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LNJ Logo フランスの運動は衰える気配なし
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コリン@グローバルウォッチ/パリです。

 3月28日の全国デモは、前回18日の巨大デモに勝るとも劣らない参加者数 (主催者発表で350万)で、シラク大統領声明後にもかかわらず、圧倒的なデ モでした。今日、フランス大統領は個人的利害の表面を繕うことに賢明で、憲 法を誠実に守る事を放棄しています。大統領が一つの法案を法制化する声明を 出して、同時にその法律を適用しないように要請すること自体、憲法違反を犯 すという混乱状態を産み出しています。現政府は合法的であっても、民衆を代 理するという民主的政府の正当性を失っています。そこ今日の第五共和制の老 化現象が明らかに読み取れます。

 今日の危機は、新自由主義の民営化、規制緩和の流れに沿ったもので、最近 では欧州憲法以来、フランスの労働者、若者達がこの流れにいかに強く抵抗し ているかということです。2002年以降、顕著になってきた雇用関連の規制緩和 は、とりわけ、昨年8月のCNEから、11月の郊外暴動を通して、14歳からの事実 上の徒弟を可能とするCPEを含む今回の<機会均等>法となったわけですが、 CGTなど左派労働組合は、CPEのみならず<機会均等>法全部に反対していま す。財界、経営者側は、26歳以下という条件を無制限にしたかったのが本音で す。こうした労働主権や福祉制度の解体に他ならない規制緩和が今後も継続す るグローバリゼーションの流れのなかにあるのです。ですから、このフランス の問題はヨーロッパ諸国にとって切実な問題であり、それゆえ、欧州労働組合 連合の書記長やいくつかの隣国の労働組合も派遣団を送ってデモに駆けつけた り、また多くの他の国々でもフランス大使館前で、フランスの反対運動に連帯 し支援するデモがくり広げられています。NGOはドイツATTACとこの闘 争について意見交換をしており、運動の波及効果が現れています。

 過半数の大学ではストが続行中で、大学生、高校生らはこの運動によってま すます政治化して来ており、1-200人、ときには100-200-300人単位で、各都市 の幹線道路を封鎖したり、国鉄中央駅のホームに入り、線路に寝転がったり、 空港でダイインをしたり、様々なアイデアでゲリラ的な攪乱戦術をとり、また 今日は機動隊によって封鎖されているソルボンヌ大学そばのサン・ミッシェル 大通りで、1000人規模でピックニックをして、道路を封鎖する、というような アクションを起こしています。学生のこうしたアクションには、労働組合も支 部ごとに参加したり同調しており、復活祭のヴァカンスに入る今も、運動のパ ワーは落ちる気配がありません。内務大臣サルコジは機動隊を政治手段として 使い、弾圧を強めていますが、全国に広まったこのアクションは衰える気配が なく、来週火曜日にも全国的なアクションが予定されています。このまま行く と現政府は決定的に致命傷を負うことになりそうです。 (転載可)


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