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LNJ Logo 「過労死をなくそう!龍基金」第5回中島賞授賞式の報告
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News Item 0807hokoku
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過労死をなくそう!龍基金の須田です。

昨日の第5回中島富雄賞授賞式にご参加いただいた皆さん、ありがとうございま
した。以下に報告しておきます。

「過労死をなくそう!龍基金」は8月7日、第5回中島富雄賞授賞式を東京・葛
飾で開催し、長男の過労死を受けて大手企業トップの賠償責任を初めて認めさせ
た父親の吹上了(さとる)さんと母親の隆子さんを今年の中島賞として表彰しま
した。128人の参加で会場は満員となりました。

冒頭で、いずれもファミリーレストラン「すかいらーく」で過労死した中島晴香
代表の夫・富雄さんと前澤笑美子副代表の長男・隆之さんに参加者全員で黙とう
を捧げました。

龍基金の経過報告として、全国一般東京東部労組に入って夫の過労自殺の労災認
定を求めている遺族が登壇。29歳の若さで自殺に追い込まれた夫の遺書を読み上
げ、会社社長によるパワーハラスメントや長時間労働を告発しました。

選考委員で過労死弁護団事務局長の玉木一成弁護士が、今年の受賞者として吹上
夫妻を発表し、選出に至った理由を説明しました。吹上夫妻の長男元康さんは大
卒後、07年4月に東証一部上場の株式会社「大庄」に就職。大庄が展開している
居酒屋チェーン「日本海庄や」で働いていましたが、入社して4ヶ月後に過労死
で亡くなりました。

大庄は初任給を19万4500円と設定しながら、そこには月80時間の残業が組み込ま
れていました。残業させるための労使協定である36協定も特別条項として月100
時間もの残業を定めていました。吹上夫妻は当初大庄のみを裁判で訴えていまし
たが、過労死の原因は社長をはじめ経営陣がつくりだした労務管理体制にあると
考え、会社法に基づいて社長ら4人を追加提訴しました。

その結果、京都地裁で勝訴、大阪高裁も「責任感のある誠実な経営者であれば自
社の労働者の至高の法益である生命・健康を損なうことがないような体制を構築
し、長時間勤務による過重労働を抑制する措置を採る義務がある」と判示し、経
営者個人の責任を認めました。現在、会社側は最高裁に上告中。

中島代表から表彰状を受け取った了さんは「まさか東証一部上場の大企業に入っ
て大事な子どもを亡くすとは。妥協せずにとことんまで闘いたい。日本から過労
死を絶対になくさないといけない」、隆子さんは「186センチ96キロの息子が一
瞬にして亡くなった。同じ背格好の子を街で見かけると息子を思い出す。最高裁
で係争中であるが、がんばって闘っていく」と受賞の言葉を述べました。

授賞式の後、昨年の受賞者で「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表が、
過労死を出した企業名の公表を求めている裁判の現状を報告し、過労死防止基本
法の制定に向けて協力を呼びかけました。また、昨年大みそかに日本航空に不当
解雇され、その撤回に向けて裁判を闘っている客室乗務員の原告団から支援を求
めるアピールがありました。

その後、第2部として中島賞の選考委員で評論家の佐高信さん(写真)が「原発文化人の罪を裁く」と題して記念講演を行い、危険な原発を推進してきたタレントや政治家らの言動を厳しく批判しました。

くわしくはブログ「労働相談センター・スタッフ日記」の記事をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/8e1a80108111e9c4baaa7a30a900557c




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