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LNJ Logo 小林たかしの談話室・第16回
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第16回・石原都知事、震災復興と五輪招致は矛盾しないの?

●さ お り◎オッチャン、石原都知事が五輪招致運動を再開するって。また莫大な予算が計上され ちゃうけれど、被災地支援の基金との関係はどうなるのかな?

★オッチャン◇震災を「天罰」だといった石原知事に、被災地の人たちへの思いやりがあるとは思え ないね。彼は17日の記者会見で「五輪会場に9年前の惨状の写真パネルをおいて、しかし今はこう復 興した、と見せるのもひとつのプレゼンテーション」だと発言している。彼が五輪でアピールしたい のは、日本の国力や経済力なんだ。彼の財界への思いやりは人一倍だからね。

●さ お り◎花見のときに、上野の山の灯りを消して庶民の楽しみを奪った人間が、財界のためな らオリンピック誘致を税金つかって何年もやるなんてムチャクチャよ!

★オッチャン◇大国と多国籍企業に牛耳られた五輪は、ナショナリズムとコマーシャリズムにおかさ れた醜悪なイベントなんだ。第2次大戦前夜に、ヒトラーが国威昂揚をはかったベルリン・オリンピ ックと本質はちっとも変わっていない。だから石原も五輪招致にご執心なのさ。スポーツ文化を否定 はしないけど、近代スポーツには肯定面が少ないからね。

●さ お り◎どういうこと?

★オッチャン◇近代スポーツは西欧近代資本主義の落とし子で、人類史的な目から見ればスポーツ文 化の異端児さ。そこにあるのは、優勝劣敗主義と効率主義、記録主義と管理主義ばかりで、互角の勝 負こそ友情を深める最上のプレーだとする「ファイン・ドロー」の精神なんかミジンもないんだ。そ れでも、たいていのスポーツには競技的要素があるから、勇猛や狡猾といった野蛮さと、差別的な功 名心が付きものだけどね。

●さ お り◎石原知事そのものね。勇猛果敢に尖閣諸島に上陸したり、後出しジャンケンで立候補 して「味方」もあざむいたり、差別発言のデパートだし、尊大な功名心の固まりだものね。そうそう 都知事はお台場にカジノをつくろうとしてるけれど、スポーツにも賭博的な要素があるわね。地道な 生産的要素は少なくて、偶発的で略奪的なものが多いと思うの。それにスポーツって、軍隊の訓練か ら生まれたものがあるでしょう。乗馬とか射撃とか……あんなのキライよ。

★オッチャン◇石原の数ある差別発言のなかでも、いちばん露骨なのが2001年の5月8日の『産経新 聞』のコラムだ。「民族的DNAを表示するような(中国人の)犯罪が蔓延することで、やがて日本 社会全体の資質が変えられていく。……我々は今こそ自力で迫り来るものの排除に努める以外ありは しまい」と、1200万都市の知事が公共の言論機関で主張したんだ。むき出しの人種差別だ。もしアメ リカだったら辞任はおろか、刑務所入りだという人もいたね。石原の反中国発言は枚挙にいとまがな いけれど、このときは同じマスメディアでの発言だったせいか、マスコミも大きく取りあげなかった 。

●さ お り◎ナチの「ユダヤ人狩り」の思想と変わらないね。

★オッチャン◇石原知事は、古いナショナリズムの体質が抜けられないでいるタイプの政治家だけど 、東京に天然ガス発電所を建設するなど、目新しい政策を目ざとくかかげるしたたかさがあるから、 危険な民族主義に目をつむってしまう人が多いのも事実だね。そんな石原を強い指導者にしたてて、 その陰にかくれようとする都民の、長いものに巻かれる生き方にも問題があると思うね。

●さ お り◎そうだね、このまえの都知事選のときも、「なんでこんな奴がダントツで当選するん だ」ってイラついちゃたけれど、わたしたちのほうこそ冷静になって反省しないとね。

【2011/06/19 通算20回目/転載・引用・援用など、すべて自由】


Created bystaff01. Created on 2011-06-19 17:00:23 / Last modified on 2011-06-19 17:03:11 Copyright: Default


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