての 良心に揺れながらも、くだらない娯楽番組をたれ流し、スポンサーに忠誠を尽くす。 脱原発派は署名で対抗する。会場は爆笑と拍手に包まれる。

周辺には、人の波が止まらない。容赦なく照りつける強い日差し、砂ぼこりを起こす 風。ステージに向かい最前列へ進もうした野心が愚かだったことに気がつく。 日陰に座り込む人々の間を縫うように、ひっきりなしに参加者が行き来している。も はや人数を数える気すら起こらない。地上からでは、計測は不可能だ。それほどの数 なのだ。こんな集会は初めてだ。

やがて第4案内カー前に結集している仲間たちと合流し、デモの出発を待つ。だが いっこうに進まない。いったいどうしたのか。 前方に飛び出して様子を見ると、道幅いっぱいの参加者を警察が1車線に押し込めよ うとしている。その規制線の最前列では、参加者が激しく抗議をしている。

歩道橋の上では、脚立を立てて撮影していたTBSのカメラマンを、警官が執拗に排除 していた。ここから撮られた映像は、夕方のニュースで何度も使われた。 熱中症を心配する主催者サイドは、体調の変化を感じたら、無理をせずデモから離脱 するよう繰り返し警告していた。当然の配慮だ。

それでも17万人という、驚異的な人数である。私が自宅に帰り着いた午後5時の段階 でも、現地ではまだまだパレードが続いていた。 解散地点では、「しんぶん赤旗」の号外が配られていた。1面を飾った航空写真の迫 力。微笑む参加者の写真。集会がすべて終わらないうちに刷られたのだ。

私がこれまで経験したことのない、巨万の大衆の行動。「脱原発」「反原発」の運動 は、ついにここまできた。 官邸前抗議行動の盛り上がりと同様に、参加者が増えれば増えるほど、さまざまな問 題や課題も出てくるだろう。 それら一つひとつの意見を、ていねいに議論し、解決していくことが重要だと思う。 このうねりが、歴史的なできごとであることは間違いない。だからこそ、じっくりと 腰を据えた方針や展望が問われているのだと思う。(Y)


Created by staff01. Last modified on 2012-07-16 21:22:07 Copyright: Default

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