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英国における反戦の労働組合


<1>鉄道労組が反戦デモを支持

  全国鉄道・海事・運輸労組(RMT)は九月二七日、ニューヨークとワシントンへの攻撃後初めての執行委員会を開催し、政治小委員会からの下記の報告を満場一致で承認した。 われわれの組合は、今回の攻撃と、それによって引き起こされた世界的な出来事に対して明確な政策を採択した。下記の声明を広く利用、配布していただきたい。

九月十一日の米国における攻撃について

  われわれは九月十一日に米国で起こった攻撃を非難する。われわれはこの恐ろしい死を悼む。われわれはニューヨークとワシントンの労働者、救助隊、そして人々の対応に敬意を表す。われわれの組合は、犠牲者の家族に敬意と哀悼を送る。
  われわれの組合は、労働運動、インターナショナリズム、そして社会主義の大義の歴史的伝統の中で、テロリズムやいかなる形態の侵略、民族差別、軍国主義をも全面的に拒否する。したがってわれわれはいかなる報復戦争にも反対し、英国労働運動がいかなる報復戦争の試みにも反対するよう呼びかける。また、いかなる軍事的介入も、国連安保理事会によって承認されなければならない。
  われわれは人種差別主義と暴力に注意し、積極的に反対しなければならない。われわれはまた、政府による一切の市民的自由の制限(身分証明書の携行の義務付けを含む)や、略式手続きによる国外追放や、人権法の侵害に反対する。
  さらに、われわれは、労働組合として、組合のすべての支部において組合員を守るという最も重要な責任を妥協あるいは放棄するべきだという提案を全面的に拒否する。とくに、海員の仲間たちが敵意に包囲される恐れについて注意しなければならない。われわれは組合員を守るために争議行為を行う権利を制限使用する一切の試みを全面的に拒否する。
  われわれはわれわれの社会主義の信念を繰り返し表明し、われわれの組合がこの行動に参加し、十月十三日にトラファルガー広場で行われるCND(核廃絶運動)のデモを支持するよう呼びかける。支部と組合員が組合旗を掲げて参加するよう呼びかける。


<2>公務員労組・北西地域評議会が戦争反対声明

UNIZON(公務員労組)北西地域評議会は十月五日、以下の宣言を採択した。
  UNIZONの組合員たちは、米国において起こり大量の死をもたらした事件に衝撃を受け、悲しみ、九月十一日に航空機の乗っ取りとペンタゴン、世界貿易センターに対する残忍きわまる、冷酷な攻撃を非難する。UNIZONは、テロリズムはあらゆる個人に対する潜在的脅威であり、いかなる人間社会においても容認されないものであると信じている。UNIZONは、米国およびその他の国における、この恐ろしい出来事の犠牲になったすべての人々とその家族に対して同情と哀悼を表す。われわれは、労働組合として、米国、英国、そしてその他の犠牲者が出た国で、この悲劇によって引き起こされた悲しみと嘆きを理解する。
  UNIZONは特に、組合員たちが救援・救助、公共サービス、警察業務、保健・医療の中で行ってきた活動、非常事態に対処するために行ってきた大きな努力--惨事の直後と、その後も継続されている--に敬意を表したい。われわれは、職務を遂行するための勇敢な活動の中で死んだ公共サービス労働者たちを悼み、称える。そしてこの活動の友人や同志を失ったすべての人々に弔意を表す。UNIZONはこの感情を姉妹組合に伝えるとともに、どのような追悼が最もふさわしいかを尋ね、それを支援したい。
  UNIZONは、米国がこの犯罪を徹底的に捜査し、適切な法手続きと国連によってあらかじめ承認されている適切な裁判制度を通じて犯人を裁く正当な権利を持っていると考える。しかし、UNIZONは、軍事的対応が解決ではないと確信している。それは不可避的に、さらに多くの罪なき人々の死をもたらし、さらなる報復を招き、それは大量殺戮兵器の使用に到る可能性すらある。戦争の継続的エスカレーションは、すべての人々にとって恐ろしい意味を持つ。モラル的にも政治的にも暴力の連鎖の拡大は、それ自身の悪意ある論理を持っており、これに対して抵抗しなければならない。
  UNIZONはこの悲劇の後に起こっている人種主義的な言辞や行為の増加を特に憂慮している。われわれはすべての人々は、皮膚の色や信条・信仰に関わりなく、尊敬をもって待遇されるべきであり、すべての人々は自己決定権を持っており、恐怖や貧困や抑圧のない生活を送る権利を持っているという確信を繰り返し表明する。
  UNIZONは、過去における南アフリカ、そして今日におけるアイルランドあるいはパレスチナで、継続的対話を含む和平プロセスが進められていることを認識しており、このプロセスに関与しない言い訳はありえないことを認識している。この認識の上に、UNIZONは、行動が、現在直面している非常に重大な問題の理性的な分析に代わってはならないことを主張し、政府が戦争の宣言や遂行に代わるものとして、あらゆる外交的努力を試みるよう要請する。


<3>労働党大会で消防士労組が「慎重な対応」を呼びかける

  十月二日、ブライトンで開催された労働党大会でFBU(消防士組合)のアンディー・ギルクライスト書記長が、今回のテロ攻撃に対する慎重な対応を呼びかけた。
  アンディー・ギルクライスト書記長は、米国における今回のテロ攻撃に関する緊急動議の提案の中で、彼が米国から戻ったばかりであり、ニューヨークで消防士組合のリーダーたちと会ってきたことを報告し、「われわれは報復のための報復という誘惑に抵抗しなければならない。われわれは、不完全あるいはでたらめな情報によって特定されたいい加減な目標に対する無差別爆撃を支持してはならない」と述べた。
  彼は、大会の出席者に対して、全世界で他の人々を救うために命を危険に晒している消防士たちのことを想起させた。「われわれは他の人々が逃げ出そうとしているところへ突入するのが仕事だ」。
  彼は、テロ攻撃が無分別によって起こることは稀であり、それには原因があり、多くの場合社会・経済的な根拠を持っていると述べた。それは貧困、生活手段の剥奪、不安から派生するものであり、それはいかなる意味でもテロを正当化するものではないが、政治的目的での暴力の行使に対処するためのカギを提供するものである。
  彼は「爆弾によって人々を民主主義に向かわせたり、飢えた子どもたちの食べ物や薬を取り上げることによってその国の政府の政策を変更させることはできない。そんなことはうまくいかないし、モラルに反しているし、将来のテロリズムを育む。
  彼は、緊急の対策として、テロ攻撃の犯人を裁判にかけるべきであり、同時に、テロ攻撃後のイスラム教徒やアラブ人への攻撃を非難しなければならないと述べ、また、大会は英国に住む英国人のイスラム教徒やアラブ人--弾圧や貧困から逃れて亡命を希望している人々を含む--に大会のメッセージを送ることを呼びかけた。


翻訳:kitahata

レイバーネットUKのニュースより


Created byStaff. Created on 2001-10-16 08:39:02 / Last modified on 2005-09-05 02:58:26 Copyright: Default

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