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水産協同組合が作った暗黒、商人が灯したキャンドル

[ワーカーズ ルポ]鷺梁津水産市場、資本権力を押さえ付ける

キム・ハンジュ記者 2018.11.26 10:23

[出処:キム・ハンジュ記者]

11月5日、水産協同組合が鷺梁津旧水産市場の電気と水を切った。 それこそ暗黒天地だ。 商人たちはキャンドルを灯した。 客は携帯電話のフラッシュをつけて市場を行き来した。 このように、あちこちの店からまた灯りがもれた。 鷺梁津旧水産市場は暗黒の中でも相変らず「市場」だった。

高裁「旧市場の商人は建物無断占有ではない」
水産協同組合の弾圧の中、「開かれた市場」を作った商人たち

「原告の請求をすべて棄却する」。 鷺梁津旧市場の商人の完全な勝訴だった。 ソウル高等法院は11月16日、水産協同組合と鷺梁津水産(株)が旧市場の商人に対して提起した損害賠償請求をすべて棄却した。 先立って水産協同組合は、商人たちが旧市場の建物を無断で占有し、約37億5千万ウォン相当の被害を受けたとして訴訟を提起した。 商人の無断占有で駐車場が使用できず5億5千万ウォンの損害を受け、 雇用費約32億ウォンを不要に使ったという主張だった。 だが裁判所は水産協同組合側の主張を受け入れなかった。 裁判所は旧市場を撤去の対象ではなく「市場」だとし、 水産協同組合に対する商人の抵抗を「市場機能を維持するため」だと判断した。

水産協同組合と鷺梁津水産(株)、商人の関係は複雑だ。 水産協同組合は鷺梁津旧市場の建物と駐車場の所有者だ。 鷺梁津水産市場の法的開設者はソウル市だ。 ソウル市が5年単位で鷺梁津水産(株)を卸売市場法人として指定してきた。 これにより鷺梁津水産(株)は水産協同組合と賃貸借契約を結び、 旧市場の建物を管理・運営してきた。 また商人たちは鷺梁津水産(株)と転貸借契約を結び、各店舗で商売をした。 しかし水産協同組合と鷺梁津水産(株)は商人との十分な協議を経ずに新市場を建築し、 2016年3月15日に開場した。 この時点で水産協同組合と鷺梁津水産(株)の旧市場建物賃貸借契約が終了した。 同時にソウル市も中央卸売市場の開設場所を旧市場から新市場に変えた。 これで旧市場に対する事業・運営主体はなくなった形になった。

市場の商人は新市場への入居を拒否した。 水産協同組合が市場の商人の意見を握りつぶして工事を強行した結果、 商売ができない「密閉型複層市場」になったからだ。 商人は旧市場で商売を続けていった。 すると水産協同組合は旧市場駐車場を遮断し、 新市場の駐車場を利用しろという公告文を張り出した。 しかし旧市場の商人は旧市場を訪れる客のために、駐車場を無料で開放した。 事故を防止するために車両案内もした。 駐車証も自分たちで発給し、商人と顧客間の車両を区分するなどの便宜を助けた。

裁判所もこれに注目した。 裁判所は「原告は旧市場の駐車場の建物を閉鎖、撤去しようとしたので、 駐車場の使用による利益を期待したと見ることは難しい」とし 「商人は旧市場を訪れる顧客が以前と同じように利用できるように、 閉鎖状態を開放状態にして駐車場としての利用ができるようにした。 鷺梁津水産(株)はこれまで駐車料を徴収して管理してきたが、 商人が駐車料を受け取ったと見る資料もない。 したがって商人が駐車場の建物を全面的に支配し、 彼ら自身が使用、統制したと見るのは難しい」とした。

一方、鷺梁津水産(株)は旧市場を管理・統制するために 2016年3月から2018年4月まで、 エスティシステムという業者に雇用費32億ウォンを支払った。 鷺梁津水産(株)は商人に対してこの費用を請求したが、 裁判所は旧市場の賃貸借契約が終了した2016年3月以後、 鷺梁津水産(株)が旧市場で行使する役割がないと見た。 契約上の関係にない者が「使わなくても良い金」を使った形で、 旧市場の商人にこれを請求する理由はないということだ。

集団利己主義? 利権争い? 「新市場、直接行ってみてください」

旧市場の商人が新市場に入居しないのには理由がある。 初めは市場の商人も、現代化された市場を期待した。 新市場でさらに楽に清潔に働けるかもしれなかった。 だが水産協同組合は2015年末、新市場が完工するまで出入を制限した。 完工の後に新市場を見てまわった商人は、建物の構造に驚いた。 彼らは意見の収斂なく工事を強行した水産協同組合の責任を問うた。 この時から商人の抵抗が始まった。

ワーカーズが会った商人のほとんどは、市場の建物の構造に最も多く言及した。 旧市場の構造は単層で水平移動だ。 店舗が一つの大きな路地を挟んで互いに向かい合っている。 このおかげで客は一回の移動でほとんどすべての商品を見ることができる。 だが新市場は碁盤式の複層型で、客が店舗を効率的に見て回れない構造だ。 通風と換気も問題だ。 旧市場は四方が空いているが、新市場は密閉型の建物で通風が難しい。 あちこちにカビがつくという商人の証言もある。 その上、地下2階にはスチロールの焼却場、1〜2階には市場がある。 スチロールの消却は発ガン物質を発生するが、 上の層に市場があるため非常に不安だ。 また建物は中央冷暖房システムなので食品が腐敗しやすい。

賃貸料の暴騰も小さくない問題だ。 商人の話によれば、旧市場C棟店舗は保証金約1900万ウォンと月々の賃貸料約18万ウォン、 月々の附帯施設費15万ウォン程度だ。 同じ棟の新市場店舗は保証金2200万ウォンに月々の賃貸料約25万ウォン、 月々の附帯施設費約35万ウォンだ。 保証金は約300万ウォン以上、家賃は二倍近く上がる。 ここに引っ越しによる水槽の製作、冷蔵・冷凍庫の設置などの費用まで加えると、 商人にとって入居は借金祭りそのものだ。

27年働いている韓商人のキム・ヒオク(仮名)氏の場合、 入居に必要な金は3400万ウォンにのぼる。 保証金賃貸料の値上げとともに水産協同組合が旧市場管理費を「爆弾請求」しているからだ。 キム氏は2016年3月から電気代、水道料金の告知書を受け取っていない。 新市場に入居しなかったので管理費を告知しないのだ。 告知されない商人は、旧市場で商売を続けていたが、 数週間前にこれまでの管理費が「不当利得金」になった。 30か月と10日間でキム氏が「不当に利益を取った」金額は1200万ウォン。 内訳を見ると1か月に5万ウォンにもならなかった水道・電気代が40万ウォンになっていた。 彼は旧市場からこのまま追い出されれば、 市場をまったく辞めて短期アルバイトの雇用を探すしかないと吐露した。

用役暴力に掘削機まで...毎日が戦争
「集団利己主義? 市場を守りたいという気持ちだけ」

[出処:キム・ハンジュ記者]

水産協同組合は、旧市場の商人を追い出せずにやきもきしている。 11月20日午前9時頃、水産協同組合が掘削機を動員して旧市場に押しかけた。 奇襲撤去だった。 掘削機で旧市場入口側のコンクリートを10メートルほどを破壊した。 ここに杭を打ち込んで旧市場への車両の出入りを止めるつもりだった。 状況を目撃した商人が掘削機を取り囲んだ。 自分の車を持ってきて掘削機の移動を防ぐ商人もいた。 小競合いが激しくなり、商人1人が怪我をして病院に運ばれた。 警察兵力が増え、水産協同組合職員が退去し、商人は新市場の前で座わり込んで集会を続けていった。

「私たちの抵抗がマスコミでは集団利己主義と報道されるのではないか心配です。 私たちが億台の売り上げだと? 集団利己主義だと? 20年間、太刀魚とワタリガニを売って、息子二人を何とか大学に送りました。 登録金も全部払えず、一部だけ助けました。 私はただ市場を生かしたい気持ちだけです。 こちらに残って戦う商人のほとんどがそうです。 利益が残らなくても市場でお客さんと触れ合う生活を幸せと思う人々です。 しかし利権に介入した勢力により市場がなくなりそうです。 新市場はすでに機能を喪失しました。 ここに来るお客さんが、高くて買い物が難しいとし、また旧市場にきます。 ここを必ず守ります。」

11月12日には闇の中で追撃戦が行われた。 午後7時半ごろ、旧市場の商人が市場の前で集会をしていた時だった。 商人のキム・スファン(仮名)氏は不安な気持ちで水道管がある屋上に上がった。 水産協同組合の断電・断水後に商人が水道管を直すと、 また水産協同組合職員が壊すということが繰り返されているからだ。 キム氏は屋上への階段に発電機で点灯していた電球が消えているのを発見した。 誰かが電球を取り外した痕跡があった。 屋上に上がると実際に水産協同組合の職員3人と用役3人が水道管の近くにいた。 彼らはキム氏を発見すると逃げた。 しばらく追いかけたキム氏は、闇の中の階段で足を踏みはずして転落した。 彼は現在も腰の痛みを訴えて、歩行に支障がある。

キム氏が痛い足をもみながら話した。 「水産協同組合が電気を切り、商人は一日賃貸料10万ウォン以上の発電機を使っています。 しかし水産協同組合が市場歩き回り、それまで撤去しようとしているのです。 発電機業者に電話して『壊れても責任は取れない』と話して回るそうです。 水産協同組合はひとまず不法を行って、金で防ぐというつもりです。 金で言論、政界もすべて懐柔していますが、 われわれは何も持っておらず。私たちの話を聞いてくれるマスコミや政治家はいません。 誰か死ねば話を聞いてくれますか。 時々そんな気がします」。 実際に去る11月9日には商人1人が市場で焼身を試みた。

市場の法的開設者はソウル市
商人の座り込みに朴元淳は「市に権限ない」

鷺梁津水産市場現代化非常対策委員会の商人約10人は 11月11日からソウル市庁1階ロビーを占拠した。 彼らは鷺梁津水産市場の法的開設者であるソウル市に対し、 水産協同組合の断電・断水問題を解決しろと要求した。 商人たちは断電・断水直後、管轄地方区の共に民主党のキム・ビョンギ議員室と 銅雀区庁を訪問して面談をした。 しかし地方区の議員室は対策を出さず、区庁は政治的に解決するべきだと回避した。 商人たちは朴元淳(パク・ウォンスン)市長は違うと期待して市庁での座り込みに突入した。 市庁ロビーの真中に「朴元淳市長面談要請書」と書かれたプラカードを置いた。 商人1人は11日からまったくハンストを始めた。 だが面談どころか弾圧が始まった。 退去要請書だけで数回。 弁償金を賦課するとも脅した。 市庁前で商人が記者会見を行った14日には、庁舎の出入口を封鎖した。 警察が裏門で身分証を検査した。 座り込み商人の食事を統制することもした。

キム・ヒソン(仮名)氏は文在寅朴元淳への期待は さらに大きな背信になって戻ったと話した。 「私は文在寅が大統領なれば、 鷺梁津水産市場の問題はすぐに処理すると思いました。 しかしむしろ無関心で、仲裁もしません。 最近、大統領が朴槿恵(パク・クネ)の時の官僚による積弊清算に困りきっているそうですね? ソウル市もそうだと言いますが、私は理解できません。 問題解決で行政力を発揮するのが市長であり、大統領ではないのですか? それが選出職に与えられた権力ではありませんか? 今ソウル市は無能そのものです。 朴市長を弾劾しろと言いたい気持ちです」。

対策委のチョン・チャンベ政策委員長は 「鷺梁津水産市場に関与されたすべての政治、行政主導者が互いに責任を転嫁する状況」とし 「銅雀区庁と地方区議員室は互いに責任を転嫁して、 ソウル市は海洋水産部に責任を転嫁する。 われわれはソウル市だけに責任を問うのではない。 ソウル市、海水部、銅雀区庁、地方区議員全て職務遺棄をしている。 現在の断電・断水という初めての事態を早く解決するためにソウル市庁に来た。 農業安定法(農水産物流通および価格安定に関する法律)による市場開設者がソウル市だ。 そして商人も納税するソウル市民だ。 だがソウル市は8日間、話も聞かない。 断電・断水で魚も商人も死んでいくという話だ」と鬱憤をさく烈させた。

11月15日午後11時。 朴市長が帰途に市庁1階の座り込み商人と会った。 チョン政策委員長は朴市長の前を防いで断電・断水措置の解除と面談を要求した。 朴市長は「旧市場は住居地域ではなく商業地域なので、 市は断電・断水に関する措置ができない」、 「水産協同組合が私たち(ソウル市)の話をよく聞かない」と話した。 少しでも話をしようと要請してみたが、朴市長は5分で席を立った。

11月19日。 ハンスト8日目の商人ユン某氏が結局体調不良で倒れて応急搬送された。 この日、ソウル市は11月21日までに市庁から出て行けという最後通牒を送った。

11月20日、商人たちは朴市長の市民公聴会を組織するために、市庁での座り込みを終えた。 市庁座り込みをした商人たちが立場を明らかにした。 「われわれはまた鷺梁津水産市場に戻って商売をしながら戦い抜く。 ぜひ私たちの戦いを最後まで支持してくれることを、 民主主義ソウルを叫ぶソウル市からどんな市民権も認められない鷺梁津水産市場の商人を忘れないように願う」。 また市場に戻った商人たちは、 今日も水産協同組合の掘削機の前を遮って商売を続けている。[ワーカーズ49号]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-11-26 21:19:04 / Last modified on 2018-11-27 14:41:38 Copyright: Default

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