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News Item 20010917aflcio
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9月11日以来、衝撃的なテロの映像が繰り返し報道され、「報復」が当然であるか のようなメディア操作が行われています。しかし、実際に犠牲になった人たちや、救 援のために献身している人たちのことは、断片的な映像でしか伝えられていません。 AFL・CIOのウェブサイトに掲載されたレポートから、労働組合の取り組みを紹 介します(「労働情報」10月1日号掲載予定のレポートの一部です。喜多幡)

組合員が救援活動に全力

消防、医療労働者の組合員たちがニューヨークとワシントン郊外で救援・救助活動 に従事しているほかに、組合のボランティアたちが自分たちの技術と、お金と、血を 提供している。

建設産業労働者が前線に

ニューヨーク市の鉄骨組立工労組第40支部のボブ・ウォルシュ代表によると、1 1日の朝、テロのニュースが流れた直後から、組合員から救援活動への協力を申し出 る電話がかかりはじめた。午後の早い時間に州兵から組合に協力要請があったとき に、いくつかの市の建設労働組合の数百人の労働者がすぐにこれに応じることができ た。 建設労働者たちは11日夕方から徹夜でクレーン、ブルドーザー、ローダー、ある いは手で、マンハッタン南部の通りから大量の瓦礫を除去する作業を行ったが、12 日の昼の段階で、倒壊したビルの残骸までは到達できていない。 ウォルシュ氏によると、現場から戻った多くの労働者は震えていて、「非常に恐ろ しい光景だった」と語っている。 連邦危機管理局の要請に従って、ワシントンDCの組合本部から来た鉄骨組立工た ちは何万トンもの瓦礫を切り離して撤去するために必要な基本的な装備を購入した。 鉄骨組立工労組は復旧のためのボランティアの3つのチームを編成し、ローテー ションでマンハッタン南部での作業に参加する。ニューヨーク、ニューイングランド 全域、中部大西洋地区、バージニア、オハイオ、西バージニアから、高熟練の建設労 働者が集まってきた。1000人を超える鉄骨組立工たちがボランティアに参加して いる。 ニューヨークのレーバラーズの16の支部のすべてが、復旧作業にボランティアで 参加している。このうち、第78支部はアスベスト処理を専門にしている。報告によ ると、国際貿易センターには大量のアスベストが使われていた。 ニューヨーク市ビル・建設産業評議会は24時間体制をとっている。マロイ会長は 「現在1000人ぐらいが現場で救援活動に協力している。私たちは瓦礫の撤去が完 了するまでこの活動を続ける」と語っている。

医療労働者

何千人もの医療労働者が、テロの直後から救援活動を開始した。SEIU第119 9NY支部、SEIU研修医・住民委員会、SEIU医師連合が24時間の医療を提 供している。 全米看護労働者協会傘下のニューヨーク州看護労働者協会(NYSNA)は、マン ハッタン、ブルックリン、ニュージャージーの病院で、世界貿易センターでの被害者 の看護に従事している。NYSNAがウェブサイトで呼びかけたボランティアには、 膨大な数の応募があり、ニューヨーク州保健局の管理能力を超えたためにボランティ アの募集が打ち切られるほどだった。

メンタルケア

米国教員連盟(AFT)傘下のニューヨーク州心理学協会(NYSPS)は、災害 対策チームを派遣し、被害者、労働者とその家族の精神的ケアにあたっている。この チームは現場の近くや、遺体安置所などで活動している。 NYSPSは、AFT傘下の全米教員連盟とともに、学校の子どもたちがこの悲劇 とそれに対する自分たちの感情について認識するのを助けるための教材を開発してい る。この教材は、テロリストの行動を理由に少数者集団を非難するべきでないことも 強調する。

船員組合

海洋技術者・船員組合と、国際船員・航海士・パイロット組合の組合員は米海軍の 病院船でニューヨークの現場に向かっている。 他の組合員たちは、ニューヨーク運河フェリーで、マンハッタン南部から人々が避 難するのを助けている。ある組合員たちは、遺体をニュージャージーの仮遺体安置所 へ運ぶという憂鬱な仕事に従事している。

赤十字との協力

AFL・CIO地域活動・赤十字連合は、ニューヨークで、赤十字と組合の救援活 動の連携を助けている。 赤十字の要請によってAFL・CIOのスタッフは、犠牲者の家族のためのカウン セリングを行うコンパッション(共苦)・ケア・センターの場所の確保に協力した。 赤十字はチムスター労組に、テネシー州メンフィスの倉庫からニューヨークへ通信 機器を運ぶためのトラックと運転手を要請した。UPSに勤務する組合員がこの要請 に応えて、機器を届けた。

ワシントンDCで巡回

ワシントンDCと北バージニアでは、多くの労働組合が地域の住民を戸別訪問し て、救援活動へのボランティア参加と献金を要請することを計画している。 この計画はワシントン首都圏労働者評議会の救援基金と、ワシントンの労働者地域 活動委員会との協力で進められる。 ワシントンで数千人の組合員がペンタゴンに勤務している。多くの組合員がいまだ に行方不明である。

共同の活動の継続

ワシントン地区の組合の職員と、他の市民たちが、13日正午にAFL・CIO本 部のスタッフとともに追悼ミサに参加する。 ニューヨーク州のAFL・CIO、消防士組合、ウェストチェスター中央労働者評 議会、食品・商業労働組合は共同で、組合が組織されているスーパーマーケットから 世界貿易センターで救援活動にあたっている消防士たちに食料を届ける活動を行って いる。ニューヨーク市労働者評議会は、救援活動に参加している労働者のために衣料 品を届ける活動を行っている。 現時点でこの種の支援は足りているが、『シカゴ・トリビューン』紙によるとシカ ゴ地区の消防士39人が車に乗ってニューヨークへ向かった。 多くの組合員たちは救援基金のよびかけに応え、また、赤十字や病院で献血を行っ ている。(9月13日午後7時45分に更新)

***

組合員が犠牲者を追悼し、生存者のために祈る

9月11日に航空機によるテロ攻撃を受けた世界貿易センターとペンタゴンでは、 多くの組合の労働者が働いていた。数百人が死亡したと推定され、そのほかに多くの 労働者の消息がわかっていない。以下は各労働組合からの報告である。

ホテル・レストラン従業員組合(HERE) HERE第100支部のビル・グランドフィールド委員長によると、約270人の 組合員が世界貿易センターの第1ビルの106階と107階の「ウィンドウズ・イン ・ザ・ワールド」(レストラン)で勤務していた。約70人が11日午前の勤務だっ た。このほかに第100支部の30人の組合員が、倒壊した第7ビルのカフェテリア で勤務していた。

米国通信労組(CWA) CWAのモートン・バール委員長によると、12日正午現在、CWAの犠牲者は、 ベリゾン社の5人の労働者(このうち2人はペンタゴンに勤務していた)、NBCお よびABCテレビの各1人、港湾管理局に勤務していた2人、乗っ取られた航空機に 乗っていた退職組合員1人である。このほかに204人の組合員の消息がわかってい ない。

サービス従業員組合(SEIU) 世界貿易センターのビル・メンテナンス労働者約1000人を代表するSEIU第 32BJ支部の代表によると、事件当時約350人の組合員が勤務中だった。ポー ター、清掃労働者、エレベーター・オペレーター、メンテナンス労働者がタワーの各 階に分散していた。このうち何人が脱出できたかはわかっていない。このほかの、夕 方と夜のシフトの労働者たちは難を逃れた。SEIUのニューヨーク市消防・ボイ ラー士支部のビル・エンジニアたちも世界貿易センターで勤務している。SEIU第 82支部はペンタゴンの200人以上の清掃労働者を代表しているが、この労働者た ちは全員無事だった。

米国公務員連盟(AFGE) AFGEの3つの支部(商品先物取引委員会、雇用機会均等委員会、連邦貿易委員 会)の235人の組合員が世界貿易センターに勤務していた。このほかに2つの支部 の組合員がペンタゴンに、陸軍、国防省、空軍の職員として勤務していた。AFGE にはこれらの労働者の消息についての情報が入っていない。

米国地方公務員組合(AFSCME) AFSCME第37地区評議会(救急医療技術者、赤十字職員)の行方不明者の数 は100人から45人に減った。このほかに、11日の午前9時半から第1ビルでA FSCME関連の文化団体の会議が予定されていた。この会議の出席者と職員の状況 はわかっていない。

米国教員連盟(AFT) コロンビア特別区の3人の教員が、ハイジャックされペンタゴンに突入したアメリ カンエアライン機に乗っていた。AFTの組合員が勤務するマンハッタン南部の少な くとも9つの学校が避難した。

航空労働者 11日にハイジャックされた4機の航空機には合計233人の乗客と、26人の添 乗員と、8人のパイロットが乗っていた。

東海岸の港湾労組(ILA)は世界貿易センタービルの19階と20階にオフィスが あった。ILA医療基金の職員は無事だった。ILAの本部は、現場から数ブロック のところにあり、少なくとも月曜日(17日)までは閉鎖される。

公務員連盟 SEIUとAFTが共同で組織しているこの組合は、世界貿易センター内に3つの オフィスがあり、約300人の組合員が勤務している。50-70人の消息がわかっ ていない。

国際事務職・専門職組合(OPEIU) OPEIU第153支部の、世界貿易センター・ビルに勤務していた16人の組合 員の消息がわかっていない。

国際電気労働者友愛会議(IBEW) ニューヨークのIBEW第3支部の52人の組合員の消息がわかっていない。IB EW第26支部のペンタゴンに勤務していた200人の組合員は全員無事だった。

国際オペレーティング・エンジニア組合(IUOE) IUOE第2支部の2人の組合員が死亡し、6人が行方不明である。勤務中だった 第30支部と第94支部の30人の組合員は、現在捜索である。

その他の建設産業労働者 塗装工・一般労組、「レーバラーズ」、蒸気管取付工が両方のタワービルの中のい くつかの建設プロジェクトに携わっていた。ニューヨーク市ビル・建設産業評議会の エドワード・マロイ会長によると、多数の労働者が行方不明である。

アメリカ郵便労働組合(APWU) 世界貿易センター・ビルおよびペンタゴン内の郵便局の労働者は全員無事だった。

ニューヨーク市カーペンター(大工)地区評議会 数百人の組合員が行方不明である。

土木事業従業員組合 AFSCME加盟のこの組合の150-200人の組合員が世界貿易センタービルで 勤務していた。そのうち40人以上が行方不明である。

7万5千人から10万人が失業か この事件の結果、7万5千人から10万人が失業するという推測もある。


Created byStaff. Created on 2001-09-17 11:50:00 / Last modified on 2005-09-05 02:58:19 Copyright: Default

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