「君が代不起立」パリの学生に確かな手応え | |||||||
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ビデオプレスの佐々木です。
ビデオ『君が代不起立』のフランス語版をパリの上映委員会の方々が作ってくれ ました。上映会の報告を辻俊子さんが送ってくださったのでご紹介します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「君が代不起立」のフランス語版完成以来初めての上映会を、パリ東洋語学学校 (通称イナルコ)の日本語科において5月24日(土)と27日(火)に行いました。 以下その報告です。 東洋語学学校の日本語科は1千人以上の学生と約40人の教師を抱えるフランスで日本語を教える大学の中では最も大規模なものです。 しかし、日本語を選択する動機として、漫画やビデオゲームをあげるのが大半である 学生を相手にどういう形で上映会を企画できるかというのが課題でした。 又、フランスでは5月下旬から6月はじめにかけて行われるの試験が終わると夏休みに入り、新学期は9月末のため、早急に上映会が企画ができなければ、10月まで待つ事になるという状況もありました。 同校の教師でパリの上映委員会のメンバーでもある上田眞木子さんから、学生が一教室に集まる学期末試験の終了時に上映会を予定し、試験場から出てくる学生に呼びかけるという方法がいいのではないかとの提案がありました。 それで、1年生350人が試験の終わる5月24日(土)の17時半からと2年生200人が試験を終える、5月27日(火)の10時から上映を企画することに決め、上田さんが上映用の教室を借り、ビデオの準備等をして下さり、24日は私(辻)、27日は柴田真紀子さんが参加しました。 上映会の報告及び感想は下記の通りです。 1- 5月24日 上映会は一年生が試験場から出てくるのを待ちうける事から始まりました。 眞木子さんが画用紙に手書きで映画の「広告」文を2枚書き、サンドイッチマンのようにそれを持って2人で立って、広告の前で立ち止まる学生に話しかけて誘ってみました。 こうして誘った学生も何人か来てくれ、上映会の観客は全体で15人、その内教師が2人いました。(果たして10人来るかと思っていたので、予想以上ではあった訳です)。 映画とビデオプレスについて簡単に紹介したあと上映しました。 上映後、根津さんの解雇は防ぐ事が出来た事、現段階での処分教員の数は410人である事を補足説明し、その後20分ぐらい質問に応じました。 上映後の質疑応答に残ったのは約半数でしたが、参加者の反応は良く、詳しい状況を知るための質問はあっても、いわゆる反対意見はありませんでした。 主な質問としては、予防裁判のその後の経過、教員組合からの支持について、外国籍の学生にも君が代を歌わせるのか、他の市町村での処分状況はどうか、世論の反応はどうか等でした。 上田さんからは三鷹高校の校長が「挙手」「採決」を行わない事と都教委が通知した事に反対し、通知撤回を訴えている事についても説明がありました。 皆が帰った後も男子学生が2人話しに来て、その内の1人は中国語と日本語を勉強する フランス生まれの中国人2世、もう1人の学生は地方都市ツールーズ大学の社会学教師にも知らせたらいいとアドバイスしてくれました。 上田さんによると、同教師とは既にコンタクトを取っているそうです。 私の感想としては、たとえ小規模でも学生を相手にこうした草の根上映会を企画する 価値はあり、少しづつでも学生や教師に考える機会を提供していく必要があるという 事です。 これからどんどんフランス語版を活用させていきたいと思いますし、パリ以外の大学 でも10月以降に上映会を持つ予定です。(辻俊子) 学生13人、同僚2人も見に来てくれて、よい感じでした。 学生は真剣そのものに見ていたし、 同僚はふたりともこの問題に関心が薄く、とくに 一人は署名を頼んだときに、署名どころか 「フランスでも国歌斉唱くらいしたらよいのに」と言った人だったので、 やった甲斐があったな、と思いました。 ありがとうございました。 (上田 眞木子) 2- 5月27日 本日(5月27日火曜日)10時から、INALCOで上田さんと上映会を行いましたので、報 告します。 試験会場出口で上映会の宣伝をしようと思っていたのですが、ほとんどの学生が時間 前に試験を終えてしまったらしく、試験終了時間には人がまばらでした。 「これでは一人も来ないかも」と不安になりましたが、上田さんが予め大きな紙に時 間・場所などの宣伝文を書いて貼っていてくれたので、それを見た学生がおり、また 興味を示してのぞきこんでくる人に口頭でも宣伝して、結局12、3人ほど集まりまし た。中には、先日の上映会に参加した他の学生から話を聞いてきた人もいたようで す。 上映開始前に、映画で取り上げられている問題について彼らがどれくらい知っている か、上田さんが質問してみたところ、一人の男の子が「国歌について賛成・反対に意 見が大きく分かれている」ということを話しました。他の学生はそのような状況もあ まり知らない様子でした。 上田さんが教員の不起立処分についての概要を説明してくれ、それから上映しまし た。 *観客の反応 上映中、私服警官がカメラを回している松原さんを脅すところや、自転車放置を注意 するためだけにのこのこやってきた警察官、根津さんが質問してもずっとうつむいた まま答えない市教委の人の態度が映されるシーンでは、学生達も失笑していました。 また、上映後、質問を受けましたが、そのやり取りの中で、「強制的な指示のもとで 自由が侵されている」という主旨を皆ちゃんと把握してくれたんだな、という感触が ありました。ただ、「国歌・国旗がなぜそれほど物議をかもす存在なのか」が分からない人もいたようです。 *質問されたこと 上映後に受けた質問としては 「他の都市でも同じように教員が罰せられているのか」 「予防訴訟の一次判決後、東京都の控訴はどうなったのか」 「なぜ通達に対してではなく、歴史教育のやり方についての抗議をしないのか」 「『君が代』はどういう歌なのか、国旗はどういう意味があるのか」 などがありました。 また、補足として、上田さんが「教育法改悪」のこと、根津さんが嫌がらせを受けて いること(都庁で、座ろうとしたら椅子を引かれたこと)なども説明してくれまし た。私は、例えば以前は国歌を大きな声で歌っていた教員も強制に反対して不起立して処分された事例を話し、とにかく国歌・国旗に対して賛成か反対かということよりも、 議論する自由が大事なのだと思うことを伝えました。 上映会そのものとしての報告は以上です。 さて、この上映会で、視聴覚室を管理をされている方が一緒に観ていて、終わってか ら上田さんに「すごく興味深かった」「ヴズールで行われるアジア国際映画祭に出し てみたらどうか」と話しかけてきました。この方はヴズール・アジア国際映画祭の主 催関係者と知り合いだそうで、DVDを彼らに送ろうと提案されました。 土曜日と今日、観にきてくれた学生達が関心をもち、これについて他の学生と話題に してくれれば、今後の上映会や支援運動につながるかもしれませんし、やって良かっ たなと思います。とにかく学生達の好奇心や好意的な姿勢に触れられて、とても嬉し く感じました。 (柴田真紀子) 全く先の見えない集まりでしたが、確かな手応えがあったのが嬉しい驚きでした。 あのあと、上映を見たルーマニアの留学生が ブカレスト大学の日本学科で上映したいと問い合わせてきました。 先ほど視聴覚サービスの方から電話があり、 ヴズールの映画祭の方も、ちゃくちゃくと準備がすすみだしたようです。 (上田眞木子) Created by staff01. Last modified on 2008-06-04 21:51:24 Copyright: Default |