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レイバーフェスタ2005・レポート(by 松原明)

12月11日(日)、通算4回目のレイバーフェスタが東京しごとセンターで開催された。私はフェスタ実行委員のひとりで、当日もいろいろ任務を抱えていたので、観客として演目をじっくり見ていたわけでもない。だから以下のレポートはきわめて私的な「体験報告」である。

主催者としてなにより心配なのは、人の入りだった。2万枚という膨大な量のチラシを配布したが、果たしてその結果はどうなるのか。午前10時から、ぽつぽつ人がやってきた。映画の上映開始時10時20分には、250席のホールの半分は埋まるくらいになった。まずまずの出足だ。

会場設備の使用をめぐって、会館側とのトラブルもあったが、プログラムは順調に進んでいった。映画『ナビゲーター』の上映で午前の部が終わり、午後はレイバーソングDJ、韓国の「希望のうた・コッタジ」コンサート、3分ビデオ22本一挙上映と続いた。それぞれの演目は充実していたが、なかでもコッタジと3分ビデオがよかった、という声が多かった。コッタジのパワーは中途半端ではない。4人が歌いはじめ、踊りはじめると観客の気持ちをすぐにつかんだ。会場に一体感がうまれ、韓国の労働者集会の場にいるような錯覚さえ覚える。コッタジの語りもいい。「韓国には集会文化ということばがある。集会は見るものではなく、自分が体を動かし参加するものである。つくりだすものである」「たたかいは文化であり、文化はたたかいである」。コッタジの舞台は、まさにただ歌っているのではなく、たたかっている姿だった。「団結闘争歌」「人は花より美しい」など7曲を披露。そしてアンコールの「岩のように」では、多くの観客が舞台にあがって一緒に踊った。会場全体がすごい熱気に包まれた。

3分ビデオは私が司会をした。タイムスケジュールはぎりぎりで、ちょっとでも遅れると最後のディスカッションの時間がなくなってしまうという綱渡りだった。今年で4回目となった3分ビデオ。「年々よくなっている」という評価があり、今年はどうなるか心配だったが、さまざまな分野から力作が集まった。上映中は、終始、笑いや共感の声が起こった。今回はじめてつくった人も6人いた。総勢22本、そこで取り上げられたテーマは、ほとんどマスコミでは伝えられないことばかりだった。しかもメッセージ性がある。たたかいの映像が多いなかで、日常生活をリアルに撮った『息子の場合』(木下昌明)や『熟年離婚』(亜北斎)は、強烈な印象を観客に与えた。ある参加者は「クリエイティブで刺激を受けた」と述べていたが、3分ビデオは、見るだけなく自らつくることの面白さ・発見であり、「労働者文化運動」のひとつに育ちつつあるのではないか、と思った。

3分ビデオ恒例の「◯◯賞」。ことしは『人らしく生きよう−国鉄運転士の戦後60年』を上梓した佐久間忠夫さんとコッタジに出してもらうことにした。佐久間さんは「大阪の『NOという勇気〜セクハラ+解雇』(エンドウノリコ)が一番よかった。踏みつけられている女性のたたかいこそが大事だ。そして女性の次に私が期待しているのが若者」ということで、今回は会場に制作者が来ている『若者たちは今』(武田敦)に賞の本を出すことになった。またコッタジは、四国から東京まで1047キロを走ってアピールした『走る男』(佐々木有美)を選んだ。「面白い作品がたくさんあったが、やはり19年にわたって闘っている闘争団の姿に感動した」、コッタジはたたかう人が好きなのだ。コッタジ賞は、非正規労働者問題を訴えた韓国のステキなTシャツ。ここで「走る男・中野勇人さん」が登壇し、大いに会場はわいた。

こうして無事、4回目のフェスタは終了した。総参加者数は300人近くに達した。二次会の懇親会には20代の若いサラリーマンが参加していた。本番で総合司会をした松浦さんの友人だった。かれはこう述べた。「こうした集まりは初めて。松浦くんとは進む道が違っていて、私は政治にはほとんど関心がない。でもきょう参加して、とても刺激を受けた。みなさんがうらやましく思えた」と。

 労働運動に縁のない若い人にこそ伝えたい、と思ってはじめたレイバーフェスタだったが、こんな形で反応があってうれしかった。

Created by staff01. Last modified on 2005-12-14 19:44:58 Copyright: Default

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