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緑地国際病院と「ヴァンパイア効果」

[ワーカーズ]世の中の評判

カン・ドンジン(ワーカーズ諮問委員) 2018.12.28 12:32

[出処:キム・ヨンウク]

去る12月5日、国内初の営利病院である緑地国際病院が済州道で設立許可を受けた。 金大中(キム・デジュン)政府末期の2002年12月、 経済自由区域で外国人専用病院で営利病院設立が認められて16年だ。 当時は国内健康保険が適用されず、外国人だけが設立することができたし、 患者も外国人だけが受けることができた。 その後、2006年2月に済州道特別自治法は済州道での外国人営利病院と内国人診療を認めた。 同年7月には経済自由区域に国内の医療法人が資本合弁の形で営利病院に進出する道を開いた。 2012年8月には外国の免許を持つ医師の割合などを規定した施行令と規則が通過し、 外国の営利病院を誘致するための関連制度も完備した。 2013年2月、中国のテンジンファオプグループが済州道に国内営利病院1号の 「サンフン病院」の設立申請書を提出し、営利病院設立の動きが現実化され始めた。 保健福祉部はこの年の8月、これに対する承認を無期限に保留したりもしたが、 また2015年4月、済州道に「緑地国際病院」の設立計画書が提出され、 結局12月にこれを承認した。 だが済州道民はこれにはっきりと反対した。 去る10月「緑地国際病院公論化のための道民参加型調査熟考討論会」で、 参加陪審員団200人中180人が参加して投票を行った結果、 参席者58.9%(106人)が営利病院不許可を選択した。 賛成意見は38.9%(70人)に過ぎなかった。 しかし最終許可権者である済州道知事が道民意見とは反対に許可を決定した。

済州道の設立許可過程で保健福祉部は「済州道が判断する問題」とし、 黙認する態度を見せた。 内国人診療禁止は診療拒否に該当せず、医療法に違反しないという担当責任解釈も出した。 済州道特別法には内国人診療禁止の規定がなく、医療法に従わなければならない。 ところが医療法は診療拒否を禁止する。 それで済州道が福祉部の恣意的な担当責任解釈を根拠として緑地国際病院開設を許可したのは 上位法の医療法に抵触する。 緑地国際病院の開設主体である「緑地済州ヘルスケアタウン有限会社」は済州道知事が緑地国際病院開設許可を発表した後、 すぐに内国人診療禁止条件に抗議する文書を送ったという。 したがってこの内容は今後も問題になる可能性が高い。

これだけではない。 文在寅(ムン・ジェイン)政府は「これ以上、営利病院はない」と公言したが、 済州道営利病院設立を契機として営利病院設立の要求が高まる公算が大きい。 現行法上、経済自由区域では外国人医療機関設立が可能だ。 経済自由区域は仁川、釜山・鎮海、光陽湾圏、黄海(唐津・牙山・平沢)、大邱・慶北、 セマングム群山、東海岸(江陵・東海)、忠北(清原・忠州)と、 全国に8つの圏域が存在する。 2014年にも仁川松都に国際病院を設立しようとしたが投資家が現れず失敗に終わった。 釜山市も釜山鎮海経済自由区域内の鳴旨国際新都市に何年も営利病院の誘致を試みてきた。

営利病院に対する特典は相当な水準だ。 緑地病院の場合、外国人投資企業と同じ税制恩恵を受ける。 法人税と所得税を3年間全額減免され、その後2年間は半額を減免される。 地方税も取得税は全面免除され、財産税も10年間免除、3年間輸入資本財に対する関税も払わなくてよい。 共有水面使用料などの各種負担金は50%、開発負担金は全部免除される。 一般医療法人の場合は22%が適用される法人税額中、事実上免税範囲が最大50%であることと比較すると、 相当な特典を享受することになる。 政府が「医療産業育成を通した雇用創出」を主要な国政課題として出せば、 経済自由区域での営利病院設立要求が増大することは火を見るより明らかだ。

文在寅政府は大統領選挙公約で 「医療営利化を防いで医療公共性を強化」すると明らかにした。 具体的に遠隔医療は医療関係者と医療関係者間の診療効率化のための手段に限定し、 病院の営利子法人設立を禁じ、付帯事業は現行法律に限るという内容を明言した。 しかし政権は序盤期に「文在寅ケア」を打ち出して 健康保険保障性強化政策などを推進したが、 時間が経つほどイミョンパククネ政府が推進した医療民営化政策を完成させる動きを辿っている。 先に拠論したように、営利病院許可の過程で済州道の動きを事実上黙認したり、 許可をするにあたり保健福祉部が事実上寄与した。 許可が決定した後には「責任感を持ってしっかり運営してほしい」という意見を明らかにしたと報道されている。 「朴槿恵(パク・クネ)-崔順実(チェ・スンシル)法」と呼ばれた 規制フリーゾーン法が規制自由特区法という名に変わり、 9月の定期国会を通過して企業のための無制限の規制緩和も可能になった。 最近任命されたホン・ナムギ経済副総理は、国会の人事聴聞会で 「朴槿恵-崔順実法」の一つである サービス産業発展法を「強力に推進する」と表明した。 共に民主党は野党時代にこれを医療民営化法だと批判していた。 これとともに、企画財政部などは2019年経済政策方向でサービス産業活性化対策を提出し、 医療産業活性化対策を出すものと予想される。

このような医療民営化は突然に始まったわけではない。 6月8日の第一次革新成長関係長官会議で当時金東ヨン(キム・ドンヨン)副総理は、 規制緩和に対する政府意志を見せると発言した。 すぐに韓国経営者総協会は 「営利病院設立許容と遠隔医療規制改善など9件の革新成長規制改革課題」を企財部に建議した。 そして8月16日には文在寅大統領が「善良な機能」に言及して遠隔医療を推進しようと相槌を打った。 ついに共に民主党は最近、先端・革新医療機器産業育成と先端再生・バイオ医薬品規制緩和法案、 医師-患者間の遠隔医療許容法案などを 「保健医療革新成長のために最も波及力ある分野」と言及し、立法を推進している。

医療民営化と「キャンドルの逆説」

営利病院許可は医療民営化を完成するパズルのうち最も核心的なピースだ。 韓国社会の保健医療システムの公共性を維持する最後の砦である 「健康保険制度と医療機関の非営利性」というダムが崩れる亀裂の開始といえる。

47病床しかなく外国人観光客を主な対象とする小さな病院が、 何か大きな影響を与える恐れがあるのかという疑問を抱くかもしれない。 だが先に話したように、済州道だけでなく他の地域でも 医療産業育成と雇用創出という名目で営利病院設立動きが広がる可能性が高い。 そして営利病院の許容で健康保険当然指定制例外機関ができ、 この病院でどんな診療や治療をするのか、政府も知りにくくなる。 当然、診療費が上がるだろう。 営利病院ができれば周辺の病院も営利を追求するようになり、 結局医療費が上昇することになる。 周辺の病院も営利病院への転換の要求が高まるだろう。 いわゆるヴァンパイア効果だ。

李明博政権序盤に燃え上がったキャンドルの主な要求は 「医療民営化反対」であった。 10年経って「キャンドル」の力で登場した文在寅政府は 医療民営化の完成に向かって突き進んでいる。 「キャンドルの逆説」だ。[ワーカーズ50号]

原文(ワーカーズチャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-12-29 10:36:25 / Last modified on 2019-01-01 00:10:14 Copyright: Default

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