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LNJ Logo 【尼崎事故・第7弾】井手氏らJR西歴代3社長に「起訴相当」議決
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黒鉄好@安全問題研究会です。

すでに一般メディアでも報道されていますが、井手正敬氏らJR西日本歴代3社長が不起訴となったことに対して、尼崎事故遺族らが神戸第一検察審査会に再審査申し立てを行っていた問題で、今日、神戸第一検察審査会が「起訴相当」と議決したことが明らかになりました。このまま逃げ延びるかに思われた歴代3社長の起訴に向け、大きく前進したと思います。

事故調と関係ありませんが、尼崎事故問題第7弾として、第6弾の続編でお届けします。

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http://www.asahi.com/national/update/1022/OSK200910220077.html(朝日新聞)より

JR西歴代3社長「起訴相当」議決 検察審、異例の早さ(朝日新聞) - goo ニュース

 107人が死亡した05年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、神戸第一検察審査会は22日、神戸地検が業務上過失致死傷容疑での告訴を受けて不起訴処分(嫌疑不十分)としたJR西日本の歴代社長3人について「起訴相当」と議決したと公表した。議決書は「3人は安全対策の最高責任者として自動列車停止装置(ATS)の整備を指示すべきだった」としている。地検は今後、3人の過失の有無について再捜査することになる。

 3人は、井手正敬(まさたか)氏(74)=社長在任は92年6月〜97年3月=、南谷(なんや)昌二郎氏(68)=同97年4月〜03年3月=、垣内剛(たけし)氏(65)=同03年4月〜06年1月。

 議決は7日付で、8月21日の遺族側による審査申し立てから1カ月半という異例の早さで判断した。地検が再捜査を経て再び不起訴とするか、3カ月以内に判断を示さなければ、審査会は自動的に「第2段階の審査」に入る。ここで再び11人のうち8人以上が3人の起訴に賛成する「起訴議決」が出れば、裁判所が指定する弁護士が強制的に起訴することになる。

 事故は、運転士(死亡)が現場カーブに制限速度を超えて進入したことが直接的な原因とされる。地検は7月、96年12月の現場カーブつけ替え時にATSの設置を怠ったとして、当時鉄道本部長だった山崎正夫前社長(66)だけを業務上過失致死傷罪で在宅起訴し、当時社長だった井手氏ら3人については「山崎氏に安全対策の執行権限を委ねており、3人にカーブの危険性やATSの必要性に関する情報は伝わっていなかった」として不起訴とした。

 これに対して議決書は、事故発生時までに社長を務めた3人が、社長就任時に社内の総合安全対策委員会の委員長を兼務し、安全対策を実行する最高責任者だったと指摘。JR西が96年12月に現場カーブを半径600メートルから同304メートルにつけ替えた▽時速約120キロで走る新型車両が大幅に増えた▽余裕のないダイヤ改定を繰り返した――などの状況から、3人が脱線転覆の危険性が格段に高まったことを認識できたと判断した。

 また、ATSが整備されていれば防ぐことができた事例として、総合安全対策委で96年12月の函館線脱線事故が挙げられていたと指摘。現場カーブの付け替えにより、「半径450メートル未満のカーブにATSを整備する」という社内基準の対象になったことを認識し、人為的ミスを回避するためにATSを整備するよう部下に指示すべき注意義務があったとしている。

 議決書は最後に、3人を不起訴とした地検に対し「安全対策の基本方針を実行すべき最高責任者の刑事責任を問わないのは、到底賛同できない」と批判した。神戸地検の山根英嗣次席検事は「議決内容を検討の上、適切に判断する」との談話を出した。(根岸拓朗)
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朝日新聞の報道によると、起訴相当の議決は審査会委員11人のうち8人以上が賛成しなければならないらしい。その高いハードルを乗り越えての「起訴相当」議決だ。起訴は神戸第一検察審査会の意思であると同時に犠牲者・遺族・国民の意思である。当ブログは議決を歓迎すると同時に、神戸第一検察審査会委員の決意に敬意を表する。

何はともあれ、井手氏はじめ歴代3社長起訴がこれで一気に実現に近づいた。最高幹部は現場と遠いから安全対策について知らなくても仕方ないなどという理由で3氏が責任を逃れるようなことはあってはならない。

今の日本の法制度は驚くほど経営者に甘く、労働者に厳しいと思う。そのような「己に甘く、他人に厳しい」企業体質の最たるものがJRだ。自分は不正取水をしながら社員にだけ「就業規則違反」で処分を下すJR東日本、自分は幹部として特権を享受しながら社員にだけ日勤教育を課すJR西日本。「堕落し腐敗した幹部にそんなことをする権利があるのか」と、1万回でも10万回でも私は問おう。

107名の犠牲者と遺族、500名を超える負傷者たちが闘っている相手は「利益のため、儲けるためなら何をやってもいい」という企業である。耐震偽装、食品偽装などの事件を起こした企業の多くは解散し、経営者は責任を問われた。JRだけがいつまでも例外ということはあり得ない。

今、目的のためなら手段を選ばないJRに対する社会的包囲網は確実に狭まっている。「反省だけならサルでもできる」というが、反省さえ満足にできないサル以下の経営陣に、利用者・国民をいつまでも舐め続けると痛い目に遭うということを理解させなければならない。今回、井手氏ら歴代3社長を法廷に引きずり出すことができれば、そのための大きな一歩になるに違いない。

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黒鉄 好 aichi200410@yahoo.co.jp

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