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郵政首切り25年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 郵政民営化にうごめくオエライさんたち

  仁義なき闘いと言うのか、戦国時代情況と言うのか、なりふり構わずと言うのか、内ゲバ・内々ゲバと言うのか、良くは解らない。郵政の07年10月分割・民営・持株会社化への道を急ぐ今、郵貯簡保340兆円の大金にヨダレを垂らしているためなのか、地位とか権益とか勢力争いとかに血眼になっているためなのか、良くは解らない。政財官の親分連中が、どんな人脈や裏人脈や、どんな金脈や裏金脈や、どんな利権関係や裏利権関係にあるのか、そして、他を踏んづけても自分さえよければと嘘・偽り・裏切り・背信を重ね、ムチとアメ・脅しとくすぐり・暴力と札束を駆使する豊富な経験によって形成された脳ミソの中身など、とても計りかねるというか、計りたくもないからだ。彼らに較べたなら、JPU(旧全逓)本部の4・28免職者切捨てや二組合併等々のとても恥ずかしい行為さえ児戯に等しく、且つ解りやすい。

 ちなみに、今年1月23日に設立された「日本郵政株式会社」の取締役や設立委員には、トヨタと日本経団連の会長(当時)・日本商工会議所の会頭・経済同友会の代表をはじめ日本を代表するオエライさんたちがずらっと名前を連ねている。

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 思いつくままアトランダムに並べてみると・・・

 未だに「郵便事業会社」など分割4会社の社長が決まらない。資産の振り分け・ブンドリ等々、どんな暗闘が繰り広げられているのだろう?

 商船三井出身の生田正治・郵政公社総裁は、国際物流部門で世界4大メジャーに肩を並べようと中国・アジアを縄張りに大儲けを企んでいたが、提携先のオランダTNTもガメツサでは負けず交渉が暗礁に乗り上げた。これに対して、宅配便最大手のクロネコヤマトは、海運最大手の日本郵船との業務・資本提携を5月10日に発表、国際物流を強化する。同じ5月10日、郵政公社は「ライバル」物流大手の日本通運の前副社長を公社幹部(日逓役員の可能性大)に起用する方針を明らかにした。また、公社はローソンでの宅配便取扱をめぐりヤマトと係争中だが、ヤマト運輸常務の経験があるヤマト子会社前社長を引き抜いて、4月21日付で郵便事業総本部の部長級ポストに任命した。

 三井住友銀行頭取だった西川善文・日本郵政株式会社社長は商船出身者とは違い、お金を直接右から左へ移して大儲けする戦略に力を入れる。政府の規制排除、融資など新規事業への早期参入等、全国銀行協会会長だった時とは全く逆のことをのたまい昔の「同志」を足蹴にする。投資信託業務を3倍に拡大すると言う(民営化時の取扱局1550局は三井住友銀行の3倍。09年度の残高目標も当初の3倍4兆9千億円)・・・預金口座から投信口座へ金を移すだけで手数料約3%収入となり、損害も負わず、信託報酬までも得られる。お客は3%儲けるだけでも大変だ。公共性はない。クレジットカード事業への参入も住宅ローンへの傾注も、同じく公共性はない。

 民営化後の郵便保険会社も、1千万円の加入限度額引き上げだけでなく「第三分野」への進出方針を固めた。今の簡保はほとんど「第一分野」の生命保険だが、保険には損害保険などの「第二分野」と、米系保険会社が優位に立っている医療保険や介護保険などの「第三分野」がある。この日本郵政株式会社の方針に対して「早く民営化しろ」と圧力をかけていた民間保険会社も米政府も「フザケルナ!」と怒っている。

 ついでに言うと、この西川社長が頭取時代に三井住友銀行は「取引先が要らない金融商品(金利スワップ商品)を、融資引き上げの脅しでもって押売りし繰り返し手数料を稼いだ」罪により、公正取引委員会から昨年末「排除勧告」を出され、今年4月末に金融庁から「金利スワップなどの半年間販売停止」処分を出された。この背景にあった「ノルマ主義」、郵政現場では西川氏が新たに導入する必要はない。

 メガバンク合併に剛腕をふるったこの西川氏を、他候補を引きずり下ろしてまで日本郵政社長に指名したのが竹中平蔵という総務相兼郵政民営化担当相。経済財政諮問会議で、郵政民営化と共に政府系金融の統廃合を押し進め、大企業融資が中心の日本政策投資銀行と地域金融が得意の商工中金の民営化に成功した。民営化した両金融機関を日本郵政に併合させるという筋書きを、当初からその筋の人は皆解っていたが誰も公然とは口にしなかったとのことだ。

名古屋哲一(郵政4・28免職者)

「郵政ユニオン九州地本機関紙」及び「大阪・吹田千里支部機関紙」にも掲載

*タイトルはレイバーネット編集部


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