本文の先頭へ
LNJ Logo 仏性2万円ガイガーカウンター発売は誤報だったようです。
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1307251882520za...
Status: published
View


黒鉄好@福島です。

フランス製のガイガーカウンターが約200ユーロ(=2万円強)で発売されるとの情報が4月初旬に流れ、このレイバーネット上でも紹介されたところですが、誤報と判明したようです。
http://www.labornetjp.org/news/2011/1302271382613staff01

このことを私の個人ブログに書いたら、1日で200人、700ページビューものアクセスがありました。世間の関心も高いようですので、福島県内のガイガーカウンターを巡る状況と合わせてお知らせします。

------------------------------------------------------
フランス製ガイガーカウンターが2万円で発売されるとの情報については、どうやら誤報であることが確定したようです。当ブログとして、正式にこの記事を取り消すとともに、誤報を流してしまったことをお詫びいたします。

詳しくは、ナノセンス社サイト(http://nanosense.info/index.html)にてアナウンスされており、「4月11日【www.nikkei.com】にて「ナノセンス社の放射線測定機器が二万円以下で数週間以内に出荷する」との報道がありましたが現状としてそのような事はございません。ナノセンス社は、日本の現状を受けて随時増産しており、段階的に価格を下げて提供します。」との記載があります。

実は、この報道に関しては、4月下旬頃から当ブログ管理人は疑問を感じていました。というのも、

1.4月11日に記者会見を開くと発表しながら、記者会見の内容が誰からもどこからも報告されず、記者会見が本当に開催されたかどうかも疑わしいこと

2.家電量販店に問い合わせをした人がネット上にアップした情報では、どこの量販店からも「取扱い予定なし」との返答があったこと

・・・などの事実があったからです。5月に入っても発売計画どころか続報すら流れず、次第に誤報ではないかとの不信が強まっていたところでした。

結果的には、ナノセンス社を騙る偽者に1杯食わされた形になったわけですが、この報道があったおかげで、当ブログ管理人がネットに出品されている怪しい高価格の線量計に騙されずに済んだのは、不幸中の幸いでした。私の知る範囲内でも、実際にネットでお金だけ取られ、線量計が送られて来ないという詐欺にあった人がいます。多くの人たちがガイガーカウンター詐欺に遭わないよう、誰かがこの「ナノセンス社記者会見情報」を仕組んだのだとすれば、それはそれでたいしたものだと思いますが、一方でこの情報を誰が流したとしても、流した本人には全く何の利益もないわけで、誰が、何のためにこの誤報を流したのかはヤブの中です。

さて、このことをブログに書くのはやめておこうと思いましたが、ガイガーカウンターの話が出たついでなので、書いておきます。

秋葉原では、ガイガーカウンターが極端な品不足に陥っており、入荷してもすぐに東京在住者と見られる人に買い占められる状況が続いているとの情報があります。今、この状況でガイガーカウンターを最も必要としているのは福島県の人たちのはずですが、その福島の人たちにガイガーカウンターは全く渡っていません。なぜか、県外の人たちのほうがガイガーカウンターを持っており、放射線量を計測しに来た県外の人たちから自分の住む地域の高放射線量を知らされ、慌てふためくという状況が今なお続いているのです。福島では、放射線量に関するデータは行政が独占しており、福島の人たちは「行政の発表する数値を黙って信じるか、信じられずに苦悩するか」の二者択一を迫られています。

もちろん、首都圏の人たちだって、自分が住む地域の危険度を自分の手で計測して知りたいという気持ちはあって当然ですし、その気持ちはよくわかります。「政府・東電のウソを暴くためにやっている。この活動には公益性があるのだ」と反論されればその主張はよく理解できるし、「みんなのために労力を持ち出ししてまでやっているのになぜそんなことを言われなければならないのだ」と思う人がいるとしたら、当ブログ管理人はその批判を甘んじて受けます。

しかし、首都圏と福島ではそもそも汚染度が全く異なります。福島市や郡山市では、子どもの被ばく量はすでに限界を超えつつあり、未成年者はすぐに全員避難させるべきだと考えます。避難させるかどうか議論する時間すら待てないほど事態は切迫しています。福島の親たちには真実を知る権利があります。行政・東電が情報隠しとごまかしに全エネルギーを注いでいる中で、福島の親たちこそガイガーカウンターを持ち、事実を知らなければならないのです。

ですから、首都圏で放射線量を測定し、公表する活動がしたいと思って秋葉原でガイガーカウンターを待つ行列に並んでいる人がいるとしたら、そのガイガーカウンターを福島の子どもを持つ親たちに譲ってほしいと思います。

当ブログは、この事態を招いたのは政府と東電であり、政府と東電を初めとする電力資本以外に攻撃を向けるのは間違いであるとの考えから、また事を東京と福島の地域対立にしたくないとの思いから、これまで東京・首都圏への批判は控えてきました。しかし、もう福島の子どもたちは待てません。そもそも、福島第1原発は東京電力の発電所であり、誤解を恐れず言えば、首都圏の人々が便利で贅沢な生活をするために福島に押しつけた発電所です。自分たちが使うわけでもない電気のために被ばくさせられ、事態に対処するための数少ないガイガーカウンターさえ首都圏の人に横取りされ入手できないとしたら、私たち福島は東京のために何回、犠牲にならなければならないのでしょうか。東京のために福島は何度死ねば許してもらえるのでしょうか。

独りよがりの「正義」を振りかざし、ガイガーカウンターを買う行列に並んでいる首都圏の人がいるとしたら、そうした考えは改めていただきたいと思います。福島の子どもを持つ親たちの中には、ネット環境さえ満足にない人もたくさんいます。このお願いは、私から福島を代表してのものです。首都圏の人たちにはぜひ考えていただきたいと思います。

-----------------------------------------------------
黒鉄 好 aichi200410@yahoo.co.jp

首都圏なかまユニオンサイト
http://www3.ocn.ne.jp/~nakama06/

安全問題研究会サイト
http://www.geocities.jp/aichi200410/

Created by zad25714. Last modified on 2011-06-05 14:31:34 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について