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LNJ Logo 速報 : 警察の違法捜査認め賠償命令〜「免状不実記載弾圧」事件
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運転免許証の「住所」が現住所と異なっていたことを理由に06年10月、神奈川県小田原市に住む団体職員のAさんが逮捕され、自宅と職場など関連4箇所の家宅捜査。本人も10日間にわたって勾留された事件の国賠訴訟判決が16日午後、横浜地裁であった。 民事6部・三代川俊一裁判長は、警察の違法かつ過剰な捜査による原告らの精神的損害を認め、被告神奈川県に総額55万円(事件発生から年5分の割合による金員も)の支払いを命じた。

■被告神奈川県に賠償命令

午後1時15分、満員の傍聴席に賠償金の支払いを命じる声が響くと、原告のAさんは思わず右手でガッツポーズをとった。被告席の二人は、ひたすらメモにペンを走らせていた。

判決は公安警察の劇画的なストーリーを、ことごとく否定した。 とりわけ、免状等不実記載罪に関しては、「住民票上の住所を実家のままにしておく例や、転居後も住所変更の届出をしないでいる例は、世上よくみられることなどを考え合わせると、本件更新の実質は、住民票上、本来の住所の変更手続きをしていないことに端を発したものであり」と述べ、「犯行態様が悪質なものであったとはいえない」と認定した。そのうえで、「原告Aの逃亡及び罪証隠滅のおそれがあると判断したことには、合理的根拠がなかった」のであり、「本件逮捕状を請求したことについて少なくとも過失が認め られるというべきである」と断じた。

判決後Aさんは、「頻発する公安警察の微罪逮捕に、警鐘を鳴らした判決。反撃の論争をしていく」と決意を新たにした。

■微罪弾圧に歯止めをかける判決

原告代理人の内田雅敏弁護士(写真)は、「法廷で論争ができた。金銭の問題ではない。微罪逮捕の横行に歯止めをかける判決だ」と評価した。

早朝の突然の逮捕劇。数十人の警察官を動員した、7時間にもおよぶ物々しい家宅捜査は、

原告家族に想像を超える精神的・肉体的打撃を与え、近隣住民との人間関係をも破壊した。

事件から数週間。この弾圧に抗議する賛同人は275人・39団体にも上った。数十年前の止むに止まれぬ「実力闘争」を「暴力革命」として、平和的で当然の権利行使である合法活動を、陰湿で破壊的な「地下活動」として、懸命に描き出した被告らの主張は、退けられた。

来る21日(日)には、判決の詳細な解説、検討集会が予定されている。(同サイト・カレンダー参照)

(佐藤隆)


Created by staff01. Last modified on 2008-12-21 19:35:42 Copyright: Default

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