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LNJ Logo 2・23イギリス鉄道事故〜民営化に大きな懸念
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岩川です。

ニュースでご存知の方も多いと思いますが、2月23日(金)に英国カンブリア
(Cumbria、湖水地方)で起こった高速列車事故(乗客1名死亡)についての続報
です。以下、英ガーディアン紙の記事の要約です。

ヴァージン(今回脱線したティルトトレイン=振り子列車の運営会社)のリチャー
ド・ブランソン会長は、事故の原因をポイントの故障だとした。鉄道施設(線路、
駅等)を運営するネットワークレール(Network Rail)も、保線の問題だったこ
とを認め、今回の事故に関して陳謝した。
鉄道事故調査局(Rail Accident Investigation Branch)の報告書によると、ポ
イントの転てつ棒3本のうちの1本がなくなっており、残りの2本は折れていた。
ボルトやナット、座金もきちんと締められておらず、何本かは現場付近で見つかっ
たが、残りは見当たらなかった。一方、車両の問題や運転士の責任といったこと
は事故原因として挙げられていなかった。
ポイントが原因と思われる今回の事故は、2002年5月のポッターズバー(Potters
Bar)駅での急行列車の脱線事故(7名死亡、70名負傷)以来、5年ぶりのこと。
それ以前にも英国の鉄道では死亡事故が続いており、英国国鉄の民営化に対して
大きな懸念が広がった。

(岩川注:ガーディアンでは民営化の問題について触れていますね。日本では、
あの尼崎の大惨事や羽越本線のいなほ号の脱線事故の際も、民営化まで踏み込ん
だ大手メディアは皆無に近かったと思います)

乗客の一人、グレーム・スチュワート氏(28)は脱線した列車の一番前(すなわ
ち機関車のすぐ後ろの車両)に乗っていた。彼はこう言う。「誰を責めるとかで
はなく、何があったのか理由を知りたい。いつも列車を利用しているので、次に
利用するまでにとにかく安全であるという確証が欲しい」

RMT(鉄道労組)は今回の事故に対する独立した調査を求める要求に加わった。
RMTのボブ・クロウ書記長はダグラス・アレクサンダー運輸大臣に対し、次のよ
うな要求書を送った。「工事部門を分割したことで、わが国の鉄道網はずたずた
にされたままである。従って、公式調査によりネットワークレールの管理システ
ムが適切かどうかまで踏み込むよう、組合として求める」
クロウ書記長はさらに、「ネットワークレールにおいて、請負業者、下請、労働
者派遣会社(labour-only agencies)等が線路で好き勝手にやっていることはき
わめて大きな懸念材料だ。公式調査ではこの問題にも言及してもらいたい」と語っ
た。

(岩川注:組合のコメントがこういう形で載っていることも日本と英国との大き
な違いの一つですね。組合の存在感の違いとも言えますが)

参考記事:
http://www.guardian.co.uk/transport/Story/0,,2022089,00.html
http://www.guardian.co.uk/transport/Story/0,,2021002,00.html(日曜紙オブ
ザーバー)

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