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LNJ Logo 報告:木村百合子さん自死事件裁判第2回証人尋問
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News Item 0512hokoku
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「娘の死の原因を追究し、2度とこのようなことが起きないようにしてほしい」  −木村百合子さんの母が訴える−

 5月12日、故木村百合子さんの公務災害の認定を求める裁判の第2回証人尋問が行われ、支援者50名が傍聴にかけつけた。(静岡地裁民事第2部 山努裁判長)

 今回は、元教員Sさんと百合子さんの母、木村和子さん(写真)の証言である。Sさんの証人申請は、前々回の裁判で一時保留となったが前回の裁判で認められた。これは、最近原告の証人申請が認められない傾向があるなかで、運動の広がりとマスコミの取り上げで(テレビ朝日・報道ステーション、静岡テレビなど)、裁判所も無視できなくなってきた証左である。

 Sさんはご自身の経験をふまえ、クラスで指導「困難」児童を担当した場合、どのような学校体制が望まれるのかを具体的に語った。

 Sさんは、まず必要なことは担任が毎日記録を取ること、そして第2に学校全体が指導「困難」なクラスの状況を把握することだと語った。故木村百合子さんの場合は、「記録」は毎日とっていた。しかし、その記録内容を学年含め管理職が把握していなかったことをSさんは指摘した。百合子さんがつけていた記録は、同学年の指導的立場にあった教員、教頭とも読んでいなかった。状況把握の欠落は、決定的なことだ。このことは、担任を孤立化に向かわせることにもつながる。ましてや、百合子さんは新人であったのである。通常の教職員以上に百合子さんのクラスの実情把握に、管理職や周囲の教員は力を注ぐ必要があったのだ。さらに百合子さんの勤校は文科省の研究指定校であり、労働過密であったことが、百合子さんの担当クラスに周囲の教職員の目を行きにくくさせた原因のひとつであったことも指摘された。

 被告、地方公務員災害補償基金(以下「基金」)側の代理人は、「Sさんは、直接当該校の教員から話を聞いたわけではない」と反論したが、以上のSさんの証言は百合子さんの「児童の観察記録」「研修記録」「週案」「学校関係者の陳述書」をすべて読んだ上でのことである。「基金」の主張は、反論にもあたらない。

 母親和子さんは、故百合子さんの生い立ち、教員志望の過程、教員採用から自死にいたるまでの過程をひとつ、ひとつふまえ証言した。幼児教育に興味を持ち静岡大学教育学部に入学した百合子さんは、在学中「地域の子どもたちと関わる活動」や「ストリートチルドレンを支援する活動」などに参加し、常に子どもに関心を傾けていた。その百合子さんが2004年4月に静岡県磐田市の小学校に赴任して以降、クラス運営に悩み、少しずつ元気をなくしていく。 あるとき百合子さんは「(教員は、)本当はやりたくない仕事なんだ」と口走った。この時和子さんは、「教師に希望を持っていた百合子が学校でダメージを受け、言ったのだと思う。本来の娘の言葉ではない」と語った。

自ら命を絶つ数日前の休みの日、百合子さんは昼ごろまで布団をかぶっていた。「いつもと違う」と感じた和子さんは、百合子さんから学級でのある「子どもたちのいざこざ」の話を聞き、その時当時の教頭が「問題ばかりおこしやがって」「お前の指導が悪いからこうなるんだ」「アルバイトじゃないんだぞしっかり働け」と言われたと聞く。(この点については、前回裁判で元教頭は、「そんなこと言っていない」と否定)和子さんの目には「クラス運営の難しさ、子どもの状況の困難さが、学校ではすべて百合子のせいにされているように映った」と語った。

一方「基金」側の代理人からは、「百合子さんは、よく泣く方なのか?」とか「百合子さんの記録は、字が乱雑で、とても人に見せるようなものではない」など、百合子さんの人格を否定しかねない発言まで飛び出た。「基金」が公務員職場の労働基本権を守る立場から程遠い存在であることも大きく浮き彫りにされた裁判であった。 木村和子さんは、証言の最後に目に涙をため、静かにそして強く発言した。

「私はこの裁判で、事実が何かを明らかにしてほしい。その原因を追究して、教育委員会も学校も対策をたて、百合子のような事件を2度と起きないようにしてほしい」

 次回は、予定では最後の証人尋問である。原告、被告双方から申請された2人の医師が証言台に立ち、百合子さんが置かれた学校現場の状況が「公務災害」にあたるのか否かを争う、いわば今裁判の核心をめぐる裁判となる。傍聴席をいっぱいにして、裁判所に大きなアピールをしていきたい。(湯本雅典)


  ↑報告集会

動画(UnionTube)

*第3回証人尋問 
日時:6月9日(木)13時30分
場所:静岡地裁(JR静岡駅からバスで10分)
内容:証人尋問 専門の医師の立場からの証言


Created by staff01. Last modified on 2011-05-13 10:44:34 Copyright: Default

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