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LNJ Logo 「人間らしく働くための契約法・時間法を! 労政審の『素案』を斬る」集会を開催
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 6月13日、厚生労働省は労働政策審議会の労働条件分科会に対して「労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(案)」を提示した。その柱は、ホワイトカラーを対象にした「自律的労働にふさわしい制度」の導入と就業規則の労働契約化、さらに解雇の金銭解決制度などより一層経営者側が求める労働規制緩和の法制化案である。  日本労働弁護団は同日『日本版エグゼンプションを許さない』と題するシンポジウムを開催して、同「案」に反対する集会アピール(日本労働弁護団サイト)を採択した。そして、6月26日夜再び総評会館大会議室に約100人の労組代表らを集めて、「人間らしく働くための契約法・時間法を! 労政審の『素案』を斬る」を開催した。

 開会の挨拶で主催者の日本労働弁護団の徳住堅治副会長は、「案で提起されている『自律的労働にふさわしい制度』というのはアメリカの労働者の21%に適用されている時間外労働免除の制度(エグゼンプション制度)であることは間違いない。この10数年間『規制緩和』政策の下で変形労働制や裁量労働制や看做し時間制などが採用されて、資本の側が数々の労働時間規制を取り除く方策を手に入れてきた。しかし、先進国の中でもっとも長い時間働かされている労働者には、この案とはまったく違う労働時間を規制する労働法制が緊急に求められている」と訴えた。

 続いて発言した鴨田哲郎幹事長は、「このエグゼンプション制度は最後に法律の手を借りてでも何とか限度のない労働から抜け出したいと思う人に法の手がかりを奪ってしまう、何も根拠に出来るものがない、当然監督行政も入れない人たちが大幅に増えていく危険性を極めて強く持っている。そして、電話相談にかけてくる人の半数は労働者本人ではなく、その家族からだ。うちの父ちゃんは12時過ぎても帰ってこない。翌日もまたフラフラになりながら出て行く。休みたいのに休めない。最近では辞めたいのに辞めさせてもらえないという例も多々報告されている。そういう人びとまでがこの日本版エグゼンプション制度の阻止に立ち上がらないと、閣議決定されているこの制度の阻止の闘いは難しい」と話す。  厚労省案で「自律的労働にふさわしい制度」の対象とされる勤務要件は、1)労働時間の裁量権を持つこと、2)業務量調整の対象になっていること、3)年収1000万円(日経連は400万円を主張)である。これはサラリーマンの多くにあてはまる条件であり、自律的労働者と普通の労働者の境界があいまいで、そして両者の差別を持ち込もうとするものである。この制度は年収条件を下げるなど、要件を拡げることで多くの労働者に適用される「小さく産んで大きく育てる」ことを狙った危険な制度だと批判した。

 この日発表された労働弁護団の「労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(案)に対する意見」(同上サイトに掲載予定)はもう一つの柱、「使用者が一方的に定めた就業規則条項が合意したものとして労働者に義務づけるという、就業規則万能法の本質」を批判する。また、多数労組の合意を「労使合意の推定」に持ち込むものである。 さらに、「解雇の金銭解決制度」については「どのような理屈をつけようが、「金で解雇を買う制度」との本質は不変であり、解雇規制が労働契約法の要」であり、断固反対であると書いている。鴨田氏は、この制度はすでに「おぼれかけた犬であり、徹底的に棒で叩け」と訴えた。

 厚生労働省の予定では7月中に中間報告をまとめ、8月パブリックコメント(意見聴取)を行い、10,11月に最終報告を提出する。そして、来年の通常国会に労基法改正案を提出するスケジュールである。鴨田幹事長は、「こんな労働法は要らない」という声をあらゆる職場・組合からパプリックコメントとして厚生労働省に提出しよう。そして、秋には労基法改悪反対の大集会を開きたいと提案した。

 この主催者の報告の後、連合、全労連、全労協の代表ならびに日本航空客室乗務員組合、全労働(労働監督署の組合)、三重ユニオンの代表らがそれぞれ「素案」を絶対に許さない闘いを強めていく決意を述べた。         <報告:高幣真公>


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