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LNJ Logo 映画紹介「外泊」〜人間の尊厳もとめる女性たちのたたかい
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●映画『外泊』
人間の尊厳求めて立ち上がったスーパーの女性たち

キム・ミレ監督の『外泊』をはじめたみました。とても感動しました。超大型マートの何台ものレジカウンターがずらりと並んだ広大なスーパーが、女性たちの歌ったり踊ったりスクラムを組んだりの壮大な劇場と化していたからです。そこで、昨日まで“おばさん”と蔑称されながら働いていた無名の500人の女性たちが声を上げたのです。

原因は「ホームエバー」という量販店を経営していたイーランド・リテール社が、07年7月に「非正規職保護法」が施行される前に、非正規の女性たちをいっせいに解雇したことでした。「保護法」は2年をこえた労働者はむやみに解雇させてはならないという決まりになっていたので、これでは使い捨てできないとわかって施行前にリストラして外注化をはかろうとしたのです。

これに“レジ女”たちは怒って立ち上がったのです。その必死な姿に圧倒されます。シュプレヒコール一つ満足にできない彼女たちは練習し、たたかいのイロハを学んで、ついに泊まり込んで売り場を占拠してしまうんです。「私たちの闘いで社会が変わったら素晴らしいけど」と夢を語り合ったりもします。

しかし、現実は大変です。家事労働は夫にまかせっきりになったり、金がなくて借金したり、夫が職場にのりこんだり、ついに警察に逮捕された折に脱落していう者も現れたりと・・。男尊女卑の社会にあって、会社ばかりか家族ともたたかわなければならなくなるからです。

わたしはこの映画をみていて、昨年レイバー映画祭でみた、同じ韓国の紡織女工のたたかいを描いた『私たちは風の中に立つ』を思い起こしました。女性のたたかいは、単に首切り反対や賃上げ要求にあるのではなく、人間として生きる尊厳を求めるたたかいであることです。

ラスト、500余日に及ぶたたかいが終わって、日に焼けてシミがふえた顔で鏡台に向かうシーンには胸が熱くなりました。この映画は、全編感性豊かな女性ならではの視点でとらえられています。素晴らしい映画なので、ぜひみてほしい。特に若い女性にはそこから「希望」がみえてくるはずです。そして「勇気」も。(木下昌明)

*レイバーフェスタ2009 12月19日(土)東京ウィメンズプラザホールで13時10分より上映。詳細は、http://laborfesta.exblog.jp/


Created by staff01. Last modified on 2009-12-17 21:25:19 Copyright: Default

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