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LNJ Logo 「ドクター林のなんでも診察室」放射能被害と避難のあり方
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*レイバーネットMLより

浅井健治@週刊MDS編集部です。

週刊MDSは小児科医・林敬次さん執筆のコラム「ドクター林のなんでも診察室」を月1回掲載していま
す。次号では、これまでの医療被曝の研究から放射能被害と避難のあり方についてまとめていただき
ました。まだ発行前ですが、事態の緊急性を考え、重要部分を以下に転載します。全文は今週末発行
の週刊MDSでお読みください。

−ここから−

 放射線は限りなく少ない方が良いのです。だから、政府発表のように「少ないから安心」は嘘です
。政府やマスコミは、外部被曝だけを、医療で使うレントゲンやCT(X線による断層撮影)と比較し
て「大丈夫」とごまかしています。たとえレントゲン0.1回分の放射線量でも、それを何十時間、何
週間も浴び続ければどうなるか。被曝時間を計算するだけで十分危険なことがわかります。
 これらはすべて外からの被曝です。より深刻で広範なのは、吸い込んだり飲み込んだりする内部被
曝です。イラクなどで劣化ウラン兵器の内部被曝による毒性が深刻な被害を生んでいます。今回は劣
化ウランよりはるかに強い放射線を出すウラニウムやプルトニウムですから微量でも注意する必要が
あるのです。
 全員ができるだけ遠くに逃げるべきですが、最も優先すべき人たちを紹介します。
 第1は、妊娠初期のお腹の赤ちゃんです。ご存じのように、最も感受性の高い「年齢」です。ごく
わずかな医療被曝でも少ないとはいえ影響があることはごく最近出たデータでも証明されています。
 第2は、10歳代の男女で、放射線による発がん性がとても高いです。これも医療用被曝でのデータ
で、1988年に発行された論文に出ていますが、覆されていないと思います。
 第3に、新生児や小児は成長が早く、きわめて影響されやすいと思われます。外部被曝の害は10歳
代より低いようですが、内部被曝は長期に続く可能性があるので、影響が大きいことが予想されます

 第4に、米国の例では、父親が帰還兵で劣化ウラン弾により内部被曝していた場合に新生児に先天
性異常の発生が多いと報告されていることから、夫婦どちらかが被曝しているときには、しばらく妊
娠は避けた方が良いと思われます。
 内部被曝の最も悪いルートは吸い込むことです。気管の粘膜に付着し、周囲のリンパ組織などに長
期に留まることが考えられます。マスクは多少内部被曝を減らせる可能性はあります。内部被曝も時
間がたてば相当部分は体内から出て行きます。また、よほど強い被曝でない限り、被曝者みんなが病
気になるわけでありません。被曝を最小限に食い止めれば、異常の発現率もとても低くなります。
 絶望的にならず、事実を見て、迅速に対処して下さい。

−ここまで−

Created by staff01. Last modified on 2011-03-20 23:30:44 Copyright: Default

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