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LNJ Logo 中野区立保育園非常勤保育士解雇事件で東京地裁が一部勝利判決
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中野区立保育園非常勤保育士解雇事件東京地方裁判所判決に対する声明



1  中野区立保育園に勤務していた非常勤保育士28名が、2004年3月末をもって解雇され、うち4名が解雇無効による地位確認、及び賃金と慰謝料の支払いを求めていた事件について、平成18年6月8日、東京地方裁判所民事第19部(裁判長裁判官中西茂、裁判官森富義明、裁判官本多幸嗣)は、原告らの訴えを一部認め、被告中野区にたいし原告ら各人に各40万円の慰謝料を支払う旨の判決を下した。



2 原告らは1993年に公務員への週休2日制導入に伴い、保育士の人員不足を解消するために採用され、毎年契約更新が繰り返され、長い者で11年9ケ月、短い者でも9年2ケ月にわたり中野区立保育園で非常勤保育士として働いてきた.原告らは乳児保育、障害児保育など熟練を要する仕事を任されてきたし、土曜日保育では、様々な年齢・家庭環境の子ども達をあずかり、中心的な役割を果たしてきた。

 しかし、バブル崩壊後、自治体リストラの嵐の中で、区立保育園の民営化が進行し、2003年9月地方自治法改正により指定管理者制度が導入され民間企業等への委託が認められるや、その直後に中野区は区立保育園32園中2園について指定管理者制度による民間委託を決定した。2004年3月末には、民間委託される2園以外に勤務していた非常勤保育士28名全員を解雇(雇い止め)にしたのである.これに対し原告ら4名が、解雇無効による地位確認と2004年4月以降の貸金及び期待権侵害による慰謝料を求めたのが本件である。



3 判決は以下の通り、判決を下した.

)楫鏖鮓曚鷲要性も合理性もない解雇であって、解雇権の濫用であり違法であるという点について.判決は原告らと中野区との法律関係は、私法上の雇用関係ではなく、公法上の任用関係であり、原告らの地位は任用行為の内容で決定されるのであるから、期間1年として任用された以上,再再任用を請求する権利はなく解雇権濫用法理の適用はない。

∨楫鏖鮓曚期待権を侵害したという点について。判決は証拠を辞細に検討し、任用の際に、「定年はない」という説明をしたこと、再任用手続きにも本人の意思確認をしないで再任用が常態化していたこと、原告らの職務内容は、常勤保育士と同じで専門性のある練続的職務あったこと、任期満了直前まで中野区の方針が伝えられていないことなどの事実を認定し、「このような事態を招いた原因はもっぱら被告にある」と厳しく中野区の姿勢を批判し、原告らの再任用への期待は、法的保領に値しその侵害は原告1人につき40万円とした.



4 本件判決は、長年に渡り働き続けたのに突然の方針転換で非常勤保育士全員の解雇をしたことに、慰謝料請求を認め、労働者の安易な使い捨ては許されないと言う裁判所の厳しい姿勢を改めて示したのである.しかし一方で、裁判所が「任用行為である」という形式的理由のみで、解雇の違法性を看過したことは、到底容認できない.最近、国家公務員の非常勤職員に対する再任用拒否が、信義則違反であるとして無効とされた事例(東京地裁民事39部・平成18年3月24日 国立情報研究所事件)があり、この流れに沿えば、本件解雇は違法無効とすべきであった.公立保育園の廃園・民営化について、これを違法とし、保護者らに慰謝料請求を認めた事例が続いている(大阪高裁・平成18年4月20日横浜地裁平成18年5月22日)。本判決にも見られるように、公共サービスの安易な民間委託や、労働者の使い捨ては、司法から厳しく批判されているのである。

 本判決に見られるように、本件解雇の違法性は明かである。中野区はこれを認め、原告らを直ちに復職させるべきである。私たちは、解雇無効の判決を求め控訴するものである。



 2006年6月8日

               中野区立保育園非常勤保育士解雇事件原告団

               中野区立保育園非常勤保育士解雇事件弁護団

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