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LNJ Logo 心に刺さった家族の言葉〜鉄建公団訴訟判決報告集会(糟谷廣一郎)
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鉄建公団訴訟判決報告集会のレポート    糟谷廣一郎

 2009年3月25日午前、期待された東京高裁判決が第1審の東京地裁判決から後
 退することも超えることなく言い渡された。
 その判決を受けて、1時30分から「判決報告集会」が東京・飯田橋の「しご
 とセンター」地下講堂で行なわれた。会場は300人を超え、通路や廊下に溢れ
 た参加者を収容するため、舞台後方にも参加者が上がった。

 集会の冒頭、国鉄闘争共闘会議・二瓶久勝議長が前進しなかった判決内容に
 いらだちを隠さず、「もう家族も当事者も限界に来ている。半年1年も待てな
 い。今国会会期中の解決を目指したい。あと一歩だ」とあいさつした。また、
 4者4団体で「判決前に政治解決させる」と合意したが、結果的にできなかっ
 た責任にも言及。「責任を取らねばならないが、いま議長を辞任することは
 無責任になるので、当面このまま(議長を)やる」と決意を示した。

 つづいて主任弁護人を務める加藤晋介弁護士が判決内容をコンパクトに説明
 した。第1審と異なるのは、^崋嬶然曚50万円アップしたこと、起算点を
 清算事業団解散の1990年4月から3年前倒しして「JRスタート」の1987年4月
 にしたこと、9域採用を拒否した6人については他の原告の半額と認定され
 たこと、ぁ嶌陵儡霆爐乏催しなかった」とする枠を広げ1審で5人だった請
 求棄却を10人とした、である。金額的には、弁護士費用50万円のアップと起
 算日の前倒しで4億8000万円の増額、5人増えた請求棄却と6名の半額認定で
 8000万円の減額になるという。

 判決の論理構成は第1審と全く変わらないが、不当労働行為があったとする点
 については詳細な事実の積み上げをしており、「ここまでやっていて、(不
 当労働行為は)なかったでしょう」とは言わせない認定をしていると評価。
 他の同種事件でも不当労働行為の認定は揺らがなくなるだろうとの見通しを
 述べた。また、被告・鉄建公団(現・鉄道運輸機構)が執拗に主張していた
 請求権の「時効消滅」については、不当労働行為は本来労働委員会が審査し
 救済するのが法制度の趣旨なのだから、その救済命令を最高裁が取り消した
 時点まで原告(闘争団)が損害賠償請求の訴えを起こさなかったのは仕方が
 ないとして、消滅時効を認めなかった。この点も他の国鉄訴訟で同様に争点
 になっているため、、影響を及ぼすことになるだろうと見通しを語った。

 また、加藤弁護士は賠償額がなぜ500万円ないし550万円と低いのかについて
 も、裁判所の考え方を解説した。裁判所は「国労組合員であること」と「不
 採用」との因果関係の立証が不十分だとしている。そのため本来なら「ゼロ」
 になるはずだが、「必ず採用されるとまではいえないが、採用されるのでは
 ないかという期待はあった」として、「期待権が裏切られたことによる慰謝
 料」として金額を割り出したのだという。非常に苦しい論理構成だが、この
 ような説明をせざるを得ないこと自体が、裁判による救済を求めるときの
 「最大の壁」となっていることの証明である。この訴訟で、東京高裁の裁判
 長がさかんに「裁判外の解決」(政治解決)を模索したのも根底にこの「壁」
 があることを認識していたからだろうと分析した。そのうえで、裁判所が言
 う「因果関係の立証」は不可能を強いるものだと断罪して、こうたとえた。
 「たとえば留萌の国鉄労働者が、面識のない札幌の労働者と比較して、〈彼
 が採用されるのなら、その前に自分が採用されるはずだ〉と証明してみせろ
 と言っているに等しい」と。

 さらに、清算事業団を時限立法で設立した上でそこに所属させ、予定の年月
 の経過にともなって「雇用対策終了」を理由に全員解雇とするのは、「死刑
 台へのエレベータ」に乗せるようなもので不当きわまりない法の仕組みだと
 断罪した。

 加藤弁護士は、国鉄闘争がここまで長引いていることについて最高裁の責任
 にも触れた。「本来この種の係争は労働委員会が解決に当たるという法制度
 の趣旨を否定し、〈法の穴〉を作った責任がある」
 その最高裁にこれから上告し、「〈さあ、どうするんだ〉と論争を挑まざる
 を得ない」と締め括った。

 このあと、支援者、原告団長からの決意表明がつづいた。
 原告団・加藤さん。
「怒りにたえない。団結権を侵害した政府の責任は大きいので追及し続けたい」
 首都圏連絡会 村中さん。
「不満が大きいが、不当労働行為を1審よりしっかり認定したのは大きい。これ
からも支援を続ける。首相官邸に突っ込めと言われたら〈よし〉というメンバ
ーはたくさんいる」

 つづいて北海道の音威子府、帯広、北見から駆けつけた「家族会」の代表が
 壇上に上がった。
 その中の一人、音威子府の千葉さんの言葉が心に刺さった。
「路頭に迷ったまま生きていたくはありません。子どもたちに闘ってきてよか
ったといえるように、もう少しの支援をください。最後までがんばりますから
……」
                                2009/3/26記


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