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消えない竜山惨事10年と不動産独占の時代

[ワーカーズ連載]竜山惨事10年、都市開発と不動産欲望(3)

イ・ウォノ(竜山惨事真相究明委員会) 2019.01.09 15:32

赤く燃え上がる。なかなか消えなかった。 消えそうになると四方から吹く風が火種をよみがえらせ、膨らませて焼く。 2009年1月20日、赤黒く燃え上がった竜山ナミルダンの櫓の火は、 一瞬のうちにすべての人生を焼いて消えたが、 不動産の欲望の火は不敗神話の中でなかなか消えずにいる。

竜山惨事10周年を控えて、都市開発暴力の歴史と今の時期の都市再生の問題を振り返った。 この問題をどうすれば良いのか? 私たちは開発の暴力と強制退去に追い出される人々とどう連帯できるのかについての質問が付いてきた。 これらの質問に対する返事は、私たちの家と不動産の間から始めなければならない。 不動産バブルと独占という狂気の時代に、私たちの住居権について振り返るところから始めなければならない。

[出処:キム・ヨンウク]

家と土地、不動産独占の時代

先日発表された個人住宅保有現況によれば、 上位10人が保有する住宅数は4599軒で、1人当り560軒に達する。 上位1%の個人が所有する住宅は合計90万6千軒で、 1人当り平均6.5軒を保有している。 9年前に上位1%が37万軒を保有していて、平均3.2軒を保有していたことと比較すれば、 2倍増加したわけだ。 家を50軒以上所有する人も3千世帯にもなる。 1%による家の独占だけでなく、家が建っている土地の独占も深刻だ。 韓国銀行は去る50年間、米価は50倍上がり、ガソリン価格が77倍上がったが、 土地の価格は三千倍に上がったと発表した(2015年基準)。 経実連によれば、この10年間で個人が保有する土地は5.9%減少したが、 法人が保有する土地は80.3%増加した。 特に上位1%の法人が保有する土地はこの10年間で2.4倍増加した。 地価を基準とすると350兆から980兆に増えた。 1%の金持ちが家を独占し、1%の財閥が土地を独占している。

1975年に韓国銀行が統計を作成し始めた以後、初めて2016年から韓国の家計の利子支出は利子収入よりその比重がより大きかった。 これに伴いさらに多くの債務者が量産された。 2017年基準、家計負債1300兆のうち住宅担保融資が744兆を占めた。 銀行融資の73%が住宅担保融資だ。 銀行は事実上、住宅質屋に転落した。 統計的には半分が家を所有していて、半分は所有できなくなっているが、 家を所有する人もその家はウリ銀行の家、国民銀行の家と違わない。 家と土地を独占する少数の既得権勢力を除けば、誰もが家のために心配する。 不動産の独占と商品化は住居権を深刻に傷つけてきた。 「暮らす所」である住宅が、「買うもの」である不動産として取り引きされ、 住居は権利と認められずに市場における個人の能力によって決定される商品と見なされて久しい。 「買うもの」になった住宅は、公認仲介事務所のガラスの壁に商品として展示されるようになり、 消費を誘惑して株式取り引き仲介のように週間単位で発表される住宅価格の動向は、 今をのがしてはいけないと不安をあおっている。

バブルとモルヒネ、都市空間の略奪

韓国における不動産の独占現象は、 江南開発と江南のようになりたいという都市開発の欲望の中で不敗の神話になった。 ドキュメンタリー映画「バブル ファミリー」は、 バブルの欲望に危険に乗って没落した中産層の家族史を通して江南開発による不動産バブル経済の歴史を描いている。 監督には「不動産に執着する両親を理解できない」、 「これらすべてが非現実的」に見えるが、 結婚後に契約したアパートが2年で3倍も上がる最初の「驚くべき経験」を体験した両親にとって、 不動産はあるいはロトの欲望よりさらに現実的な欲望だった。

「バブル(Bubble)」は実物の内在する価値と比べて、 市場価格で過大評価される過熱現象を称する。 実体より価格が上昇する非理性的な過熱が投機的バブルを誘発して膨張する。 固い鉄球ではないバブルは結局、沈んだりはじける。 バブル経済の初めは1630年代オランダでのチューリップバブルだという。 当時、貴族と商人だけでなく、貧困層までがチューリップに投資して、 チューリップ1株が馬車1台と馬2匹よりも高いほど暴騰し、翌年に暴落する、 それこそ狂気の歴史であった。

「バブル ファミリー」でも家族は「不動産」に執着するが、 結局家族が今体験している現実の問題は、月貰と引っ越しの心配という「住居」、「家」の問題であった。 全国民の半分が伝貰・月貰の心配、引っ越しの心配に苦しむ無住宅世帯の時代に、 私たちの安定した「住居に対する権利(住居権)」を「不動産」という欲望の名に変えて呼ぶ間、 われわれは江南3区の未成年26人が497軒を所有して、 不動産成金上位10人が平均560軒の家を所有する国で暮らしている。

すべての世帯が一軒ずつ家を持ってあまりあるという統計が発表され始めてからも10年になった。 統計的には世帯数より住宅は余っているが、歴代の政府ごとに「庶民住居安定」を打ち出して不動産政策を発表し、 「供給不足論」は住宅難解消の呪文のようにくっついて開発をあおる。 文在寅(ムン・ジェイン)政府の新都市供給発表も、 不動産開発による経済成長の誘惑から自由ではないということを示す。 こうした開発・不動産経済は、当面の苦痛から逃げるためにモルヒネ(麻薬)式の処方をして中毒に陥るという破局を呼ぶ。 この50年間、開発と不動産で膨らんだバブルの欲望は、 私たちすべてを中毒に陥れた。 1978年の「ナンソゴン」と2017年の「バブル ファミリー」の40年の間隙でも、 「家」を「荷物」に変身させる妖術は不動産開発により可能だった。 壊して、作って、壊して、作ることを繰り返し、不動産独占を可能にしてきた歴史、 開発とジェントリフィケーションという曖昧な呼称で都市空間を略奪してきた歴史で、 暮らすための家に住む権利である住居権は、人生を押さえ付ける荷物になって久しい。 開発による不動産の不労所得と黒い金が幅をきかせる不動産独占の時代で、 生活の安らかなマイホームであるべき家は荷物になり、 土地と家を持てない人々には「ヘル朝鮮」になった。 結局、開発で家を奪われた人だけが住居権を奪われるのではない。 撤去民であろうがなかろうが、不動産独占の時代でわれわれはすでに私たちの家と土地を、 私たちの都市空間を略奪された人々だ。

空のポケットをひっくり返した文在寅政府の不動産政策

「また不動産価格が上がる兆しが見られる時に備えて、 政府はさらに強力な対策をポケットにたくさん入れている」。 発足100日をむかえる記者会見で、文在寅大統領が直接言った言葉だ。 不動産市場を通した経済活性化という歪んだ経済構造の中で発足した文在寅政府は、 執権の序盤に以前の政府と違って規制を強化しながら「投機抑制」を基調とする8.2対策を発表した。 「実需要の保護と短期投機需要の抑制による住宅市場安定化方案」という名の8.2不動産政策と後続の政策を出して、 「さらに強力な対策をポケットにたくさん入れている」と宣言した。 朴槿恵(パク・クネ)が「延びたうどん」と表現した不動産3法の規制緩和政策を元の状態に戻して 「多住宅者ははやく家を売った方が良いだろう」という投機抑制のシグナルを送った。 しかし、投機市場はしばらく傍観していただけで、気にしなかった。 それからわずか4か月で文大統領のポケットに入れていたものが単なる決心だけだという疑いは確証になって行った。 2017年12月13日、「さらに強力な対策」を入れたという「ポケット」を、 空のポケットをひっくり返すように裏がえす正反対の不動産政策を発表したのだ。 「家主と賃借人が共生する賃貸住宅登録活性化方案」という名で、 賃貸住宅登録誘導という名分で賃貸社業者に過度な恩恵を与えた。 民間賃貸住宅に登録する多住宅者に対して譲渡税重課排除、 従富税合算排除などの過度な税制恩恵と共に、 投機過熱地区でも住宅担保融資を80%まで受けられる特典を与えた。 民間賃貸住宅登録が投機屋の租税回避処として機能するようにした。 結局、8.2規制対策から4か月後に多住宅者規制を無力化させ、 多住宅者が税制優遇を狙って追加で家で家を買う投機を呼び、 狂った住宅価格と呼ばれた住宅価格の暴騰を呼んだ。

それの前には「住居福祉ロードマップ」を発表したが、 歴代政権ごとに発表した政権足住宅供給政策のように、 文在寅式の供給政策ロードマップを発表したといっても過言ではなかった。 特に文在寅政府は 「公的賃貸住宅」という用語を使って供給目標を提示しているが、 これは既存の「公共賃貸住宅」とは異なる類型の賃貸住宅政策だ。 公的賃貸住宅は朴槿恵(パク・クネ)が作った不動産積弊である「ニューステイ(企業型賃貸住宅)」の別名でしかない。 ニューステイは賃貸住宅供給という名分で公共宅地と金融支援などの公共資源を投入しながら、 ブランド分譲アパート建設会社にブランド賃貸住宅を建設し、収益が上げられるようにする大企業特典事業でしかなかった。 賃貸料も高く居住期間も短い。 だが文在寅政府は一部の公共性を追加する程度で維持して、この名前だけを変えて施行している。

住宅価格の暴騰が政権の支持率離脱の主な原因と指摘されると、 文在寅政府はこれまで使用に微温的だった総合不動産税強化(相変らず不十分だ)カードを含む9.13住宅市場安定対策を8番目の不動産対策として発表した。 保守言論は9.13対策に従富税爆弾を云々して扇動したが、 一方ではこれも98%の国民とは全く関係がなく、 「いっそ従富税を払いたい」という自嘲混じりの言葉も出てきた。 相変らず住宅市場で購買力を持つ人々への適切な管理方案としての不動産政策でしかなく、 統制されない民間賃貸住宅の前月貰の心配、引っ越しの心配に苦しむ大部分の賃借人、 住居権が剥奪された人々の権利保障は見えない。

長期公共賃貸住宅が5%に過ぎず、家のない大部分の人々が民間賃貸住宅の賃借人として暮らしているが、 伝貰・月貰上限制や契約更新請求権制度などの積極的な賃借人保護対策はなされない。 民主党が野党だった時、党論でも主張して、去るキャンドル政局の当時の臨時国会でも キャンドル民生改革立法課題と打ち出したが、 政権を取った後には知らんふりで一貫している。 われわれの住居権は相変らず不動産に抵当を取られている。

「ここに、人がいる」、話す人々

政権が変わっても、生活の空間で不安を感じたり、追い出されるだけの人々の人生は変わらなかった。 4万ウォンの安い考試院の窓がない部屋から脱出できなかった彼らが死んで話している。 「明日がくるのが恐ろしい」と自ら命を絶った麻浦区阿蜆洞の再建築地域の37歳のパク・チュンギョンが死んでもがいている。 生き残った人々は最低限の住居権でも確保するために、追い出されないために、 相変らずありったけの力をふりしぼっている。 その言葉と苦闘と必死の努力は、バブル(Bubble)を消えない固い鉄球だと勘違いさせるモルヒネの幻覚から抜け出して、 不動産独占の時代に反旗を翻す「ヘル朝鮮」から脱出する苦闘と同じだろう。 今でもそれぞれの空の果ての櫓に上がって叫ぶ「ここに人がいる」という言葉と苦闘、 必死の努力に対する連帯は、 「不動産」ではなく私たちの「家」、 略奪された私たちの「住居権」を語るところから出発しなければならない。 あるいは私たちすべての欲望を引き出すところから私たちの脱出が始まるのかもしれない。

私たちの労働と権利が土地と建物を独占した者どもに不労所得として献納される深刻な不動産・資産の不平等と独占の社会で、 われわれは「ここに人がいる」という叫ぶことでこの不平等と独占の輪を断ち切らなければならない。 私たちの奪われた家と土地の権利を、 略奪された都市中心部を取り戻すために話そう。 竜山惨事10年、「ここに人がいる。」(ワーカーズ50号)

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-12-29 10:36:25 / Last modified on 2019-01-15 03:30:38 Copyright: Default

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