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時評

ブッシュ横田会見に疑問

   木下昌明

 ぼくは拉致問題の専門家ではありませんが、どうにも納得のいかないことがあります。それは横田めぐみさんのお母さんがブッシュに会って訴えたことです。それが日本のマスコミで大々的に報道され、多くの人々の共感を呼びました。

 しかし、ぼくが不思議におもうのは、アフガンやイラクで何万人もの人々を無差別に殺戮し、大地を劣化ウランなどの化学兵器で不毛にしたブッシュ--イラクで死んだ兵士(息子)のことで面会を求めたひとりの母親にさえ会おうとしなかったあのブッシュ--、ウソの戦争で2300人もの兵士の母親にさえ謝罪しないあのブッシュがですよ。そんな相手に会うってどういうことなのでしょうか? それとこれとは別問題とでもいうのでしょうか?

 ましてやブッシュは、北朝鮮を金融制裁で苦しめ、戦争状態をつくり出しています。そんな北朝鮮を敵としている国に助けを求めることはどんな意味をもつのでしょう。ブッシュを喜ばせるだけではないでしょうか?

 ぼくには、お母さんが母親の行為を超越してしまっているようにしかみえません。それは、アメリカの戦争政策(に口実を与えて)をあおり、ブッシュに国内の矛盾を外に転化させる格好の素材を提供しているからです。    さらに、折からの日米軍事同盟(これはナチスドイツと組んだ三国同盟を彷彿させます)ともいえる日米一体(アメリカの手下となって)の軍事再編や憲法改悪等々の政府の悪業の目くらましとして利用されているようにみえます。多くの人は「同情」のあまり、操作された現実が見えなくなっているようです。

 お母さんが本当にめぐみさんと会いたいなら、お孫さんと会える機会があったのですから、お孫さんから話をきいたり自分で現地に赴けるように交渉し、探したりすることからはじめるべきではないでしょうか? 

 ぼくには、日米の支配者が、この事件を利用して、日本と日本人をとんでもない方向に追いやりつつあるようにみえて仕方ありません。そして日本のマスコミも一緒になって腐ってきています。(2006/05/04)


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